表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/254

4-27

iPhoneぶっ壊れた・・・・・

凄い不便だ

こんにちは鬼狩りの森山実留です。

オーガと言えば鬼種の中でも結構な猛者です。

それを2匹同時に倒したのなら一流

・・・そう一流と名乗っても良いでしょう。


え?どうやって倒したかですか?

毒殺&溺死で1匹と相手の自滅で1匹です。


あっ!まって!ちょっと!行かないでー。









「キャモォォォォォォンッ!!ロズゥゥゥゥゥゥッ!!」


今迄の成長と先程、オーガを捕食した事で

保有魔力がロズの召喚にギリギリだが達した事を感じていた。



> 召喚対象との再LINKを実行します

> 天使族:固有名称 ロズとの接続が確認されました

> 接続情報を固定します・・・・・完了しました



そんなログが流れたかと思うと急激に魔力が吸い取られる。

それに伴いオーガリーダーと俺の間に空間の捻じれを感じる。


懐かしく清浄な気配がしたかと思うと

目の前にガチムキの天使が現れていた。


「あら?おひさしぶりですわ

 ミノル様・・・・・?

 あれ?ミノル様の気配はするのだけど

 犬しかいないのだけど?」


「ガアァァァァァァ!」


オーガリーダーは急に現れたロズに驚いているようで

動きを止めて威嚇している。


「あぁ・・・ロズ・・・俺が実留だ

 今は・・・・・・その・・・それよりも」


「ふむ、私の名前を知っていて貴方との繋がりを感じるに

 本当にミノル様のようですけど」


「グォオオォッォォォォ!

 キサマ・・・・ナニモノダ・・・・?」


オーガリーダーがロズを威嚇し問い掛けるも

焦りもなにもせずに無視をして普通に

会話している俺達に苛立ちを覚え始める。


「うんうん、俺の事がわかったようで何よりだ

 でな今はピンチなんだよね」


「そうなんですの?

 何か危険な事でもあるんですの?」


「グ・・・・グゥ・・・・キサマ・・・シネッ」


オーガリーダーが馬鹿にされたと思ったのか

殺意むき出しで地を蹴る爆音と共にロズに襲い掛かる。

おいおい空気読めよ!

もう少し待ってろよ!


そんな俺の想いとは裏腹に

オーガリーダーは全速力でロズに拳を叩きこむ。

勢いを利用した会心の一撃だろう。

鈍く重い音が響き渡る。







そこにはオーガリーダーの拳を振り向きもせずに

片手で受け止めているロズが居た。

そのまま拳を握りしめる。


「グギギギギギギィィィィ」


なんだ痛いのか?

オーガリーダーが苦悶の表情だ。

ギチギチと何かが引き絞られる音がする。


「何ですか?この者は?

 先程から五月蠅くて邪魔なのだけど」


拳を掴んでいるロズの手が少しだけ動いたかと思うと

一際大きな声をあげてオーガリーダーが膝を突く。


「全く天使である私の前で膝を突かないなんて

 無礼にも程があるのだけど?」


これって・・・・全然力を入れてないみたいだけど

握った拳を起点に力で抑え込んでいるのか?

ロズの力がオーガリーダーを余裕で超えてるって事だよね。

おっかねぇ・・・ガチムチ天使おっかねぇ。


「あぁ、そいつに襲われていたんだ・・・・

 俺の連れもやられちゃってさ」


「あら?この小鬼は敵でしたの?」


「小鬼って・・・・オーガって鬼種でも

 結構な強さを持ってるんじゃないの?」


「オーガなんて小鬼も良いとこなのだけど」


「そ・・・そう、ロズは凄いな」


俺の言葉を褒め言葉と受け取ったんだろう。

ニパーっと笑顔になる。

うんやっぱり凄い美人だ。

ガチムキで片手で簡単にオーガを抑え込んでるけどな。


「では、この小鬼は私に任せればいいですの」


そう言うと片手で軽々とオーガリーダーを持ち上げて

地面に叩きつける。

何度も何度も。


「あら、意外に頑丈なのだけど」


オーガリーダーは腕や足が変な方向に曲がり

肩も外れているだろう。

全身に怪我をしているが闘志は衰えていなくグルルと威嚇してくる。


「お粗末なのだけど闘気を使っているのね

 面倒くさいのだけど」


ロズはそう呟くと片手でオーガリーダーを持ち上げ

逆の手で腹部に拳を叩きこむ。


ズドンッ!!


