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1-9

アクセス数が日々増えてます。

ちょっとドキドキしてきました。






皆さんの心のアイドルアリスです。

パートナーが固い物を無理矢理にゴリゴリと

食べたら気絶しました。

そこまで無理して食べるなんてよっぽど

お腹すいてたんでしょうね~。












薄暗い闇に包まれた場所だった。

何かの気配はするのに

何も見えない場所。

それでいて自分の立ち位置だけは

ハッキリとわかる。

ここは何かすり鉢状の一番下だ。

そこに犬の姿ではなく人間の姿で立っている。


俺の周りをフワフワと漂う淡い銀光が一つ。

そっと手を差し出すと

ゆっくりと近寄ってくる。

暖かく密度の濃い力を感じる。


銀光は指先に触れると

ふっと消えて俺の体が一瞬光る。



そして何故か理解する。

あぁ、こいつは銀角なんだ。



体に染み入る暖かい力に

安堵し目を閉じる。








「目が覚めましたか?」


俺の顔を覗き込むようにして

アリスがこちらを見ていた。


「どれくらい寝ていた?」


「5時間位ででしょうか

 もう夜中ですよ」


「体は大丈夫ですか?」


言われると体に少し違和感がある。

四足歩行は変わっていないんだが

意識が飛ぶ前に比べて体が大きい気がする。

毛色も艶のある銀色になっていた。



ピローン


> 種族進化が完了しました。

> 種族進化アプリを終了します。 


なるほどねこれがそうなのか。




名前:森山実留

性別:オス

種族:ドーバードック(銀毛)

年齢:生後4ヶ月

職業:なし

称号:駆出し虫狩人、白帯指導者


≪スキル≫

捕食者

種族変更耐性

言語(犬)

軌道予測(簡易)

大声(LV3)

嗅覚(LV3)

毒耐性(LV2)

噛付き(LV4)

指導者(LV1)

ステータス確認(LV1)

知力向上(NEW)

毛皮硬化(NEW)



体は大きくなり今では母犬と比べても

1回り以上は大きくなった。

体に満ちる力は溢れんばかりだ。


≪知力向上≫


説明:頭が良くなるよ


効果:知力にプラス補正



≪毛皮硬化≫


説明:カッチカチやぞ

   触るとフワフワ仕立て


効果:毛と外皮が固くなり物理防御にプラス補正




何か段々と説明が面倒になってきたのか?

内容がわからなんでもない所が少しだけイラっとする。

俺も種族欄に(銀毛)が付いた。

これでレア種になったってことかな?

表現の仕方から考えると他にも種類がありそうだな。

ファンタジーだと色違いで亜種とかいるけど

全部ひっくるめてレア種ってくくりなのか?

