4-41
暖かかったので暖房を付けずに寝たら
朝が物凄く寒いという罠。
【やぁ、久しぶりだね】
「・・・・・・」
【今回は随分と頑張ったね
色々と行動してて楽しめたよ】
「・・・・・・」
【あれ?
機嫌が悪いのかな?】
「・・・・・・」
【おーいおーい】
「あのさ・・・・お前の加護持ちって頭オカシイの多くね?」
【えーいやだなぁそんな事ないよ
それに君もその1人なんだよ】
「俺は行き成り他人を殺したりしねーっつうの
魔王も勇者も人の話を聞かねーし
急に殺しに来るんだぞ」
【それはまぁタイミングと言うか
空気を読まない君が悪いと言うかさ】
「あんな状況でどう読めっつうんだ?
事前情報も無くて急に戦闘だぞ」
【あはは、そこはまぁ仕方が無いよ
それだけ世界神の加護ってのは影響があるものさ
本人達も無視できないレベルでね】
「そりゃまぁそうなんだけどさ
俺なんかがどっちの陣営についても
戦力になりもしないんじゃないか?」
【世界神の加護ってだけで
相手はそうは思わないからね
自分がそうなんだからさ】
「そうなんだろうけどさ・・・納得は出来なくね?
そもそも魔王&勇者と俺の能力に差がありすぎだろ」
【それはまぁそんな設定にしてるからねぇ
頑張ってポイント貯めて強化して貰うしかないね】
「まぁ・・・・・凄ぇ理不尽さを感じるけど
確かに転生は俺だけのメリットではあるけどさ・・・・」
【うんうん
そう思って前を向こうよ】
「お前に言われたくねーっつうの」
神自体に悪気が有るんじゃないし
納得は出来ないが状況が変わる訳でもないんだけどさ
やっぱり八つ当たり位はしたくなるってもんだ。
【それでどうする?
一応、最後のとことか説明する?】
「あぁ、頼むよ
何となく予想はつくけどな」
【うんうん、君は勇者君が操ってた女性騎士君に
首を刎ねられたんだね】
「やっぱあの騎士は操られてたのか
アミスって何人も操作できるの?」
【余り詳しい事は言えないよ
それでも君の友人の金髪君と女性騎士君は
同時に操ってたみたいだね】
「詳しい事を言えないって言ってる時点で
操れるの確定じゃね?
それにしても1人と言うか
1体しか操れないって訳じゃないよな
国中を監視するって言ってたしさ」
【うんうん、そうかもしれないね】
「その女性騎士の事はどうせ教えてくれないんでしょ?」
【うんうん
良くわかってるね
まぁソコソコ腕の良い元騎士君だよ】
「元騎士なんだ・・・まぁ気にしても仕方が無いか
んでアミスはどうなった?」
【普通に国政してるよ
君とあれこれしてる間も勇者君は通常運転だったね】
「え?なんで?
普通は遠隔操作中って本体に意識無いんじゃないの?」
【普通って言われてもなぁ
現に勇者君は通常行動してたよ】
「謎解きやヒントは?」
【自分で考えるか調べてね】
「だと思ったよ」
【あはは】
「ラースはどうなった?」
【金髪君が冒険者ギルドに手配してたから
保護されてるとは思うよ
今後は金髪君が気にしてたから大丈夫じゃないかな】
「そっか、レイニーが気にしてくれてたか・・・・
でもアミスとの繋がりがあるのが気になるなぁ」
【勇者君は自分の国に害する者以外は
手厚く保護するし優しいから大丈夫じゃないかな
絡め手と言うか卑怯な事も嫌いな方だし】
「そうか?そんな奴が国に害しても無い
俺を殺そうとするかね」
【あれはまぁ事故みたいなものだよ
魔王君と勇者君は色々とあったからねー】
「それはそうだろうよ
仲良く話してたのに一転して殺し合いだもんな
何があったかは教えてくれよ」
【あー、うんまぁ簡単な事だけど
勇者君の家族が魔王君に殺されちゃったんだ
結構、酷い感じでね】
「それでか・・・・
でもアミスって落ち人だろ?
家族なんて居るのか?」
【まぁそこら辺は詳しくは言えないよ
それに魔王君も直接は関わっていないんだけど
あの性格だからね
部下の仕出かした事は私の責任だって聞かなくてさ】
「あぁ、それは何となくわかるな
両方ともに難儀な性格だよ」
【あはは、良い子達なんだけどね】
「そういや実里はどうなった?
今回は全然話を聞かなかったんだけど」
【元気にしてるよ
最近で綺麗さと神聖さに磨きがかかったって
評判になってるよ】
「元気にしてるなら良かった
何か変わった事はないのか?」
【教会の活動で遠征が多くなったようだね
それに併せて直属の護衛部隊なんかも作ったようだよ】
「あんな事があったのに遠征って馬鹿じゃねーのか?
護衛部隊ってそんなに優秀なのか?」
【あはは、君の疑問も良くわかるよ
でも遠征は教会としての方針だしね
ちなみに護衛部隊には友人の盾戦士君も居るよ】
「え?キリルも居るの?」
【うんうん
君が"頼む"ってお願いしたんでしょ?】
「そりゃしたけどさ・・・・」
【あはは、それを律儀に守ってくれるなんて
有り難い事じゃない】
「まあな」
【ちなみにちっこいハイエルフ君も一緒だね
戦闘狂君も協力者って形で今は同行してるようだよ】
「おお!皆無事か!
