4-16
70万PVを達成しました。
ありがとうございます。
現在進化中の森山実留です。
そこで1人の神に会いました。
彼女は・・・・あぁ女神なんですけどね。
ほんわかした外見で親しみやすいんです。
それに中級神という地位のある方でした。
中身はボロッボロですけどねっ!
スイリーヤと名乗る女神は進化を司る1人と言った。
他にも進化を司る神がいるらしい。
どうやら進化する者で因子を持ってたり
特殊進化する者を処理する為に部屋に召喚するとの事。
通常進化は眠くなって起きたら終わってるそうなので
わざわざ隔離して特別な手順を踏む必要は無い。
話してる間に何時の間にか俺もタメ語になったけど
スイリーヤは特段気にして居ないようだった。
「それで俺をこの部屋に召喚したと」
「そうそう、本当に面倒なんだよね
出来れば通常進化にしとけって感じ」
「それを俺に言われても困るわ
進化の情報なんて出回ってないし」
「そりゃね、人族で進化する者なんて殆ど居ないし
亜人系でも稀だね
その他種族となると他種族と絡みが少ないから
情報が残りにくいってのもあるのかな
それ以前に大抵は通常進化だし」
「えっ?人族も種族進化するの?」
「はぁ?何言ってんのそりゃするでしょ」
「いや、知ってて当たり前っぽく言われても困るんだが」
「ふ~ん、まぁ良いけどさ
時間までは暇だから教えてあげなくはないけどね」
「時間まで?」
「アタシとしてはとっとと終わらしたいんだけどさ
それだとちゃんと仕事してんのか?って突っ込まれんだよね
だからさ、仕事はサクッと終わらせてから
時間ギリギリまで上で寝てるのさ
まぁアンタは何か面白いし
たまにはこんな時間潰しでも良いかな」
「神様に言うのも何だけど
駄目駄目なんじゃね?」
「ははっ、仕事なんて真面目にやってもやらなくても
結果が同じならどうでも良いじゃん」
「あぁ~やっぱり駄目女神だ」
「そんな褒めんなよ」
「褒めてないからね!
んで人族の進化ってどんななの?」
「進化は全ての者に等しく訪れるチャンス
全ての者に全ての者になれる可能性がある
ってのが進化のルールでね」
「人族から龍族とかにもなれる?」
「可能性は限りなく低いけどね
何か関連する因子を取り込んだとか龍族の肉を食べ続けるとかを
やれば無くはないだろうけどさ」
「竜族ならまだしも龍族の肉を食い続けられる人族ってのも
嫌な話だよなぁ」
「やってやれない事はないとおもうけどさ
そんな訳で人族にだって進化の可能性はあるんだよ
大抵は神族か悪魔族か天使族なんかに進むけど」
「う~ん、それは何となくわかるような気がするな・・・
そりゃ情報も残ってないわな」
「それにしてもさ・・・・・アンタ何者?
コボルド種の割に流暢に話すし知性も知識もあるし
この状況にも冷静に対応してるしさ
つうか神に馴れてない?」
「えぇぇぇ!今更かよ!」
「いやぁ~何か違和感あんな~とは思ってたんだけどさ
で何なの?何かの事情持ち?
アタシの目には加護とか受けてるようには見えないんだけど
何か違和感あるんだよなぁ・・・・」
中級神ともなると世界神の誤魔化しも完璧じゃないのか?
それとも加護が増えてきたから隠しきれなくなってきたとか?
