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楽しく書いてたら
良くわからない内容になりました。
生後4ヶ月で親に見放されそうな森山実留です。
この世に児童相談所とかは無いのでしょうか。
僕の未来が心配です。
家なき子です。
同情するなら餌をくれ!
「旅立ちですか?」
「そうだ、お前は十分に強くなった
私の元を離れて自分の力で旅をするのだ」
「しかし一人でやっていけるでしょうか」
「この住処は森でも浅い所にある
奥に行けば魔物が出るだろう
森を出れば人族に会うだろう
どちらにせよ味方か敵かは
自分で対処し切り開かなければならない
お前はすでにその為の力は持っているはずだ
それを試す試練を与えよう」
「試練ですか・・・?」
「あぁ、この試練を突破したら旅に出てもらう」
「突破できない場合はどうするんですか?」
「その時は私の牙でお前の命を絶とう」
「・・・・え?」
「お前は私の子だ
そして旅立ちを決めるのも私だ
そのお前の力の視定めるのに失敗したと
言うならばそれは私の過ちでもある
そうなれば私の血筋は残すわけにはいかない
それが我が種族の決まりだ」
「なんですその決まりは」
「一度の誤りで命が失われることもある
自分の絶対の判断が間違ったときは
命を賭す覚悟が必要だ
お前の命を絶った後は私も自ら絶とう」
「それは余りにも厳しくないですか」
「ふふ・・・そう言う気持ちもわかるが
我が種族の決まりなのだ
何を言っても無駄だ」
「・・・・わかりました
何をすれば良いのでしょうか?」
「以前に怪我だらけで帰ってきた事があったな
詳しくは聞かないが
やるべき事が残っているのだろう?」
「・・・・はい」
「では行くがよい」
種族の決まりとかいう謎ルールにより
あのウサギを倒すか母犬に殺されるかの二択になりました。
どうすりゃ良いんだよ。
ウサギエリアに向かいながらアリスと相談する。
「なによこれ?
理不尽過ぎるだろ」
「そうですね
強敵を倒して家を出るか
強敵に倒されて母親に殺されるか
すごい極端な二択ですね」
「死ぬのも嫌だし
リベンジはするけどな
念の為、以前から準備しといて良かった」
今のステータスを確認する。
名前:森山実留
性別:オス
種族:ワイルドドック
年齢:生後4ヶ月
職業:なし
称号:駆出し虫狩人、白帯指導者
≪スキル≫
捕食者
種族変更耐性
言語(犬)
軌道予測(簡易)
大声(LV2)
嗅覚(LV2)
毒耐性(LV1)
噛付き(LV2)
指導者(LV1)
ステータス確認(LV1)
大声と嗅覚と噛付きのLVが上がった。
少しだけど効果が強くなった気がする。
後は新しく称号が増えた。
≪白帯指導者≫
説明:指導者の道はこれからだ!
効果:物事を教える際にプラス補正
新しい称号は今回は意味ないか。
それにしても虫狩人が付いたなら蛇狩人とか付かないものかな。
結構な数を倒したと思うんだけど。
ウサギエリアに近づいたきたので
≪嗅覚≫で警戒する。
どうやら付近には居ないようだ。
前みたいに急に刺されるのは嫌なので慎重に探していく。
昼を過ぎ日が大分落ちてきた頃
ウサギは見つかった。
以前より少し大きくなっているようだ。
草に影からチラチラと見える角が
銀色にキラキラしてて憎たらしい。
前回の恐怖が思い出され緊張する。
≪ステータス確認≫発動
名前:表示不可
種族:ホーンラビット(銀角)
全然、表示されないぞ。
これヤバいんじゃね・・・・。
それに銀角ってなんだよ。
「なぁ、種族の後ろに銀角ってあるんだけど何だ?」
「あれは・・・通常種じゃないようですね
レア種だと思われます」
「レア種?」
「はい、通常種が何らかの要因で派生するものです
進化でなる事も生まれでなる事もあります
通常種と比べて大幅に能力が強化されるのが特徴です」
「つまり銀角がついてる彼奴は?」
「強いという事です」
「ま~じ~か~」
なんだよそれ。
たかだか角生えた程度のウサギが強いと思ったぜ。
しかも他にウサギの姿見えないしな。
俗に言うフィールドボスってやつかね。
「実留さん大丈夫ですか」
「いや、すげぇドキドキすんわ」
「なんでしたらマッサージでもして緊張ほぐしますか
ちょっとアレなサービスだったら・・・ゴニョゴニョ」
「プハッ、そんなこと言うのも久々だな
どうした急に」
「いや緊張をほぐしてあげようと思っただけですよ!」
「あはは、ありがとうな
大丈夫だ
うん、もう大丈夫だ!」
「じゃぁ、サクっと食べちゃいましょう」
「おう!任せとけ!