ブタ子はどうなった?」
【亜オーク君は護衛部隊と契約して
仕入れやなんかを手伝ってるようだけど
随時同行してるわけじゃなさそうだね】
「おおー、皆元気なのかぁ
良かった良かった」
【うんうん、君が喜んでるのを見るのは
嬉しいよ】
「・・・・何か企んでる?」
【酷いなぁ~
今まで君に対して悪い様にした事ないでしょ?】
「う~ん・・・・・・・そういやそうだな?」
【うんうん
でしょでしょ
もっと信用して貰いたいね】
「まぁボチボチとな」
【あはは、君らしいね】
「今回は何か色々と有って大変だったなぁ」
【うんうん
結構、ダイナミックな行動で楽しめたよ】
「俺自身が望んだ訳じゃないんだけど」
【でも世界を動かすって意味では
少しは変わって来てるんじゃないかな】
「それはお前の目的だろ?
俺は実里に会いたいんだよ」
【まぁまぁ、君と僕の仲じゃない
何回も生まれ変われるなんて凄い事だよ】
「そりゃそうなんだけど
犬やら骨やら人工物とかじゃな」
【それはランダムで決まるから僕も
何とも言えないなぁ】
「なぁ・・・・・前から気になってたんだけどさ」
【なにかな?】
「本当に転生先って神の力で
指定出来ないの?」
【・・・・・君はどう思う?】
「ん~・・・・・多分、本質的には
操作出来ないってのは本当だと思う
だけど方向性を限定するとか
種族を極一部に限るとかは出来そうな気がする」
【あは・・・・あはは・・・・・あははははは
君は・・・・・・・・君は本当に面白いねっ!】
「どうした突然に」
【あはは、うんうん
やっぱり君を選んで良かったよ】
「その態度って事は出来るんだろ?」
【うん出来るよ】
「随分とあっさり認めたな」
【君に嘘は付きたくないからね】
「でも本当の事は言わないだろ?」
【もちろん話せない事も多いさ
でも嘘を言ったり騙したりはしないよ】
「どうだかな・・・まぁ良いや
それでどうなんだ?」
【可能は可能だよ
やろうと思えば人族を指定できるし
何なら妹君の家族として転生も出来るよ】
「まじか!ならそれを頼む・・・・いやちょっと待て・・・
それが出来るなら最初に言ってるよな?
何か裏があるだろ?」
【うんうん、君は本当に凄いね
もちろんそんな指定をしたら世界に
もの凄い影響が出ると思うよ
確実に悪い方向でね】
「それはなんで?」
【そうだね・・・簡単に言えば
君と言う存在を何処かに確定するには
その立場が必要だよね?魂の入れ物と言えるかな
誰かの子でも良いし何処かの死体でも良いけど】
「そりゃそうだな」
【うんうん
それじゃ元々、その入れ物に入る予定だった魂は
何処に行くのかな?】
「そっか・・・・そう言う事か」
【魂の入れ物と魂は深い繋がりを持ってはいるけど
一応は独立しての存在なんだよ
だから流れに任せて入る事は出来ても
無理矢理固定してしまうと
何処かに皺寄せは出るのは当然の事だよね
川も一部を塞き止めたり流れを変えたら
何処に影響が出るかなんてわからないでしょ?】
「無理をすれば歪みが出るか・・・・」
【そうだね
だからせめてポイント使って流れに条件を付けて
上流から流してあげるのが限界なんだよ】
「そりゃ残念だな
それでも無理矢理やった場合は?」
【最悪の場合、世界が崩壊しても良いならやるよ?】
「こえーよ!
其処まで言われてできねーっつうの」
【うんうん、だからさ頑張ってポイントを溜めれば
近いような事は出来るよ!多分】
「相変わらず適当だな」
【あはは】
「そういった理由があるならそれに乗るしかないけどさ
なんかこうお前の想い通りなのがなぁ」
【そんな事言わないでよ
悲しくなっちゃうじゃん】
「絶対に楽しんでるだろ?」
【あはは、そんな事ないよー
そういえば君を助けてくれた天使君にお礼しないとね】
「そうそう、宜しく伝えてくれってさ
勇者の邪魔をしちゃって申し訳ないと」
【助けないで勇者君の邪魔をしなければ
君が死んでただけだけどね
あっ、どっちにしろ死んでるね】
「その1人ボケツッコミつまんないから!
とりあえずロズの伝言は伝えたぞ
ちなみに実際はどうなのよ?
邪魔しちゃって駄目だったの?」
【そんなのは決まってるよ
もちろん大歓迎さ】
「だと思ったよ」
【それじゃぁ天使君には
何かしてあげないとね】
ソワソワと楽しそうにする神を見て
何か妙な胸騒ぎがするが気にしないでおこう。
大丈夫か?ロズ。
相変わらず神の適当さが半端ねーっす。
気が付いてるか実留君。
実は殆ど何も説明されてないぞ!




