表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/254

4-10

喉が・・・・喉がががががが。

親衛隊と弟子が出来た森山実留です。

そうは言っても自分より弱いし腕も良くありません。

むぅ・・・・弟子は良いとして親衛隊が弱いのは駄目じゃね?!

今こそムキムキ天使に指導員として来てもらうしかないっ。


でもムキムキの二足歩行する犬は嫌だーーーー。








まだまだ俺の手は必要だろうけど

3人がある程度育ったので俺は狩りをメイン戻す。

そろそろ自分の武器と防具も

何とかしないといけないしな。


そこで目を付けたのがゴブリン共だ。

質は悪いがそれなりの物は持っていた。

初めの武器としては良いだろう。


幾つかの準備後に住処を後にする。

以前にゴブリン達を見つけた辺りに向かう。


「何だかんだと言って今回は大変だな」


「そうですね~

 でもゴーレムの時に比べて解放感はありますよ

 あの時はずっと外に出れませんでしたし」


「だなぁ、あれは辛かった

 そう思うと2回目が楽しくて良かったよな」


「ですね~、皆さん元気にしてるんでしょうか」


「う~ん、社会と接してないから情報が無いな

 ゴーレムの時も監視付きで情報収集出来なかったし

 何となく無事なような気はするけど」


「今回は外に出ていくんですよね?」


「それなんだけどね

 ちょっと考えてる事があってさ

 少しの間、ここに居ようかと思うんだ」


「そうなんですか?」


「うん、前回まではさ魔族にサクっと殺されてたじゃん

 今回はその経験を生かしてある程度の強さが欲しいんだ」


「そるほど

 それでこの森で腕を磨くわけですね」


「そそ、それにさ個の強さもそうだけど

 数の強さも手に入れようと思う」


「と、言いますのは?」


「俺が単独で魔王クラスに勝てるようになるかは

 正直な所、自信が無い

 それでも数が居れば対応策が幾つか出来ると思うんだ

 それに生活基盤を作ればそれだけ安定するしな

 数は力なりだ」


「だから3人を育てたんですね」


「まぁ、あれは成り行きでそうなっただけだけどな」


「ははは、実留さんらしいですね

 それはそうと狩り組の2人の名前は決まったんですか?」


「うぐぐ・・・・ここでそれを聞いちゃうかな」


「実留さんの事だから適当な感じになるんじゃないかと」


「うぅ~ん、ボロボロ君と大怪我君でしょ・・・・・

 ボロちゃんと大ちゃん・・・とかじゃぁ駄目かな」


「・・・・・・」


「アリスさん目が怖いっす」


駄目出しをされながらも信念を貫き

名前を改める事とした。

こう言った事は直感が大事だ。


ボロボロ君 → 親子

大怪我君  → 衛子

生贄君   → 弟子夫


まぁ・・・・実用性重視って事で・・・・。

アリスさん目が目がっ! 




以前、ゴブリンに遭遇した付近に到着し

辺りを伺うと微かに気配がする。

気配と言うか臭いが残っている感じだ。

頻繁には来ないが定期的には訪れるようだ。


ゴブリンの特徴としては

性格は本能が強く理性的とは言えず凶暴だ。

コボルドに比べて力が強く

1対1で小細工無しに正面から戦えば

コボルドよりも強い個体が多いだろう。


一番の特徴としては驚異的な繁殖力と

圧倒的な早熟さにあるだろう。

喰われても殺されても増えてくるので

総じて同程度のコボルドには脅威度は高い。

知性は低いので工夫次第でどうとでもなるようだが

それでも数の強さは侮れない。

もっとも数が居ようが上位の魔物なんかにはカモられているけどね。


そんなわけで武器と得ると同時に

同程度の強さのゴブリンで経験値も稼ぐのが目的だ。




周囲を探るも反応が弱い。

魔力感知で周囲を探るのは微妙だ。

生物であれば多かれ少なかれ魔力はあるので

感知は出来るのだがゴブリンは反応が微弱すぎる。

何と言うか魔力が弱いというかハッキリとしない。

数で組んで行動してれば分るけど

単独だと他の魔物と間違えたりして見逃しが怖い。

更に言えば森には多種多様な生物が居るので

魔力感知頼りだと詳細な特定は難しい。


やっぱり親子に気配感知を教わるしかないな。

今後の課題としよう。



周囲を伺いながら少し高めになっている場所を見つけ

茂みに身を潜める。

1時間程待っているとゴブリンが2匹現れる。

手には木の棒を持ち腰に布1枚の軽装だ。


『チッ、外れだ』


『残念ですね、次を待ちますか?』


『いや、試したい魔法があるんだ

 それを使ってみようと思う』


『攻撃魔法ですか?』


『あぁ、俺の考えが正しければ

 効果的だとは思うんだ』


俺は魔法の準備をしつつ

2匹が丁度良い位置に来るのを待つ。


今だっ!


