4-33
年末年始で体重が増加中です。
頑張らなくては。
冒険者の森山実留です。
異世界からの転生で冒険者。
もうチート臭がプンプンしますね。
最高の肉体に魔力。
魅惑的な外見にカリスマ力。
何も持ってないですけどね!
つうかチート能力くれよ!神様っ!
翌日に商人ギルドに赴いた。
対応してくれたのは受付のオジサンだが
亜人種が何の用だ?とは言わないが
完全にそれに近い空気を醸し出してきた。
名札にはオルティブと書いてあったが名乗りもせず笑顔もない。
「何の用です?」
「冒険者ギルドで言伝を聞いて来たんですけど
ここのギルド長に直接面会してくれって」
「カード出して」
「は?」
「ギルドカード出して」
「冒険者ギルドのしか無いですけど?」
「商人ギルドの持ってないの?
ったく・・・・・それで良いから出して」
無言でひったくる様にカードを受け取り
見ながら何かに記入し放り投げるように返してくる。
「フンッ、案内します」
急に席を立ち付いて来いとの事
無言で進み部屋に通されお茶も何も出さずに
「ここで待っていて下さい」の一言で放置された。
たっぷりと30分以上立ってから
ノックもせずに誰かが入ってきた。
髪に白いモノが混じった少し恰幅の良い中年だ。
こちらを胡散臭そうに見てる。
「私がバイツグルの商人ギルド長をやっている
エランスと言う者だが・・・君は誰だね?」
もう全然ヤル気無さそうな面倒そうな態度だ。
「名前は受付の方に伝えたと思うんですが
実留と言います」
「ふむ・・・・?
覚えが無いが・・・・コボルド種と思われるが
何の用だね?
私としても忙しいのだが?」
「それも先程の受付の方に伝えたと思うのですが」
「だからどうしたと言うのだっ!
用件は何だと聞いている」
商人ギルドの長であるエランスは
そもそも亜人種を過小評価している。
確かに身体能力等は人族を上回る事が多いが
知性や知能は人族の方が上だと考える人物だ。
まして商いが獣風情に出来るものかとさえ考えている。
それなのに今は商人ギルドにも所属していない
冒険者ギルドから来たと言うコボルド種に対応するのは
ハッキリ言って非常に面倒で不愉快だという事だ。
オマケに子供と妖精まで連れている。
「こちらも冒険者ギルドで言伝を聞いてきたのですが?
商人ギルドの方で用があるんじゃないですか?」
「はぁ?君は何を言っているんだね?
コボルド種の君に商人ギルドが何の用があると言うのだね?
冷やかしなら帰ってくれたまえ」
おおう、こいつ面倒だなぁ。
多分、用件って事はウイスキーのロイヤルティーだとは思うんだけどね。
頭っから亜人種を見下してるから紐付もしないんだろうな。
仕方が無い俺は自分の金を守ろう!
旅を続けるに資金は必要だからな!
「え~と、多分ですが用件については心当たりがあります
ローレゼリア国のデンベルグで興した
ウイスキー事業のロヤルティーについてではないでしょうか?」
エランスの顔がギョッと変わり慌てだす。
「き、貴様・・・・その話を何処で聞いて来た?」
「は?聞いたも何も本人だけど?」
「ば・・・・馬鹿にするなよ・・・・
確かに名前は一緒ではあったが
コボルド種等ではないっ!
名を騙るとは・・・・・・おいっ!警備を呼べ」
手を叩き人を呼ぶ事を命ずるエランス。
本当っに面倒な奴だな。
「アンタさ亜人種の事嫌いだろ?
別にそれは構わないんだけどさ
人呼んで困る事になると思うぞ
それよりも"識別の眼"だっけか?
アレを持って来れば良いだけなんじゃないの?
あるんでしょここにも?」
「良いだろう!そこまで言うなら試してやろう
その代わりもう逃げる事は出来ないぞ
追い出すだけで勘弁してやろうと言うのに・・・ハッ」
駆けつけた警備の1人に魔道具を取に行かせ
部屋の隅には警備を配置させた。
エランスはニヤニヤと笑い。
心の中では馬鹿な亜人種めと思っている所だろう。
"識別の眼"に手を置いた俺は最初からスキル全開だ。
もちろん結果として顔を青くしているギルド長が居る。
「な・・・なぜ・・・・だ・・・・?
こんな亜人種に・・・・・」
「何故も何も本人だって言ってるじゃん
とりあえず俺宛に入金されているのは
わかったでしょ?手続きしてよ」
「あ・・・う・・うむ・・・
手続きは・・・しよう・・・」
歯切れの悪い返事をし
心なしかエランスの態度が変わったのは
正式に認めたからだろうか?
