4-39
気が付いたらユニーク12万超えてました。
地道に頑張って行きますので
今後とも宜しくお願いします。
こんいちわ森山実留です。
友人が友人じゃないんです。
いや友人なんですが友人じゃないんです。
全くもって友人そっくりと言うか本人なんですが
友人じゃないと言いますか。
所で友人って何ですかね?
言い続けてたら良くわからなくなってきました。
目の前に居るレイニーは変わらぬ声で
自分の事を"勇者"だと言った。
何が起きているかが全然理解出来ない。
ただ一つ言える事は転生が近いかもしれないって事だ。
「勇・・・者?
何を・・・言って・・・る・・・?
レイ・・・ニーじゃ・・・ない?」
「あぁこの体の事か?
こいつは間違いなくお前の友人である
レイニー・トランバスだ」
「と・・トラ・・・バンス・・・?」
「ん?コイツのフルネームを聞いてないのか?
まぁ貴族の端くれって事で色々と考えてるのかね
俺にはどうでも良い事だけどな
いや、俺の国の住民だどうでも良くはないか
・・・・まぁ今の話は忘れてくれ」
「あい・・・つ・・・は・・・どうなっ・・・・た?」
レイニーの姿をした勇者は自分の胸をトントンと指す。
「ここに眠っているぜ
安心しなこの体に危害は加えないさ
それに武器を収めてくれねーか?
戦いに来たわけじゃないんだ」
言葉を信じる訳では無いが武器を収める。
危害は加えないと言ってはいるが
実質は人質として取られているからだ。
それに戦闘になった場合でも何とか
逃げきれるんじゃないかとは思う。
俺が戦闘態勢を解除すると
勇者からの圧力が低下する。
どうやら向こうも警戒していたようだ。
威圧感は半端ないが行動阻害されるレベルでは
無くなったので闘気は解除し
各種スキルも最低限を残し解除する。
「まぁ何だとりあえずさ肉焼こうぜ
食いながら話すってのは良いもんだろ?」
「食事中は静かにするんじゃないのか?」
「あ?貴族ならそう言うと思ってたんだけど
コイツは違うみてーだな
まぁとりあえず肉食わせろよ」
そういってドカっと座り込み
ムシャムシャと肉を食いだした。
そんな勇者の行動に気が緩んだのか
俺も座って食事を続ける事にする。
「俺の事はアミスって呼んでくれれば良いぜ
お前の事は何て呼べば良い?」
「俺は・・・実留だ」
「ミノルね
でだ、ミノル
お前は何処から来た?
その身に宿すのは俺と同じ
世界神の加護だろ?」
いきなりズバリと言い当てられた。
魔王でさえ判ったんだ。
技巧派の勇者が判らない訳はないか・・・。
それでも正直に話すつもりはない。
「答える義理は無い
その前に自分の事を話したらどうだ?
その体の事とかもな」
「はは、随分と手厳しいね
まぁ情報交換と行こうじゃないか」
「じゃぁまずはそっちからな
レイニーの体について教えてくれ」
そこから交互に情報を交換しあった。
もちをん俺も本当の事を全て話すつもりもないが
向こうも同じだろう。
嘘はつかないが全てを話す事はない。
アミスはレイニーの体をリモートコントロールをしてる
ような状態だそうだ。
あくまでは本体は別として遠隔で制御する。
その為に相手の素質次第になるが
発露出来る能力にはバラつきがあるそうだ。
操作出来るようになるには
一定の条件をクリアしなければならなく
かなり厳しいらしい。
その条件は流石に教えてくれなかった。
これは擬似的な加護のような形になるそうで
本人の能力値にも影響が出る。
レイニーは魔法的な適性は全く無かったが
身体能力と感覚はソコソコのレベルで適性があったようだ。
成程、元の能力に勇者の能力が
加算されていたからこその戦闘力か。
なんでそんな事をしているかと言うと
国の安定の為であり隅々まで目を凝らすためだそうだ。
操作対象とは一回リンクを作れば
感覚を共有できるので監視や調査には便利なんだってさ。
絶対に自分の趣味も兼ねているとは思うんだけどね。
そしてこれは俺の勝手な予想なんだが
この遠隔操作はそれなりのデメリットと言うか
リスクがあると思っている。
そうでなければ勇者並みとは行かないが
一般レベルを大きく超える戦力を簡単に作れるからだ。
使い捨てにしてしまえば相当な戦力を見込める。
これは聞いても教えてはくれないだろう・・・・多分。
「まずはこっちの情報を話したぞ
ミノルの事を教えてくれよ」
肉を食いながら問い掛けてくる。
つうかいつまで食ってんだよ。
結構な量食ったよな?
アリスは我関せずで食い続けてるし。
俺は魔王との会話や今迄の経験から
話しても良い事だけを選択し説明する。
多分、効果は無いが≪誤魔化し≫も使う。
前の世界で死んでこっちに来た。
前は人間だったが犬種になっていた。
世界神の加護は持っているが効果の程は不明。
そんな説明をした。
「ふーん、なるほどなぁ
落ち人ともまた違う感じなんだな
生まれ変わりってトコか」
「そうなんだよ」
「そかそか
俺もそうだったけど
突然に違う世界に来るなんて最初は参ったぜ
自分が何処に居るかすら分からなかったんだからな
落ち着くまでには結構な時間が掛ったもんだ」
「あぁ・・・あ~、そうだな」
「だよなぁ
別の世界があるなんて事すらも
俺には理解出来なかった」
「そ、そうだな」
「しかも魔法の存在や
魔物なんてのがいるなんてな
理解云々の前に受け入れられなかった」
「お・・・おう」
「でだ、何でミノルはそんなに馴染んでいる?
