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4-32

あけましておめでとうございます。

今年も更新頑張ります。

こんにちは魔道具すら操れる森山実留です。

何とスキルを使えば無機物すら意のままに操れます。

フハハ、これでこの世は思いのままです。

それが出来てどうなるのか?

フハハ、自分でも思いつきません。








突然の変化にヒリスさんは驚いたが

正式版魔道具(水晶)の反応は絶対らしい。

これは"識別の眼"と呼ばれる魔道具だそうで

無事にカードは発行して貰えた。


ラースは初めての登録なので説明を一緒に聞く。

基本ルールは変わって無いようだ。

ランクは変わらずにF。

ラースもFでアリスだけEだ。

ちょっと自慢げなアリスにイラっとくる。


カードを渡された際に


「ミノルさんに連絡事項があるよ

 何処の街でも良いから商人ギルドに顔を出して欲しいんだってさ

 しかもギルド長に直接面会してくれってあるね」


ふむふむ何だろうか。

間違いなく酒関係の話だろう・・・・。

モロンさんとラルベさんが

上手くやってくれているのだろうか。

ある程度の入金があれば資金が楽になるからなぁ。

ちょっと期待してもいいかな。


「あとねうちのギルドからも何か連絡があるようだよ

 こっちも何処でも良いけどギルド長が直にって指示だね

 アンタ何かやったのかい?」


「いや・・・・特には何も・・・・

 冒険者登録は問題なく通ったんですよね?」


「そうさね・・・・登録自体は問題ないようだね

 魔道具が反応したし不正や犯罪のような記録も無い

 なんだろうね?

 まぁ捕まったり処罰されたりって話ではなさそうだから

 安心しときな」


そう言って豪快に笑うヒリスさん。

ギルド長は本日不在との事なので明日の午前中に

面会予約をして貰った。

商人ギルドは・・・・まぁ行ってみるか。


その後に拾得したカードを届けたい旨を伝えたら

別のカウンターに案内された。


「すいませーん

 習得したカードを届けに来たんですけど」


「はーい、少々お待ちを・・・・なんでしょう?」


出てきたのは普通の男の人だ。

受付には老人と男しか居ないのだろうか?

良くある可愛い受付嬢とかは存在しないのだろうか?


「冒険者ギルドのカードを拾ったので

 届けに来ました」


「これはご丁寧にありがとうございます

 でわカードを確認しますね」


そういってカードを受け取って何かを確認している。

少しだけ悲しそうな顔をする。


「確かに亡くなられていますね

 お名前はラスターシャ・グリファーさん

 要因は衰弱死でしょうか?

 申し訳ないですが状況を説明して頂けますか?」


そう言って用意されている小部屋に連れて行かれ

嘘を付くと反応する魔道具に手を乗せながら説明する。

ラースについても普通に全て話す。


「なるほど・・・・そうのような状況でしたか

 そしてラースさんはラスターシャさんの娘であると」


「そうなります」


「わかりました

 少し手続きをしてきますので少々お待ちを」


色々と手間があるかと思ったがそうでもないのかな?

ラースと出された茶を飲みながらしばし待つ。

アリスはホーとかヘーとか言いながら室内を見て回ってる。


・・・・机と椅子以外に何もないと思うのだが?






「お待たせしました

 まずラースさんはラスターシャさんの

 正式な子供として登録される事になります

 ラスターシャさんはギルドに預けていた物と資金がありますが

 家族や親族の登録をされていませんでしたので

 最終承認にはギルド長の許可が必要になりますが

 ラースさんに正式に譲渡される事になるでしょう

 こちらが目録になります」


目録に目を通すとソコソコな額のお金と

幾つかの武具と道具が預けられていた。


「杖とローブは使用してしまっているのですが

 問題ないでしょうか?」


「基本的には拾得者の物になりますので

 問題ありません」


「そうですか・・・・それはありがたいですが

 誰かの持ち物だったりした場合はどうやって判断するんですか?