今更変わった所で心象は最悪だけどな。
各種書類と共にギルドカードを持ってくる。
「このカードは?」
「はい・・・あの・・・・現在は商人ギルドで預かり
冒険者ギルドが保障していますので
当ギルドとしてもカードを発行させて頂きました」
むふ?何か言葉使いが丁寧な気がする?
「あっそう
それでこっちの書類は?」
「それは現段階でお預かりしている金額の総額と
現段階での金額を表したものと
その他補足資料です」
ん?今一つ腑に落ちないが・・・・
とりあえず金額をチェックする。
「ンッ?何これ?」
そこに記載されていたのは今迄に目にしたことが無い程の金額だった。
俺の価値観で言えば10年以上は何もしないで暮らしていけるレベルだ。
しかも貧しくではなく普通以上の生活をしてだ。
家ならば結構な豪邸が買えるだろう。
更に言えば現時点の金額なので今後も増えていくという事だ。
おいおい、数年でどんだけなんだよ・・・・。
補足資料を見ると収入の状況が書いてあった。
まずデンベルグにはかなり大規模の蒸留所が作られている。
そこで製造量を相当に向上させた上に様々な酒を造られているらしい。
そして何をどう間違えたのか蒸留酒作りはデンベルグ公認の
製造業と商売になったらしく人も金も大きく動く事になった。
俺の取り分は5%で1%づつ冒険者ギルドと商人ギルドに支払われる。
その5%が蒸留酒の売り上げだけではなく全体の流れからの
税のように支払われる形になっていた。
そりゃ数年なのに凄い金額になるはずだ。
モロンさん、ラルベさん・・・何してくれてんのよ・・・・。
いや、まぁ嬉しいんだけどさ。
俺の取り分が増えれば両ギルドの配当も増えるんだから
良いっちゃ良いんだけどね。
他にもそこそこの金額が入金されてきているようだが
これはなんだ?
それともう一つの書類に目を通すと・・・・・。
現在の保有金額が記載されている。
それは総額の4割程度の額だ。
「・・・・・この金額は?
あとこのその他収入となってる金額は何?」
俺の質問にエランスは汗を流しながら説明する。
態度が急に変わったのが理解出来た。
俺のロイヤルティはどうも商人ギルドで基金として
運用されているようなんだ。
元が個人資金の為、元本保証はするが
利率はかなり低く設定されている。
ギルドで本格運用出来る程の額でも無いので
ギルド長辺りの個人運用に使用される事が殆どで知名度も低い。
確か保障さえしてくれれば好きに使って良いとは
言っておいたけど運用されてるとは思わなかったな。
運用で出た利息が先程の他収入になるのだそうだ。
それらの入出金の状況が書いてあるが
幾つかの支部で利用されているようで記載されている。
その為、現在の保有金額自体は4割程度となっているが
元本保証はされるので余り俺には関係がない。
「んで・・・・・このバイツグル支部の貸出金に対して
戻りが無い金額が結構あるんだけど?」
「は・・・・はい・・・・現在は投資中でして・・・」
「ふ~ん・・・・・まぁ良いか
商人ギルドで保障してくれるんでしょ?」
「はい!それは勿論です!」
汗をダラダラ出しながら即答するギルド長。
「それじゃぁ宜しくね
あぁ、後さ
バイツグルの支部に対して貸出金の早期保障の要求
並びに当支部に対しての運用の停止要求もするから宜しく」
「え?いや・・・・それは・・・・」
「だって貴方は亜人種が嫌いでしょ?
まさか嫌いな奴の金を使って利益を上げようとでも?
それとも個人の金なんて使ってもわからないと?」
「いや・・・その・・・・」
「まぁ、そうじゃないとしてもさ
俺が貴方の事が嫌いなんだよね
あの受付も嫌いだから俺が来たら別の人が対応してね
じゃぁ、そう言う事で」
項垂れるギルド長を後に部屋を後にした。
途中で受付にすれ違ったが露骨な態度は変わらなかった。
まぁその内に彼奴も思い知るだろう。
そんな事を考えながら商人ギルドを後にして
冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドでの本人確認はカードで1発OKだった。
そして話は商人ギルドと同様にロイヤルティの話だ。
「それではもう解決したと?」
「えぇ先程、商人ギルドの方で現状を聞き
当支部での運用禁止の手続きをしてきました」
「なるほどそれなら話がてっとり早いですな」
そう言って顎髭を撫でながら朗らかに笑うのが
バイツグルの冒険者ギルド長であるカーラスさんだ。
どうも以前からバイツグルの商人ギルドで
怪しい動きがあると睨んでいたようだ。
俺の預け金もそれらの一端だと言う。
現状報告と商人ギルドの監視報告聞き
バイツグル商人ギルドでの運用用途は不明だが
どうにも気に入らないので停止した旨を説明し
引き続きの監視を頼んだ。
あくまでも個人資金を預けているだけだしな
気に入らないなら使わせないようにする事も可能だ。
ラースの件についても最初から説明した。
"識別の眼"で魔力や身体特徴を鑑定した結果で
親子と認められたんだ。
それにしてもあの魔道具って相当凄くないか?