轟音がしたかと思えば・・・・ドサリ。



オーガリーダーの下半身が地面に落ちた。



ロズの片手には上半身がぶら下がってる。




「ええええええぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ」


「ミノル様、終わったのだけど」


そうニッコリ微笑むロズを見た俺は

絶対に機嫌を損ねるのは止めようと心に決めた。




オーガリーダーを回収しオス君を回復したいが

俺の魔力が足りなかったので回復薬をぶっかけておいた。

骨折等は後で回復してやろう。

その間にロズへの事情説明をアリスに頼んだ。


本来はロズに回復を頼みたかったが迷宮外では難しいとの事。

それに妙に渋ったのはオス君にも触れたくないからのようだ。


ロズは俺には普通に接してくれるが

他の者にはどうなんだろうか?

まぁ天使だしプライドも高いだろうし。


オス君の治療が終わっても目を覚まさないので

俺の魔力回復を兼ねて休憩にする。

枯渇手前まで消費しているのでフラフラする。




「そうでしたか・・・・ミノル様は

 魔王に殺されたのですか」


「あぁ、全然敵いそうに無かったよ

 流石は魔王と言ったとこだな」


「でしょうね・・・・私でも敵わないと思いますけど」


ロズも勝てないのか。

俺なんかが勝てる訳もないな。

いつか勝てるようになるのかなぁ。


「そういやロズは今迄何してたの?

 唐突に来るのはやめたの?忙しかったのかな?」


「魔王に殺された事によって召喚の繋がりが

 絶たれていたのですけれど」


「繋がり?」


「本来、≪召喚術≫と言うのは契約者が亡くなれば

 繋がりが消滅するのですわ

 それは契約者と対象の繋がりが魂に刻まれるからですの」


あぁ、それがさっきのログの正体か。


「なるほどね

 これでまた繋がったから

 ロズ側からも来れると」


「そうですの」


「ふ~む、ロズはこれからどうする?

 暫く一緒に居るかい?」


「・・・・・止めときますの

 私は天使、犬の集落には行きたくないのですけど」


むぅやっぱりか。


「そかー、ロズに教えて貰いたい事が沢山あるんだよな」


「それは構いませんのですけど・・・・良いですの?

 ミノル様の魔力が全く回復してないのですけど」


「ん?あれ?本当だっ!

