表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/254

4-15

煌液が出ない・・・・・

ボス狩りハンター森山実留です。

俺の事はボスハンターと呼んでくれ。

やはり狩人たる者はボス級を狩らないと駄目だよな。

雑魚を幾ら狩った所でそれは雑魚狩りハンターなのさ。

これからもボス級を狩りまくっちゃうよ~。


「あの~、最後に倒したのは私では?」


「いや!俺だろ!」


「私ですからっ!」


2人の不毛な戦いは何時までも続いた・・・・。











目が覚めると周囲は薄明るくなっていた。

朝靄の中で体を動かすと体中が痛い。

それでも耐えられない程じゃないが。

バキバキと体を動かすと近くにアリスも寝ていたので起こす。

寝ぼけて居るのか俺の中に戻っていった。


周囲には大きな生体反応はないから

危険な生き物は居ないだろう。

居たらとっくに俺なんて死んでるけどな。


クリムゾンの死体はそのままだった。

防具は酸や攻撃でボロボロになってしまっていたが剣だけは無事だ。

酸や槍との衝突でも何ともないのか。



=========================

≪バングソード≫


片手でも両手でも使える幅広剣で柄が長い

各種状況に対応出来るようにと少し刃が短い

耐久性を異常なまでに重視している素材構成なので

大きさの割に重量がある


種類:武器

等級:上等級

品質:低品質

作成者:ドゥバリー・ドゥノバン

=========================



片手で持ってみるとズッシリとした重だ。

俺には振り回すのは無理そうだ。

両手なら何とか振れる程度か。

これを片手で振り回していたクリムゾンが

どれだけ俺より強かったかを再認識しゾッとする。


剣の次はクリムゾンだ。

良く見れば全身傷だらけで腹は焼けただれ

左目からは何かの液体が出た後がある。

よくこれで立ってたもんだ。

敵ながら尊敬の念を感じる。

もちろん剣もクリムゾンも回収する。


魔力が回復していたので回復魔法で体を治すも

右腕と左足の損傷が酷く治りきらない。

それでもここに留まるのも良くないだろう。

足を引きずり元ゴブリンの住処に向かう。


中に入ると毒は消えているようだ。

自分で撒いといて言うのもあれだけど

洞窟に毒とか迷惑以外何でもないからな。

感知エリア内には生体反応は無いが

奥が結構あるようで最奥までは不明。


悩んだが入口を土魔法で塞いでおく。

数匹ならまだしも襲撃があったら今の状態じゃ防ぎきれない。

多少魔力は使ってしまうが入口の前の広間にせり出すように

壁を作った為、ゴブリン程度じゃ足場も無いし突破出来ないだろう。


中はコボルドの住処よりも広い作りのようだ。

住んでいる数が違うのだから当たり前だな。

そこかしこにゴブリンが倒れているが生体反応は無い。

ゴブリン毎、武器や道具を回収しながら進む。


ダメージが抜けきらない体と上手く動かない左足で

住処を隅々まで調べたが生体反応は見当たらなかった。

いや、最奥に僅かながら反応がある。

小さ目の部屋が2つとそこそこの大きさの部屋が1つ。

だが其処への通路には大岩が置いてあった。

岩に手を掛けるような場所があり実際に使われた後もある。

そして横には岩が入る位の窪みもある。


原始的だけど効果的な扉って事か

今の状態じゃ動かすのも壊すのも無理っぽい。


「無理なもんは無理だな・・・・」


感知する生体反応の大きさからいって

この岩を動かす程の力は無いだろうから

一先ずここの安全は確認が取れたって事だ。

ここでも念を入れて岩の前に壁を作り補強しておく。


今は儀式開始から丸1日が経った2日目の朝だ。

クリムゾンと多数のゴブリンを持ち帰れば儀式は問題ないだろう。

このままじゃ住処に帰る前に魔物や魔獣に殺されかけないので

体の補給に取り掛かかるべく

少し戻った所にある広めの部屋に入り入口を壁で塞ぐ。

空気穴は空けてあるので問題はない。


「アリス、ちょいとご飯食べて寝るから

 見張りお願いしていい?」


「わかりました

 沢山食べて寝ましょう」


アリスを呼び出して食事の用意をする。

ゴブリンは・・・・やめておこう。

他の食材はっと・・・・・良さげな手持ちがあんまりない。

まぁ仕方が無い。

手持ちの食材をドンドン出して調味料を振り掛けて焼いていく。

焼けた傍からモリモリと食べて行く。

塩胡椒が減っても謎調味料が減らないと補充されないので

万遍なく使っていくが謎調味料が数回に1回の割合で

物凄く微妙な味になる時がある。

俺は食べれなくは無いがアリスには絶不評だ。


コボルドに転生してから一番大量に食べたにも

関わらず体の回復が遅い。

腹は満たされてきてるもののまだまだ入りそうだし。

俺の体はどうかなったのだろう?