コボルド種としては若い方だろう?
つまりはこの世界に来てから
そんなに年月が経ってないはずだ
違うか?」
「・・・・まあな」
「そこが謎なんだよな
普通はそんなに直に受け入れられないハズだろ?」
「あ、あぁ最初は戸惑ったよな」
「だよなぁ
それでだな聞きたい事があるんだが」
「なんだ?」
「ミノルが商人ギルドに預けている金は何だ?
冒険者ギルドのカードも再発行してたよな?
それはどう説明する?」
何時の間にか笑顔を止め真顔で見つめてくるアミス。
金色の瞳が爛々と輝き全てを見透かされそうだ。
「・・・・・」
俺は無言でジッと見つめる。
コイツが何を考えてるか分らないからだ。
「おいおい
そんな怖い目で見るなよ
俺はミノルと敵対したい訳じゃないんだぜ
寧ろ仲良くなりたいとさえ思ってる」
「そこまでは・・・信用できないな」
「そりゃ今は仮初の体だしな
信用できないのは当たり前だけどさ
一応、俺と会えるチャンスは作ったハズだぜ?」
「なんの事だ?」
「冒険者ギルドで俺に会ってくれって
頼まれただろ?アレの事だよ
多分、ギルド長辺りに言われただろ?」
「え?あれってアミスの差し金?」
「いや・・・直には指示してないけどな
流石に国王が辺境都市の一機関に指示なんか
出した日にゃ大事になっちまう
遠回しに指示したり今みたいに
遠隔操作して行動したりだな」
「操作出来る奴が何人居るんだよ・・・」
「それは秘密だ
俺の手札でもあるしな
ミノルが全て話さないのと一緒だ」
そう言ってまた見つめてくる。
俺はアミスを信用していいか決めきれない。
それでも今の所は敵対する意志はないようだ。
もう少しだけ情報を出す事にした。
「実は今は2回目の生まれ変わりなんだ
前回の時に冒険者兼商人をやっていたんだ
そこで死んだんだが気が付いたらコボルド種に
なっていたって感じで俺にも良くわからない」
「そんな事がありえるのか・・・・
落ち人や生まれ変わりがあるなら
それもまた有り得る話か」
「それでも何回も出来るとは思えないし
確かめたいとも思わないね」
「そりゃ世界神の加護があるとは言え
何回も出来るとは思えないな
リスクも高そうだ」
「それにアミスを見る感じだと
同じ加護を持っていても
俺はそこまで能力が高くないと思う
それもデメリットだろうな」
「あぁ、なるほどな
俺も最初から強かったわけじゃねーが
ミノルと比べたら流石にな」
俺もそんなに弱い方じゃないとは思っていたんだけどな
そうハッキリと言われると悲しいもんがある。
勇者は元々が職業軍人だか何だかの
戦う仕事してたようだからってのもあるだろうし。
俺も一応は転生の度に基礎能力は引継ぎで
向上してるハズなんだが。
あっ、でも前回で魂の修復とかで下がってるんだっけか。
「そんなわけで今はコボルドとして生きている」
「なるほどなぁ
そいつは難儀な事だ
でだ?
ミノルは俺の仲間になる気はないか?」
「いや・・・・それは・・・・
今の所は考えてない」
「それは何故だ?
俺の国に限るが優遇するぞ?
戦力として使うつもりも無い
国賓として俺の相談役として来て欲しいだけだ
もちろん束縛もしないし
他国に行きたいなら配慮も出来る
自分で言うのも何だが勇者の肩書は
相当に便利なんだぞ」
確かにアミスの提案は魅力的だ。
本当かどうかは判断しかねるが
融通を利かせてくれるのは嘘じゃないだろう。
勇者の肩書はそれほどに強く魅惑的だ。
だがそれでも俺は勇者の側には居たくない。
近くに居ればきっと魔王に会う可能性が出てしまうからだ。
あそこまで理不尽な存在に近づきたく無いんだ。
まだ勇者は話しが出来るだけマシだが
可能性は潰しておきたいしな。
さて言い訳をどうするかだな・・・・。
素直に話すのが良いのかどうなのか。
説明するにも微妙だよなあぁ。
「ちょっと会いたい人が居てね」
「ほう、それが俺の誘いを断る理由か?」
「あぁ、それに勇者の近くだと魔王に・・・「魔王だと?」」
急に被せてきたアミス。
それと同時に場の空気が一気に重くなる。
「おい・・・・・ミノル・・・・
貴様の会いたいと言う奴は魔王の事なのか?」
「いや・・・会いたいのは
魔王じゃなくてだな・・・・」
「そうか・・・・お前は・・・・貴様は・・・・
アイツと・・・・・・・・魔王と繋がってやがったのかっ!!」
そう叫ぶと抑えられていた圧倒的な威圧感が放たれる。
レイニーのサラサラの金髪は巻き上げられ怒髪天のようだ。
ここまで肌がひりつく感覚は魔王以来か。
明らかに最初の時に比べて出力が高すぎる。
荒れ狂う力に翻弄されるるが
レイニーの体は大丈夫なのか?
それ以前に俺の命がヤバそうだ。
「まて!落ち着け!落ち着けったら!」
そう言う俺の言葉は既に頭に入ってないようだ。
剣を抜き放ちこちらに近づいてくる。
「魔王に繋がる者は死ねっ!
皆死んでしまえっ!!」
俺、なんか地雷を踏み抜いたのか?!
地雷踏み抜きスキルがそろそろGET出来るんじゃなかろうか。