そこらへんは追々調べてみたいな。


「なんか随分と立派になりましたね」


「おう、俺もビックリだぜ

 寝て起きたら別の種族になってましたって

 どんだけファンタジーだよ」


「そですよね~、でも強くなれるって事は

 良いんじゃないですか?」


「まあな、何か前に比べて体も力強くなってる気がするし

 どの程度違うかを調べていかないとな」


「ですね」


「さて、無事に試練も突破したし帰るか」


「ちょっと気が重いですね」


「あぁ、あの住処ともお別れか

 寂しさは・・・やっぱあるよな

 それでも前に進むしかないしな」



よし、帰って母犬に報告して旅に出よう。

そう決めて全力で走り出す。




以前より格段に走るスピードが上がって

体を制御しきれずに木に激突したのは内緒だ。








住処に辿り着いた時は夜も深くなった頃だった。

そこに静かに実留の帰りを待つ母犬の姿があった。

空は澄み渡って光り輝く満月に照らされて

神秘的な雰囲気を身に纏わせながら。


「・・・・無事に終わったようですね」


「はい、やるべきことは終わりました」


「それにその姿という事は

 種族進化したという事ですか」


「はい」


「お前は賢くて強いと思っていたが

 その年で既に私を越えた

 旅立つ資格は十分にある」


「はい」


「だが最後にまだ試練が残っている」


「・・・・なんでしょうか」







「私を殺しなさい」






「えっ?!」


「最後の試練です

 私と戦い殺して力を示しなさい」


「何故ですか!母上を何故殺さなければならないのですか!」


「お前は強くなった

 それでもこの世はさらに上がもっと上がいるのだよ

 それらに比べれば私達等は取るに足らない存在だ

 だから強い物が残り血を残して行く事で

 我が種族は生き残ってきた

 この力が全ての世界で

 オスは旅をし子供を作る

 メスは命を懸けて子供を強く育てる

 そうやってきたのだ」


「他に選択肢はないのですか?」


「お前がここに残り生きていくと

 言うのであれば認めよう

 ただお前には此処に居ては

 駄目な理由があるのだろう?」



静かに見つめてくる母犬の目を見ながら俺は言う。


「見つけなければならない者がいます」


「そうかならば私を殺し進が良い」



ここで立ち止まる訳にはいかないんだ。

俺は・・俺は・・・実里を探しに行かなければならない。

・・・・・・どうしてもだ。



そして覚悟を決める。



「行きます」


「全力で来なさい

 そうでないとお前が死ぬぞ」



全身に力を溜める。

進化した事により力は飛躍的に向上したが

まだ体に慣れてはいない。


母犬はこちらの動きを伺っている。

初撃に全てを乗せ1発に掛けるしかない。



一気に全身の力を開放する。

景色が後方に流れていく。

首を狙って噛付きを行う。


「うぅがぁぁぁぁぁぁぁぁ」


全力での動きは母犬の予想を

越えていたのか無事に成功する。






























いや、違う。

母犬は何も動いていなかった。




ただ始まる前と変わらずに静かに俺を見ていた。

そこに微笑みを携えながら。




慌てて首から離れるも

牙が抜けた所からは血がボタボタと流れ落ちる。


「な・・・・なんで・・・・」


「ふふ、お前の覚悟が本物で良かった」


慌ててポロ草を傷口に刷り込む。

治れ!治れ!治れ!治れ!


「母上・・・なんで・・・・」


「最後の試練はな私の命を掛けて

 お前の覚悟を試す事だ

 私を本気で殺せるぐらいの覚悟がなければ

 お前の旅は道半ばで終わるだろうさ」


ポロ草が効くも刺さった深さがあり

ジワジワと血がにじむ。


「でもそれで本当に死んだらどうするんですか!」


「それで良いいのさ

 私の程度の命でお前が強くなれるのならな」




母犬の想いに触れ

俺は心が暖かい物に包まれた。

目の前の母犬の顔が霞む。


「今日はお前と過す最後の夜だ

 近くに来なさい」


俺は隣で温もりも感じながら眠りについた。


母犬は眠りについた後も俺の毛繕いを丁寧に丁寧に

いつまでもいつまでも続けていた。




翌日、俺は生まれた住処を後に旅に出発した。



















とある場所。


【実留君は頑張ってるなぁ】


「予想以上に早く進化しましたね

 何か手を出されたのですか?」


【いや、僕は何もしてないよ

 ただスキルをプレゼントしただけさ】


「あぁ、アレですか

 かなりレアだとは思いますが・・・」


【うんうん、まだ本来の能力は発揮してないようだけどね

 それでもマズマズかな】


「あれでですか」


【うん、まぁこれは僕が制限掛けているんだけどね

 そのうちにタイミングをみて解放してあげよう

 今のままでも十分だとは思うけどさ】


「楽しそうですね」


【うんうん、わかるかい】


「それはもう、付合いは長いですからね」


【あはは~


 さてさて実留君


 次は何をするのかな?】



覚えにくい印象の青年が登場です。

楽しそうですね。

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