食材のレベルが体に追いつかなくなってきたのかもしれないし

体の損傷が今迄以上なのもあるかもしれない。


ちなみにアリスは隣でスースー寝息を立てている。

見張りを頼んだのにな・・・・。

まぁ体を構成してる魔力の殆どを使ったし

俺の様に≪捕食者≫で食事等から効率良く回復出来る訳でもないしな。

安全も確認出来てるからまぁ良いとしよう。


「高レベルの食材・・・・・クリムゾン食うか・・・・

 首だけ残しておけば良いか」


クリムゾンを出して首だけを回収し

体は食べる事にする。

なるべく全てを無駄にしたくないのでそのまま食べる。

一口で明らかに通常のゴブリンとレベルが違う事が分る。

歯応えが凄い割に固いわけでは無く濃厚な血と肉の味が広がり

噛み締める度に旨味が溢れだし体中に力が漲って行く。

飲み込む度に腹が減り次を食べたくなり止まらない。


休む事もなく一気にクリムゾンを食べきると

体中が熱くなってくる。

右腕と左足も燃えるような熱さだ。


ピローン


> 成長限界を迎えました。

> レア種(紅肌)の因子を取得しました。


> 種族進化が可能です

> 実行しますか YES / No



YESを選択すると体が更なる熱に襲われ

同時に猛烈な睡魔に襲われる。


「そうだ・・こ・・・・うなる・・・・の・・・

 わす・・・れ・・て・・た・・・

 から・・・だ・・・が・・・・・

 あ・・・・つ・・・・・い・・・・」


アリスの安らかな寝顔を見ながら

意識が暗闇に落ちていく。






見覚えのある場所だった。

正確に言えば感じた事のある雰囲気の場所だ。

相変わらず気配だけは感じるが

何もハッキリとは見えない薄暗い闇に包まれた場所。


目の前には紅色に淡く光る物がフワフワと浮いている。

これが紅肌の因子なんだろう。

触れれば俺に取り込まれて力となるんだな。


う~ん、俺は既にこの場所の正体を知っている。

イプラールに教えて貰った部屋の一つなんだろう。

そして俺は紅肌とは違う気配を微かに感じる。

これきっと神のモノだ。

だって上から感じるんだもん。

上を見ても暗闇だけど天井あんのかね。


種族進化について・・・・・知りたい。

物凄く知りたいっ。

ここは意を決する時だろ!



「すいませ~ん

 天上裏に神様いるんですよね?

 お聞きしたい事があるんですが~」


至って普通に声を掛けた。

だが場は沈黙のままだ。


「すいませ~ん

 神様居るんですよね?

 天上裏から気配がしますよ

 ちょっと聞きたい事があるんですけど~」


おっ、なんかカサカサ動いてる感じがするぞ。


「居るのバレてますよ~

 す~い~ま~せ~ん」


何かこうジッとこちらを伺ってるような気がする。


「すいませ~んすいませ~んすいませ~んすいませ~ん

 すいませ~んすいませ~んすいませ~んすいませ~ん

 すいませ~んすいませ~んすいませ~んすいませ~ん

 すいませ~んすいませ~んすいませ~んすいませ~ん

 すいませ~んすいませ~んすいませ~んすいませ~ん」


ここまで来たらこちらも意地だ。

絶対に出てきてもらうからな。

それからしばらく呼び続けた。


「も~~~~~!

 うるっさいわね!」


何時の間にか神が目の前に現れていた。

うん、相変わらずのビックリだよ。


「初めまして神様

 自分はコボルドの」


「知ってるわよ

 ってか、アンタなんなの?

 妙に落ち着いてるし堂々としすぎてるし」


うおう、最後まで言わせて貰えなかった。

外見からは全く威厳さを感じれない服装だ。

ダボダボのパーカーにロングスカートで足元は革ブーツ。

髪型は後ろで一つに纏めている。

パッと見で休みの日の大学生のような出で立ちだ。


それなのに・・・それなのに・・・。

やはり神々しさと言うか力の高さを感じてしまう。

でもラバリオやシュバーラには余り感じ無かったぞ。

何でだ?


「あの~、神様のお名前を教えて頂けないでしょうか」


「あ~、アタシの名前だ?」


「えぇ折角お会いする事が出来たので

 出来れば何を司る神様なのかと」


大学生風の神様はジロジロと俺を見てくる。

そりゃもう容赦なく見てくる。

上から下までジロジロと。

ううぅん恥ずかすぃ。


「ふぅ・・・アタシは進化を司る神の1人で

 名をスイリーヤと言う

 一応、中級神だ」



あれ?中級神?

下級神じゃないの?



「なんだ文句あんのか?」

実留君、大幅パワーアップかと思いきや

口の悪い中級神に遭遇しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