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書きとめたネタを話に起すのに
時間がかかりますね。
モリモリ書きたいのに!
初めて姫と言う存在に会った森山実留です。
生まれて初めて出会った姫はブタでした。
嬢なら何回か逢いに行った事はありますが
そこまでのブタは居ませんでした。
まぁ追加料金(指名料)を払ってますしね。
ブタ子が意識を取り戻したので
色々と話したい事もあったが
時間も遅く日が暮れてきたので
そのまま野宿準備を先に行う事にした。
アリスと俺だけだと木の陰で寝るぐらいだが
今回は違った!
俺が周囲の警戒をしている間に
なんと火が起してあったんだ。
転生してから初めて火を見たよ。
暖かいなぁ。
「火を怖がらないんですね」
「えぇ、火には慣れてますから」
「慣れているんですか?
犬族なのに?
あぁ、魔法を使えるんですか
ドーバードック?ですよね
知性が高い個体もいると聞いた事があります
でもその割には大きさや毛並が違いますねぇ」
次々と質問をしてくるブタ子を落ち着かせて
食事の準備にとりかかる。
「とりあえず食事を先にしてから
ゆっくり話をしようぜ」
そう言って蛇と虫を取り出す。
「あの・・・・今の何処から出したんですか?
良く考えたら私の荷物も移動してあったし・・・
あと・・・蛇はわかるんですが虫も食べるんですか?」
「え?虫食べないの?」
「えぇ、私の一族では幼虫は食べますが
成虫は料理しないと食べないですね
今は焼くだけしかできませんのでちょっと・・・」
「え?生でも美味しいよ」
モシャモシャと虫を食べてみせる。
そしてブタ子にもおすそ分けをあげようと差し出すが。
「ミノルさん申し訳ないですが
節足が口からはみ出ててちょっと・・・・気持ち悪いです」
「はい、すみません」
虫・・・・おいしいのに・・・・モシャモシャ。
・・・・目線が痛い。
アリスとブタ子の引いてる目が痛い。
蛇とブタ子の持っていたパンを火で炙って食べた。
塩があったので蛇にかけて焼いた。
味がある。
何とも言えない旨味がある。
≪大声≫発動。
「味があるぞぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ちょっと実留さん
なにいきなりスキル発動させてるんですか
唐突過ぎてブタ子さんの意識が飛びかけてますよ」
「ごめん!あまりにも塩っけがある蛇が美味しくて
俺もう・・・このまま生噛りしか出来ないんじゃないかと
思っててさ・・・・」
「そうでしたか
でもそれはそうとしてブタ子さんに謝ってください」
「ブタ子さんごめんなさい」
「え?はい大丈夫です
ちょっとビックリしちゃいましたが
はい、大丈夫です」
その後食事は無事に終わり
俺は弁当として確保した蛇を
1人で20匹近く食べてドン引きされた。
クスン。
「改めて自己紹介しましょうか
俺はドーバードックの実留で
こちらは契約妖精のアリスです
人間社会の事を学びたくて森から出てきました」
「私はブタ子とお呼びください
ベルオークのランバルト一族の王の娘です
目的は首都ノイードに行く事です」
俺はここでブタ子のステータスを確認する
名前:ブタ子(□◆◇■)
性別:女
種族:ベル・オーク
むぅ、種族と名前しかわからんぞ。
この子もランクが俺より上なのかな?