俺が気にしたって仕方がない事だけどな。
他の神にした説明をスイリーヤにもする。
どうせパニックになったりするんだろうな。
「ふ~ん、グラバス様の加護ねぇ
アンタも大変だね」
「え?それだけ?」
「アタシはあんましそーゆうのに興味ないんだわ
そういえば今の上司にグラバス様の加護とか何とかの
資料が回ってきたけど読んでないなぁ
アレってアンタの事だったのかもね」
ケタケタと面白そうに笑うスイリーヤを見て俺は少し好感を持った。
こんなマイペースな神も居るんだな。
ラバリオとも違う感じだ。
「凄い話がズレたけど今回の俺は因子を手に入れたから
ここに呼ばれたって事で間違いないか?」
「あぁ、そうそう
正確に言えば成長限界時に解放されていない
因子を持ってたって事なんだけどね」
「因子持ちって結構来るのか?」
「あんましこないよ
そもそも因子持ちって成長限界が高いのが多いし
アタシがこの仕事を選んだ理由がそれだね」
「仕事の少なさで選ぶなよっ!
元々持ってる場合と追加で手に入れた場合でも同じ?」
「既に因子が解放されてる奴は来ないよ
此処に来る奴は解放されてない因子を魂に組込む為に来るのさ」
「此処に来ないと解放って出来ないの?」
「そんな事はないさ
体と魂が受け入れれる状態になれば勝手に開放される
そこらへんの条件は何の因子かによるけどね
つまりは進化する際に因子の事も汲み取ってやろうっていう
神様達のありがた~い話なんだよ
進化しても因子の事を加味してなかったから
能力が足りなくて解放出来ませんじゃ可哀想だろ
因子があるって事はそれだけ世界には認められてるって証なのさ
進化の内容もそれに併せてあげようってね」
ふむふむ、そこら辺は因子が発露してるかどうかって事なのかね。
前回の銀や今回の紅は入手したばかりだったからか。
偶然に因子を手に入れたとしても運も実力の内なんだな。
「じゃぁおれが浮いているコイツに触れば
紅の因子が解放されて俺に組み込まれると」
「そうそう、それで条件に見合った種族や能力値に進化するって事」
「スイリーヤの力で種族を選べたりしない?」
「そこまでの権限はアタシには与えられてないよ」
「それは残念」
「あはは、アンタは神相手に素直だな」
「神様って言っても色々だろ?」
「そりゃ違いない
神って言っても社会の作りは大して変わらないもんさ
・・・・・よしっ
種族は選べないけど能力補正はちっとは助けてあげるよ」
「まじで?」
「久々にこの仕事で楽しいと思ったからね
但しあんまり期待はしないでよ」
「俺自身は何もしてないんだし
加護を受けれるだけ有り難いさ」
「おうおう、言うね言うね
よしっ持ってきな」
ピローン
> 守護≪進化神スイリーヤの加護≫を手に入れました。
「これで種族は選べないけど
ちっとは進化後が違うはずさ」
「次の種族もコボルド系とかそっち系になる?」
「それはそうなる可能性が高いよ
可能性だけなら・・・まぁ良いかな見てやるよ」
そう言ってパーカーのポケットから眼鏡を取り出して掛ける。
「そうだな・・・・可能性は低いが・・・・・
ん?・・・・・・なんだこれ?」
「どうしたまさか神にでも成れるのか?」
「あぁ・・・・それもあるんだが・・・・・ふむ
まぁ良いか・・・・・」
おいおい、本当に神になれる可能性もあんのかよ。
ゲームで言う所のレア進化って奴か。
それにブツブツ言いだしたと思いきや。
「うん、まぁ次も犬族のどれかにはなるさ」
「結局はそれなの?」
「可能性としては他も無く無ないけど
間違いなくコボルドの進化種になるだろうね
ほんじゃそろそろ時間だから
折角昼寝もしないで出てきた事だし
最後に神っぽい事もしてみっかなー」
そう言って一回転すると
そこには神としての威厳を漂わせた一人の女神が居た。
体からは輝くオーラの様なものが滲みだし仄かに発光している。
着ているのも神々しい衣のような物で
足元は草木で作られたサンダルっぽいのを履いている。
「おぉ、なんか神っぽい
というか凄く神様感がヤバイ」
「だろだろ!