 何これ?」


「多分、私の維持魔力で回復分が相殺されているのですわ」


「と言うと?」


「私が帰還しないと魔力が回復しないですわ」


「ですよね・・・・・」


何かを喰えば魔力も回復するが回復量は微妙だし

オーガのような上等な物をそうそう用意出来そうもない。

そしてロズの召喚には満タンの魔力が必要。


「うわぁ、使いづれぇぇぇぇぇぇっ!」


「ちょっと!呼んでおいてなんですの?!」


機嫌を損ねたロズを宥めつつ今後を話し合う。

集落で召喚するのはロズも嫌がるし急に天使が

現れたら大事になりそうなので

ロズ側は此方の状況に変化があるまでは勝手に来ない事も約束し

俺が単独行動中に呼ぶ事にした。


≪召喚術≫も回数を重ねれば熟練度と共に

繋がりが強くなるのでコストダウンや召喚対象数の増加が

見込めるようになるとの事だ。

ちなみに今は天使なんて大物を契約しているので

枠は余ってない。


「でもそこらの虫辺りなら契約できますけど」


そうロズに言われたが・・・・少し悩んで諦めた。

もう食料として見れなくなりそうだったんだよね。


オス君をそのままに出来ないので

幾つかの疑問点を聞いてロズには帰還してもらった。


食事を取りながら休憩すると魔力が回復していく。

スキルを使っていても回復量が足りて無いなんて

天使ってのは凄い存在なんだな。

まぁアイツすげぇ強かったしな。

これで維持コストが低いなんて絶対に嘘だよな。

一体何と比べてるんだかね。




オス君を魔法で治療すると目を覚ました。


「いやぁ、兄上は自分でも歯が立たないオーガ相手に

 怪我もせずに単独で勝つなんて流石ですな」


「お・・・・おう・・・・・」


そんな歯切れの悪い会話をしながら集落に帰った。


冒険者側の対応も無事に終了していたようだ。

親子、衛子、戦馬鹿、メス子の4人と冒険者6人の

激しい戦いだったそうだ。

全員が怪我はしてるものの無事に帰ってきていた。


あれ?見張りでは8人って報告じゃなかった?と思ったが

どうやら残り2人は裏をついて集落に奇襲を仕掛けたらしい。

それに気が付いた母犬が自ら戦い

ラースの魔法攻撃によりサポートして

無力化出来たそうだ。


今迄と違う冒険者の行動は疑問だったが

どうも今迄にここで返り討ちにあった奴らが

身包みを剥がされた事に対して逆恨みで

徒党を組んで来たらしい。

滅多に命までを取らない事を感謝して欲しかったが

どうやら調子に乗る方向で理解したようだ。


それにしてもラースは良く動いたと思う。

後でオーガの肉をあげよう。


何にせよオーガにしろ冒険者にしろ

厄介な状況になりつつあるな。

今のままじゃ懸賞金も上がってしまいそうだ。

近いうちに何とかしないと駄目な気がする。


夜は今回の功労者全員でオーガを食べる事にした。


母犬、オス君、メス子、親衛隊、戦馬鹿、ラースでオーガ3匹を分ける。

溺れたオーガは毒が回っていたので毒消しに漬け込んでおく事にした。

オーガリーダーについては≪誤魔化し≫た。


他にも手持ちの食材を惜しげも無く出す。

見張りや警備さん達にも慰労を兼ねて食材を提供する。

戦闘要員は十分に英気を養えたようだ。

良かった良かった。



俺は部屋で独りになると周囲を警戒する。

誰も居ない事を確認しオーガリーダーを取り出す。


そしてとっとと捕食する。

頭からガリゴリと喰べる。


濃厚で血と肉の味わいが口いっぱいに広がり体が熱くなる。

昼間に食べたオーガに比べても上等な肉だ。

一口毎に力が湧き出て切るのを感じる。

ここまで格上の獲物だと凄いんだな。



ピローン


> スキル≪闘気錬纏≫を手に入れました。


=========================

≪闘気錬纏≫


説明:クリ○ンの事かぁっ!!

   ブォン!フォンフォンフォンフォン


効果:生命力を利用した闘気を扱う事が出来る

   熟練度により身体能力にプラス補正

=========================


ロズが言っていた闘気って奴か。

生命力を利用するって事はオーガは使い過ぎて自滅したのか。

熟練度によりプラス補正ってのも他のスキルとは違う書き方だ。

説明は・・・まぁもう突っ込むのは止めよう。



ふむ?ちと試してみるか?


≪闘気錬纏≫発・・・・



ピローン


> 成長限界を迎えました。

> 種族進化が可能です

> 実行しますか YES / No

> 進化神スイリーヤにより

> 強制的にYESが選択されました


スキルを試そうと思った矢先に

進化アプリが・・・・勝手に・・・せんた・・・く・・・。



何もわからないまま

俺の意識は闇に沈んで行った。


ロズこえぇよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