DNAとかまでチェックしてんのかな?
仕組みや構造を知りたいがどうも秘匿情報らしい。
値段も半端なく高く個人で買えるような額ではないそうだ。
それに作っている機関との契約が無いと売って貰えないし
個数や使用状況は厳しく管理されているそうだ。
そもそも個人で持っていても有効活用は難しいだろう。
ぶっちゃけ使い道が無い。
しかしそんな魔道具に俺のスキルを使っちゃったなぁ。
大丈夫なんだろうか・・・・今の所は何も無いようだけど。
何はともあれ無事にラースの件も何とかなった。
後で荷物を受け取っておこう。
これでまぁラースは俺の手を離れても社会で生きて行ける。
人族では無いが外見から嫌悪される事は余り無いだろうし
冒険者としての能力も最低限は身に着けた。
これからの生活はラースが自分の意志で選択していって欲しいもんだ。
他にもギルド長に気になっていた事を聞いた。
シューリズ、オックローン、リードリスの戦争は終わったそうだ。
この国のトップである勇者アミス・ロデアと聖神教会の
働き掛けで事を収める事が出来たそうだ。
どうも戦争の裏で何者かが暗躍していたのを
阻止したんじゃないかと噂されているらしい。
流石にギルド長ならもう少し詳細な情報があるかと思うが
あくまでも低ランクの冒険者の俺にはこの程度しか入手出来なかった。
聖神教会については数年前に聖女が行方不明になったが
無事に救出されたそうだ。
現在では直属の護衛部隊を編制し守りを固めている。
事件後には以前よりも更に表だって登場する事は減ったそうだ。
なんにせよ実里は無事みたいだな。
でも表に出る事が減ったなら会うのはどうすれば良いんだろうか。
人族やもつと近い亜人種なら教会に入ればチャンスはあると思うんだが。
実里が聖女ってスタンスから動けないのも問題だよな。
「さて、それではこの辺で良いかね?
今後とも良好な関係を築きたいものじゃな」
カーラスさんとの用件が片付いたので終わりだ。
俺はここまでの話でこの人は信用できると踏んだ。
「あの・・・最後に一つ聞きたい事があるんですが?」
「なんじゃね?」
「この街の貴族の方がコボルド種に懸賞金を掛けてますよね?」
カーラスさんの眉がピクリと動く。
「ふむ・・・・君は其処の出身かね?」
「そうなります」
「そうかそれは苦労しただろうな
だがギルドとしても何も出来んのだよ
個人で掛けられた懸賞金を撤回させるような事はな」
「それでも挑戦した者や冒険者が死んだ場合は
ギルドが討伐に動く事もある・・・・と?」
「そうじゃな・・・・それは申し訳ないと思う
冒険者ギルドは社会の安全維持や生活を支える機関であって
不正を取り締まる役割は無いんじゃよ
あくまでもそれは付随するものなんじゃ」
「何か手は無いですかね?」
「この件についてはギルドも少々悩んでいてな
件のコボルド種がギルドに登録でもしてくれれば
介入は出来るのじゃが・・・・それは難しいかね?」
「個人単位では可能だとは思いますが
実は他にも同種が居るんです
今後に現れないとも限りませんし」
現在の目的は母犬だが兄妹達が同種だと言うのは
いずれ知られてしまう事だろう。
特にメス子なんて同性という事もあり危険度は高い。
「君達の住処が町か村として正式に認識されれば
解決するとは思うが
それにも色々と問題があるじゃろう?」
「ですね・・・・そもそも交流が無いですし
亜人種の集落な上に立地にも問題ありですしね」
「それと近隣を収めている領主の許可が必要となるな」
「それって?」
「うむ、予想している通りじゃな
ここの領主であるヴィルド様じゃ
そして懸賞金を掛けている張本人でもある」
「手詰まりですかね?」
「いえ・・・・他にも手はあるんじゃが・・・・」
歯切れの悪い感じで案が有る事を言うが煮え切らない。
「何か手があればお願いします」
「う・・・うむ・・・・
ここの領主はな手腕は見事で頭も良いんじゃが
何かと変な噂が絶えぬ方でな
ギルドにも少々干渉されたり良くない影響があってじゃな
どうにかしたいと考えていたんじゃ」
「それで私にどうしろと?」
「うむ、この国の王に会ってはくれぬか?」
えええっ?
行き成り何言ってんの?
これって勇者に会うような流れじゃないでしょ?
実留君がヤバめの流れ・・・・・か?!