ブタ子の容姿が気になっている事だろう
今更だが説明したいと思う。
まず顔はブタだ。
真っ白の美白ブタだ。
オークと言うと醜い太ったブタを想像するが
牙も無ければ醜くもない。
いや・・・ブタの醜悪はわからんが・・・。
スッキリした顔で弛んでもいなく愛嬌はあると思う。
とにかく子豚を等身大(160cm位)にした顔だと
想像してもらいたい。
それが二足歩行してるんだ。
そして体だ。
何と・・・・普通の人間の体に近い作りだ。
全体的にずんぐりしているが
ブヨブヨって感じでもない。
運動している中年の女性の体に
子豚の顔が乗っているのが近いイメージかな。
よくわからない人は今すぐその手の雑誌なりで
体つきをチェックだ。
ちなみに手は蹄じゃなく普通に人の手だった。
≪オーク≫
ブタを醜く太らせ二足歩行にした外見を持つ。
食欲と性欲を満たすために凶暴性が高い。
人族に比べて力は強く耐久性も高い。
生活は原始的なものとなっている。
基本的には発見されれば討伐対象となる。
≪ベル・オーク≫
オークの亜種となる。
肉体的な力はオークに劣るものの
知性は格段に向上し凶暴性は無くなっている。
一説によると人族とオークとの子供が
祖先ではないかと言われている。
社交的な一族もおり脅威度は高くない。
ふむふむ、知らない事が多いな。
もう少し情報をひっぱりたい。
「ベルオークと言うのは?」
「オークの亜種になります
亜種と言うのはルーツが色々とありますが
基本的には純粋種以外の事を亜種と言います
亜種は純粋種に比べて力が強かったり
魔力が強かったりします
私の一族は力は弱いですが魔力が強いです」
「魔力ですか!」
「はい、火を起したのも魔法でやりました」
「そうなんですか!
是非!魔法を!魔法を見せてくださいっぃぃぃぃ!!」
「実留さんおちついて!落ち着いてください!
ブタ子さんがビックリしてますよ」
「はぁ・・・はぁ・・・すみません
どうしても魔法に興味がありまして」
「いえ、大丈夫ですよ
ちょっとやってみましょう」
《火よ灯れ》
ブタ子の指先に小さな火が灯る。
おぉ~、すげぇ!
《水よ集まれ》
ブタ子の指先に小さな水玉が浮かび上がる。
うぉぉぉぉ~、すげぇ!!
《風よ舞え》
ブタ子の指先から風が舞い上がる。
ふぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~、すげぇ!!!
《土よ集え》
ブタ子の指先に向かって地面から土が盛り上がる。
ん?地味?、でもすげぇ!!!!!
「はぁ・・・はぁ・・・こんなものです
私は生活魔法しか使えないのですが・・・・」
「生活魔法?」
「えぇ、基本魔法はですね
火風水土の四属性に分類されます
それぞれが初級、中級、上級と
ランクが上がるにつれて難易度が上がっていき
それぞれは相性によって覚えれる属性があります
原則には火と水、風と土は同時に覚えれません
例外もあるようですがね
そして先程の生活魔法というのは
初歩の初歩で初級よりも簡単な魔法です
これは簡単で威力もほぼありませんので
相性はなく四属性が全て使えます
まれに駄目な方もいるようですね」
「それは!それは俺も覚えれるの?」
「はい、生活魔法なら大丈夫だと思いますよ」
「教えて!それを俺に教えて!」
ついに来た。
ファンタジーきたよこれ!
俺も魔法を覚える時がきたのだ。
「・・・・・・良いですが
1つ条件があります
私とノイードまで護衛として一緒に行って頂けませんか?」
「ふむ・・・俺の事はまだ何もしらないよね?
知らないけど首都までって結構遠いんじゃない?
それでよく一緒に行こうと思うね」
「ですね~、実留さんは犬ですけど
変態ですよ~」
「え?変態なんですか」
「変態ちゃうわ!
でも俺の事を何もしらないのは事実だよね」
「・・・・はい
私はノイードに行かなければいけないんです
そしてこのまま一人で旅を続けるには
厳しいと感じました
ミノルさんは・・・・信用できる気がするんです
それに!ミノルさんの事は今から知ればいいんです!」
真剣な目を俺に向けてくる。
出会って数時間しか経っていないが
その目が嘘を言っていないと訴えてくる。
「隠し事せずに全部話してくれるか?」
「はい、もちろんです」
「ふ、わかったよ
それに魔法の師匠に隠し事はいけないからな
俺も全部話す
だから俺に世界と魔法を教えてくれ
代わりに俺はブタ子をノイードまで護衛しよう」
犬と妖精とブタ。
ついに冒険の旅が始まる。
やっと話が動きそうです。
でも実留君は進みが遅いからなぁ~。