生肉御馳走するぜ」
気付かれるギリギリまで近づいてから勝負だ。
今回は正面からのガチンコだ。
銀角めがけて全力でダッシュする。
相手が気付いて迎撃の為に力を溜め角を向けてくる。
≪大声≫発動。
「ぐぅるぅらぁぁぁぁぁぁ!!」
大声が衝撃を伴い襲いかかる。
飛びかかるタイミングを外した銀角がバランスを崩す。
それでもなお迎撃しようとこちらに角を刺そうとジャンプする。
≪軌道予測(簡易)≫により動きを読む。
サイドステップで角をギリギリ躱し
通り過ぎる首元に噛付く。
グジィ。
何だこれ歯が通りにくいぞ。
刺さるけど深くは刺さりきらない。
首筋に俺が刺さったまま銀角が
体を振り回す。
俺より小さいのになんて力だ!
刺さりが浅い牙は抜けてしまい離される。
あいつ絶対に前回よりも強くなってないか?
それでもやるしかないけどな。
俺(犬)とウサギ(銀角)の第二ラウンドは
始まったばかりだ。
それから幾度となく攻撃を避け噛付きを繰り返した。
俺の体力も大分減ってきていたが
相手も傷だらけで目に見えて動きが遅くなってきている。
威力も前回から上がっているようで
銀角は掠るだけで俺の皮膚は裂ける。
攻撃方法が角と体当たりしかないのが幸いし
直撃を何とか避ける事が出来た。
そうは言っても俺も怪我が増えてきている。
このまま膠着状態になれば
ジリ貧になってしまうが
俺にはまたもや作戦がある。
そろそろチャンスだな。
アイテムボックスからアイテムを2種類取り出す。
タイミングをみて少量しかポロ草を食べれないが
僅かでも回復をする。
そして次のアイテムを取り出し口に含む。
≪カルボスネーク≫の牙だ。
これを大量に持ってきている。
捕獲にはオス君とメス子にも手伝ってもらったのさ。
俺の毒耐性がある事を良い事に
口の中で噛み砕き毒成分と唾液を混ぜて
簡易的な毒液を作る。
それを噛付き攻撃で少量づつ銀角に付加していく。
最初からやらなかったのは銀角の体力が万全の場合
レジストされる事が考えたからだ。
ある程度の手傷を負わせ体力を減らしてから望みたかった。
攻撃を切り替えてから数十回。
ついに銀角が動きを止めた。
息はあるもののもう立ち上がれないようだ。
注意深く様子を伺うも大丈夫の様だ。
「ありがとう、お前のおかげで自然の
怖さを知る事ができたよ」
俺はポロ草を口いっぱいに食べ。
体力を回復させ銀角の首筋に全力で噛付いた。
「終わりましたね」
「あぁ、やっぱり強かったな」
「銀角はどうするんですか?」
「初めてのライバルさ
残らず頂くよ」
そういって銀角の体に噛付く。
全力で噛付き少しづつだが咀嚼していく。
途中から噛付きがLVUPし食べやすくなった。
最後に固い銀角が残ったが
牙が砕けそうになるのも気に留めずに
全力で噛み砕き飲み込む。
時間をかけて銀角の全てを腹に入れた。
「結局、全部俺が食べちゃったな」
「いえ良いんですよ
ちょっと生肉の生噛りは興味がそそらないので」
「そんなこと言うな おっ?」
ピローン
> 成長限界を迎えました。
> レア種(銀角)の因子を取得しました。
> 種族進化が可能です
> 実行しますか?
成長限界?種族進化?
ふむ。
俺は少し悩むも実行をする。
> 種族進化アプリを起動します。
次の瞬間体が燃えるような感覚に襲われる。
熱い!
体が熱い!
腹の奥底から何かの熱さが込上げてくる。
溢れるような荒々しい力の奔流に飲み込まれる。
「な・・・んだ・・・・こ・・・れ・・・・
から・・・だ・・・が・・
あ・・・・つ・・・・・い・・・・」
あまりの感覚に意識が遠くなる。
「実留さん!実留さん!」
アリスの泣き顔を見ながら意識が暗闇に落ちていく。
「あぁ・・・・また怒られちゃうな・・・・」
意識が闇に閉ざされ
実留は深い眠りに落ちていく。
実留君、そろそろ覚醒でしょうか。