アタシだってちゃんと出来るんだぜ
ここ数十年は着てなかったけどね」
「ちゃんと仕事しなよっ!」
「まぁまぁ、真面目にはやってないけど
手を抜いてるわけじゃないから良いじゃん
それにミノルちゃんには真面目にやるんだからさ」
「まあね・・・・つうか何時の間にちゃん付けになった?」
「アタシとミノルちゃんの仲じゃん」
「まだ会ったばかりじゃねーか」
「神様と仲良く出来るなんてやるねー
ひゅーひゅー」
「ひゅーひゅーじゃねーよ
仲良く出来るのは良いんだけどさ」
「まぁまぁ、ほいじゃやるよ」
急に真顔になり両手を紅肌に向ける。
"この世に漂う力の一端よ
深き赤き者よ
汝の名は紅
彼の物の力となりて
再び世界の一部として輝き給え"
スイリーヤが祝詞を唱えると
紅の光りは輝きを強め俺の中に吸収される。
輝くような力強さを感じながら俺の意識は遠くなる。
「おおう・・・・意識が・・・・
ありがと・・・・う・な・・・・」
「あぁ、またすぐに進化しに来いよ
アタシが対応してやるからさ」
「あぁ・・・がんばる・・・よ・・・」
そんな言葉を聞きながらまたもや意識は闇に溶けて行った。
「ミノルちゃんの進化の可能性・・・・そんな事がありうるのかね?」
スイリーヤの呟きが実留に届く事は無かった。
ピローン
> 種族進化が完了しました。
> 種族進化アプリを終了します。
目が覚めると怪我は全て治っていた。
正確に言えば治っていたではなく作り変わっていたのだが。
同期に比べて少し小さかった背は1.5倍位になった。
腕も足も太くなり筋肉量も大幅に増えている。
それなのに愚鈍さは全く感じない。
寧ろ以前よりも間違いなく素早く動けるだろう。
全体的に密度が相当高まった感覚がある。
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≪進化神スイリーヤの加護≫
説明:眠い・・・・・怠い・・・・・
効果:進化後の能力値確定時にプラス補正
種族については影響を及ぼさない
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う~ん、これはランダムパラメータの値を
高数値に補正してくれるって事かな。
説明が全然意味ないけど有り難い加護だな。
流石は中級神って所か。
さて、俺はどうなったんだ?
ステータス確認を行う。
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名前:森山実留
性別:オス
種族:ハイコボルド(黒毛、紅眼)
年齢:3ヶ月
≪ハイコボルド≫
コボルドの上位種とされている。
粗暴さは少なく知性的な種族。
コボルドに比べ肉体は強靭で魔法を操る者も居る。
社会的には亜人族とされる事が多い。
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やっぱり上位種になったようだ。
結局は犬からは抜け出せないのか。
そこはちょっぴり残念。
神になって魔王をぶっ飛ばしたかったのに・・・・。
それにしてもハイコボルドか。
コボルドとはどれだけ違うのかが気になるな。
亜人として認知されているのは正直ありがたい。
社会にも出やすいもんな。
うんうん、これは良い感じだ。
アリスに外見を確認してもらおう。
「アリス、俺の外見はどうだい?」
「そうですね・・・・以前に比べて顔に気品と言うか
知性っぽさを感じます
野性的な感じは薄れましたね」
「イケてる?」
「犬のイケてると言うのがちょっと分らないので
何とも言えませんが可愛いですよ」
「まぁ・・・そりゃ俺も何がどうイケてるかは
分らないけどさ・・・・まぁ可愛いなら良いか」
「そうですよ!ブサイクなゴーレムより
全然マシです」
「いや、そう言われるとちょっと傷つくぞ
あれも一応俺なんだからな
他は何かあるか?」
「そうですね・・・・あっ!」
「お?どうした?」
「眼が・・・・眼が赤いです!」
「おぉ!それは何かカッコいいな」
「はいっ!なんかこう中学生の妄想が
爆発したみたいでカッコ良いですね」
・・・・・それ褒めてないからね。
厨二病発動です。