 殺して奪った物かもしれませんよ」


「あぁ、なるほどそう言う意味でしたか

 その辺りを説明しましょう」


どうやら冒険者カードにはある程度の情報が記録されているようで

その中の1つが死因の大まかな状況だそうだ。

盗難等は状況次第等で記録が難しいらしいが

冒険者を襲った場合等の犯罪を犯した場合は

カードに記録されるようなので

ある程度の犯罪抑止効果と安全確保が出来るらしい。

身に着けていない期間も記録されるので

アリバイ工作やトリック等にも対応している。


それでも抜け道は色々とあるだろうが

そこまでして冒険者ギルドを敵に回しても

メリットは余り無いのだろう。


他のギルドで発行されるカードも似た様な機能があるとの事。

そして各種ギルドに入っていれば報酬や買取等の

便利な事が各種あり犯罪からも守れる。


上記の事があり村や町から一切出ない者以外は

何かしらに登録している者が多いらしい。


説明を聞いた後にラースも俺と一緒にギルド長との面会を

するよう続きをお願いし終了した。



レイニーは先に用件が終了していたようだが

顔見知りの冒険者たちと情報交換を兼ねて談笑していた。

俺達をみると嬉しそうに微笑む。

その笑顔だけで何人の女性が人生の岐路に立たされたのだろうか・・・。


「無事にカードは発行されたようだね」


「あぁラースの件もちゃんと報告出来た

 改めて礼を言わして貰いたい」


「礼なんて良いよ

 ここまで一緒に旅した仲じゃないか」


「そうは言ってもレイニー1人でも普通に

 旅が出来ただろ?」


「あはは、そんな事ないよ

 それに独り旅は寂しいからね」


「・・・・・・ふぅ

 じゃぁそう言う事にしとくよ」


「どうしてもって言うなら

 夜に酒の肴でも作ってくれるとありがたいな」


「はいはい、それ位で済むならお安い御用さ

 でもコボルド種の俺でも大丈夫なのか?」


「うん、紹介する宿は大丈夫だよ

 じゃぁ早速行こう

 アリスさん、宿屋に行く途中に良い食材を扱う店があるんだ

 そこで何か見繕ってミノル君に作ってもらうのはどうだい?」


「ふふふ・・・・・レイニーさんも実留さんの

 魅力に取りつかれてしまいましたね」


「魅力・・・そう魅力だね・・・・

 あれは魔の仕業だよ」


「でわ!魅力に取りつかれた哀れな先輩として

 今日のお勧めは鳥料理なんてどうでしょうと

 意見を出してあげましょう!」


「おぉ!それは魅力的な・・・・・

 ですがやはり魚も捨てがたいのでは・・・・」


「むむ、新人の癖にやりますね

 ラースちゃんはどっちの意見ですか?」


「きのこがたべたい!」


そんな感じでワイワイと騒ぎながら

冒険者ギルドを出て買い物をし宿に向かった。





宿の名前は"広がりの環亭"と言う所だった。

冒険者ギルドからも程近く市場にも近い。

でも少しだけ表通りから外れている宿だ。

中に入るとレイニーの言っていた事が一発でわかった。

亜人も人族も入り混じりで賑わっていたからだ。

酒と食事の匂いと笑い声が充満してる良い雰囲気だ。


なるほどコレが宿の名前が目指す物か。


「おーい、おやっさんいるー?」


レイニーが奥に向かって声を掛ける。


「なんだー

 おう、レイニーじゃねーか

 戻ったのか?」


「あぁ、ただいま~

 また少しの間、お世話になるよ

 それとさ部屋空いてるかな?

 紹介したい人が居るんだけど」


「ん?珍しいな

 直接連れてくるなんて

 今なら・・・丁度隣が空いてるぞ

 ちょいと狭いが掃除はちゃんとしてある」


「それはありがたい

 えーと、こっちが紹介したい客でミノル君だ

 こちらの方がここの主人でウィルトさんだよ」


「がっはっはっ

 主人なんて気取ったもんじゃねぇ

 ただの宿の主ってだけだ」


そう言って裏表が無さそうな

笑い声で挨拶してくれたウィルトさんは亜人だった。

主人が亜人種なら客が文句言われる筋合いはないな。

そんな宿を懇意にしてるレイニーは馴染みの亜人種達と

気軽に挨拶を交わしていた。



宿は1週間分を前払いした。

紹介という事もあって朝夕の2食付で

思っていたよりも安い料金だ。

盗賊の懸賞金と装備類や道具を売った金で賄えた。

レイニーには何から何まで感謝だな。


部屋は少し狭いが掃除は行き届いていて綺麗だ。

ベットも簡易的だが2個あるからゆっくりと寝れるだろう。

装備を外し貰った湯でラースを拭く。

次に俺を拭いて最後は装備の手入れだ。


剣も防具も結構痛んできてるな

近い内に整備に出すか。

防具については少し向上させたい。

正直言えば買い換えたいがそこまでの余裕がないし

愛着もあるしな。

まぁ到着したばかりだし焦らずにやるさ。

手入れが終わるとアイテムボックスに収納しておく。


「よし!じゃぁご飯にすっか」


「食べましょう!今すぐに!