「爆音っ!」


俺はゴブリン2匹の周囲に空気の層を作り隔離する。

これは空気を遮るだけで物理的な防御力等は全くない。

そして間髪入れずにゴブリン2匹の間で

圧縮した空気が爆発する。

これも物理的な威力は殆ど無い。

単純に大きな爆発音を出す。

これに特化した魔法だ。


最初の壁は音を遮断させる為の物でセットになっている。

まだ俺の魔力が広範囲に展開出来ないので3匹程度を

範囲内に収めるのが限界だろう。

結果としてどうなったか?


ゴブリンは2匹とも白目でビクンビクンと倒れている。

口からは涎を垂らし失禁までしている。

そして鼻と耳からは血を流していて

どうみても無事のようには見えない。


「う~ん、某ゲームを参考にしてみたけど

 これ結構エグイな」


「そ・・・・そう・・・ですね・・・」


「とりあえず奪えるもの無さそうだし

 食べちゃうか」


「そ・・・・そう・・・・ですね?」


ゴブリン2匹は丸々俺の腹に収まった。

正直な所、味は今一つだが食いではあったので良しとしよう。

魔法の有用性も実証出来たしな。


その後はゴブリンを見つける事は出来なかったが

同魔法を色々と試すと動きの速い者には使い辛い事がわかる。

範囲内に収めきれないんだ。


更に言えば鎧リザードなんかには効果が薄い事がわかった。

概ね人型専用魔法っぽいな。

ここら辺は≪大声≫と効果は同じ方向だな。

使い勝手は全く違うけど。



住処に戻り親子に周囲探索と生物感知について

色々と質問してみる事にした。


「なぁ、生物ってどうやって見つけるんだ?」


「周囲に居る生物を見つけるんです」


「だからそれをどうやってやるんだ?」


「周囲に居る生物を感じるんです」


「だからそれどどうやってやるんだ?」


「周囲の生物の息遣いを見つけるんです」


「だからそれを・・・以下略」


スキルGETへの道は遠そうだ・・・・。

ちなみに親子と衛子は普通に話せるようになりました。

なんか他の大人達に比べても流暢に話せるようになったのは

謎ではあるが・・・・まぁ俺の影響なんだろうな。




それから数日はゴブリンを見つけに行く事は止めて

スキルGETの為に親衛隊の2人と戦闘訓練をを行った。

基本的には2対1で行う。


親子は回避や攻撃のタイミングが上手くカウンターを狙ってくる。

受け止めるような事や捌くと言った体に触れさせる事をさせない防御だ。


衛子は回避等は親子程ではないが武器や体の一部を利用して

攻撃を捌くのが上手い。

そして相手のリズムを崩しタイミングを見て重い1発を狙ってくる。


なかなかどうして2人同時だと結構手強い。

俺は相変わらず素手だ。

最初に比べて格段に防御技術が向上した。

2人にそれぞれのスキルを特徴を聞き観察し

時には食らいながらも訓練を続ける。


衛子よ・・・・・トゲトゲ棍棒のフルスイングで

俺を強打するとはどういう事だ・・・・。

まぁ容赦するなと教えたのは俺だけどさ。

そりゃ親子の回避能力が飛躍的に高まってるのは理解できる。

まともに食らったら俺じゃなきゃ死ぬからな。


何回か瀕死になったお陰か無事に

2人のスキルGETが出来た。


=========================

≪重撃≫


説明:1撃必殺


効果:重い1撃を放つ事が出来るようになる。

   攻撃手段を問わず攻撃値に大幅なプラス補正

   但し外した場合に次行動に大幅なマイナス補正

=========================


=========================

≪身体能力強化≫


説明:麦はね踏まれても踏まれても強く伸びるんだ


効果:身体能力と回復力にプラス補正

   重傷や瀕死から回復すると最大値が微上昇

=========================


=========================

≪周囲探索≫


説明:情報収集は状況を環境を学ぶ事が第1歩だ


効果:自分の周囲が把握しやすくなる

=========================


=========================

≪生物感知≫


説明:隠れん坊や警泥では比類なき強さを誇るでしょう


効果:生物を感知する事が出来るようになる

=========================


≪重撃≫は魔法やスキルにも効果があるので

使い方次第では凄く有用だ。


≪身体能力強化≫の補正率は≪身体魔補≫に比べて

相当低いが特筆すべき点は重傷等から回復する度に

最大値が上がるというところだろう。

これは衛子が瀕死の重傷だったからこそ手に入れたスキルだ。

親子の攻撃で大怪我を負いながらも回復してきたから

今の身体能力を手に入れたんだろう。

まるで何処かの戦闘大好き宇宙人のようだ。


≪周囲探索≫については周囲が把握しやすくなるスキルだ。

周囲の地形等も何となくわかる。

試しに木なんかに集中すると葉が揺れ動くのも把握できるので

戦闘時には相手の動きも理解しやすくなる。

成程これは便利だ。


≪生物感知≫は生物の命を感じると言うか

生命力のような生命活動自体を感じ取れるようになる。

≪周囲探索≫や≪魔力感知≫等と組合せれば良い感じだ。




これでゴブリン狩りの準備は整った。

よし、これからが本番だ。

待ってろよ小鬼共。

実留君のぱわーあっぷ回でした。

・・・・あれ?そんなに強くなってないかも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