 さぁ!さぁ!さぁ!」


「ごーはーん」


うんうん相変わらず俺の周囲には

食いしん坊しかいねぇな。

それにアリスはゴーレムの時に満足に食べれなかったので

どうにも今生は食に対して熱意が凄い。


下に降りるとレイニーが既に酒を飲んでいた。


「やー、ミノル君

 先に始めてるよ」


「レイニーは酒も飲めるんだな

 今まで全然飲んで無いのに」


「僕は拠点に帰った時しか飲まない様にしてるんだ

 何かあった場合に動けないのは嫌だからね

 だから今日は飲むよっ!」


そう燥ぐレイニーが子供のような笑顔だ。

それを見ているとこっちも和むな。


「うし、じゃぁ主人に言って何か作らせてもらうわ

 簡単なもんだけど我慢しろよな

 後・・・・周囲には絶対にバラすなよ」


威圧しながら念を入れて注意する。

そうしないと何時もの状態になりそうだしな。


「う・・・・うんうん・・・分ったよ


 じゃ・・・ぁ・・・ラースちゃん、アリスさん

 先にご飯を食べようか

 此処はね食事も美味しいんだよ」


殺気すらも籠っているんじゃないかと思われる

眼差しを真摯に受け止めたレイニーに2人を

預けて厨房に赴く。


厨房では主人が忙しそうにしていたが

話は通っているようで空いてる場所を使い

仕込みを先に行った。

味が馴染むまでに厨房の手伝いをする。

借りるだけってのは申し訳ないしな。


幾つかをパパッと作り主人の分をより分けて席に戻る。

一生懸命にモグモグと食べるラースと

命を掛けているかの食べっぷりのアリス

そして何かを待っているかのような少し寂しい顔で

チビチビとエールを飲むレイニー。


「おら、出来たぞ」


そう言ってテーブルに料理を幾つか乗せる。

肴にもおかずにもなるような物を選択した。


「待ってたよ~」「待ってました!」「わ~い」


2人がガツガツと食べだし

今迄は抑えていたんだろうレイニーがグビグビと飲みだす。

喜んで貰えるなら嬉しいけどね。

俺も飲みつつ食事にありつく。


「そういやレイニーは何であんな場所にいたんだ?

 何かクエストを受注してたのか?

 バイツグルに帰るまでは話せないって言ってたけど」


「あぁ、そうだね

 もう話しても良いかな

 ミノル君と最初に出会った盗賊がいたでしょ?

 あれの壊滅依頼を受けてたんだ」


「へぇ~、そんなクエがあるんだ?」


「ん~、公認にはそう言う事もあるんだよ

 ギルドから名前指名で来るから余り他言出来なくてね」


「あぁ公認とかだと

 そこらに絡むのか」


「そうだね

 その帰りにミノル君達に会ったって事さ

 正しく言えばあの盗賊も僕の標的だって事になる

 だからミノル君達が気に病む必要はないんだ

 僕が取りこぼしたのが原因と言っても良い」


「いや、そこまでは言わないさ

 ちなみにあの一味ってどれ位の規模だったんだ?」


俺の質問にレイニーはニヤリと笑って溜めを作ってから言った。


「なに精々、100人にも行かない程度さ」


「えーえーえー、なにそれ?

 それを単独で?

 俺が倒したのを除いても凄い人数なんじゃないの?」


「あはは

 本拠地自体にはそんなに居ないもんだよ

 殆どが外に出てる奴らで村を襲ったり

 ミノル君が遭遇したような奴らさ」


「・・・・・・まじで?

 それでも本拠地だって少人数って事はないだろ・・・・」


「ふふ、30人も居なかったさ」


「強いと思ってたけど・・・・どんだけだよ・・・・」


「あはは」


レイニーは酔うと少し陽気になるようだ。

客の出入りが落ちついたら主人も合流しての

酒盛となり夜は更けて行った。



さて、どうやら街での足掛かりは作れたかな

金が足りなくなったらクエストをすれば良いし。


懸賞金を掛けている貴族様は何処にいるのかね。


ワイワイと楽しんでいる皆を見ながら俺は

これからの事を考える。


まずは・・・・母犬達の事を何とかしてから・・・・実里・・・・。


「実留さ~ん!おかわり!おかわり!」


「あいよ」


でもまぁ今は考えても仕方が無いか。

明日からは情報収集だ。


気分を切り替えて厨房に向かう。



「ってか!ウィルトさんも手伝ってよ!

 一応、俺も客だよ!!」


何時の間にかウィルトさんまで

一緒に飲んでいた。


ま・・・・まぁ、他の客を巻き込まないだけマシか・・・・。



レイニー強すぎんだろ!

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