4-8
次話は少し遅れるかもです。
申し訳ありません。
見知らぬ部屋で神様に遭遇しました。
森山実留です。
神様って凄いってイメージあるでしょ?
実際は違うんですよ。
・・・・・少なくとも俺があった事ある神はなっ!
その神はイプラールと名乗った。
想定外の事態になったらしく緊急時対応という事で
俺の前にいる。
ノープランで。
・・・・・情報収集の場が出来たと思えばいいさ。
「話し?」
「うん、そうだねぇ・・・・シューはしばらく
帰ってこないと思うし
この場で何が出来るわけじゃないからね」
「う~ん、時間が掛るなら
日を改めて貰っても良いんだけど」
「僕としてはそうしてあげたいんだけどね
ここの使用申請はシューが出してるから
僕じゃ解除出来ないんだよ」
「申請制なの?!
そもそも此処って何処なの?」
「ここはね君の精神を具現化しておける場所で
幾つかあるんだけど何処も人気でね
使用するのには事前申請で予約が必要なんだ」
「なんか妙にリアルだなぁ」
「まあね、そもそもが僕達のような下級神が
精神だけを抽出して具現化する部屋なんて
作れるわけないじゃん
明らかに能力違いだよね」
「そう言われてみればそうなんだけど・・・・」
「大変なんだよ部屋を予約するのって
神託を授けるだ~とか進化させるだ~とか
結構、用途が多い割に部屋が多くなくてね
使用目的によっては使い難い部屋とかもあるし」
「神託って・・・・そんな裏事情が・・・・
何かガッカリするぞ
それに進化ってあの黒い部屋の事?」
「ん?他の部屋も知ってるの?
いやぁ・・・これは不味ったなぁ
まさか本当にグラバス様の加護持ちだったりしてね」
「だからそう言ってるじゃないか」
「まぁまぁ、シューが帰ってきたらわかるよ
それに悪いと思ってるから
こうして話をする機会を設けたんだしね」
「そりゃまぁ神様と話す機会なんて滅多にないだろうけどさ」
「そそ、だからまぁ聞きたい事があれば答えるよ
それでも内容次第ではあるけどね」
う~ん、物作り・・・・物作りねぇ・・・・。
「武器と防具作成のスキルがあるんだけどさ
補正効果が各種って曖昧なんだけど
どういう事かわかる?
他のスキルはもう少し具体的なんだけどさ」
「君は鑑定の能力持ちなんだね
スキルまでわかるなんて凄いね」
あぁなるほど神システムは知らないからか。
確かに普通は鑑定系の能力を持ってると思うか。
「武器と防具は専門じゃないから詳細には分らないけど
基本的に物を作る際には色々な条件があるんだ
多分だけど武器なら作業効率やデザイン等もあるだろうし
最終的な能力や品質も変わるし
作成者次第だけど等級にも影響があるんじゃないかな
全般的に補正が掛るって意味だと思うよ」
まぁ、そりゃそうだな。
最初から最後まで影響があるから一括りに書いてるんだろうし。
・・・・・・おい、等級ってなんだ?
サラっと出たけど何だね?その単語は?
「ねぇ?等級ってなに?」
「え?等級って等級の事かい?」
「うん、そうそれ
どの等級かわからないけど等級の事」
「え~っとね、等級は物自体のランクを表すんだけど・・・」
イプラールの説明で等級が理解できた。
等級は物自体のランクで品質は状態等を指すようだな。
等級は概ね6等級に分類される。
神話級 > 伝説級 > 遺物級 > 魔聖級 > 上等級 > 一般級
もちろん上に行けば行くほど強いが
名前だけって物もあれば等級を超えてくる物もあるらしい。
イプラールの服も等級で言えば神話級だそうだ。
もちろん下級神と上級神では雲泥の差があるとか。
そりゃまぁ下級神と言えども神だしな
そんなもんかと納得する。
でもこの手作り感全開の服で神話級なのか・・・・。
なんか普通に良さげな剣とかだったら切り裂けそうだな。
神が使ってるから神話級なだけであって
それ全部が本当に強力はどうかはわからないもんな。
等級を超える事があるって事は下回るって事もあるだろうさ。
「ふ~ん、等級ねぇ
そんな情報もあったんだな」
アイテムボックスからアイテムを
取り出そうとしたら出来なかった。
そうかここは精神だけが来てたんだったな。
物理的には無理か。
神システム経由でアイテムボックスを除くと
中の物は覗ける。
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≪鋼鉄製のナイフ≫
鋼鉄製で出来たナイフ。
手入れが行き届いていないが切れ味は悪くない。
種類:武器
等級:一般級
品質:低品質
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ふむ、等級が表示されるようになったな。
拡張されるとは言え面倒なシステムだな。
作成者は表示されない。
無理矢理表示しても何も出ない。
「作成者が不明とかってあるの?」
「そうだねぇ
偶発的に発生したアイテムなんかはあり得なくはないけどね
あと、一般級では大抵が作成者無しになるね
余程の名工じゃなければ大量生産品扱いだよ」
そう言われればそんなもんかと思う。
確かに何処か職人の弟子が作った物や
大量生産で作った物を同価値って事か。
そりゃ少なからず差はあるだろうけど
等級が変わる程じゃないって事だ。
これを例にしても同じ等級でも性能の差は
かなりあると言うのが理解出来るな。
その後も何だかんだと話し合い色々と教えて貰った。
起業の神であるシュバーラとは付き合ってるわけじゃなく
唯の仲の良い飲み仲間だそうだ。
ラバリオの事はシュバーラから聞いていたが
有った事はないとの事。
「それにしても時間かかるね」
「あぁ、うん
待たせて申し訳ないね」
「そういやシュバーラさんが言ってた上って上司って事?」
「今回はまぁ、上の部署にって感じかな
もちろん問合せ時に上司の認可が必要になるけどね」
「神様って言うのも案外面倒なものなんだね」
「まぁ色々とね」
2人で乾いた笑いをしていた時に
唐突に女性が現れた。
「うおっ!ビックリするってっ!!」
「イッちゃんお待たせ~
確認取れたよ~」
この神様がシュバーラさんなのか。
つうか俺には何も言わないのかよ。
「シューどうだった?」
「うん、本当にラバリオ様の加護持ちみたい
上司も凄い驚いてたよ」
「そうか・・・・まさかそんな事があるなんてな」
「ねー、私も何回も確認しちゃったよ
まさかこんなのがグラバス様の加護持ちとはね~」
なんか・・・こう・・・・妙にイラっと来るのは俺だけか?
「おいおい、シュー!
グラバス様の加護持ちにその話し方はないだろう」
「え~、だって上からの資料にも上司からも
"この者の事は他言しないように、但し特別扱いは不要"
って指示があったよ
だから普通に接すれば良いじゃん」
あ~、駄目だ。
こいつ駄目な神だ。
社会で上手く流れに乗れないタイプだ。
そのまんま受け取っちゃうヤツだね。
イプラールを見ると苦笑いしてた。
「苦労してそうですね」
「いや、そうでもないんだよ
良い奴なんだけどね・・・・・・・・まあね」
「ん?なになに?
何を2人で話してるの?」
うん、やっぱり読めない方みたいだ。
シュバーラは若いOLのようなファッションだった。
パンツスーツを少し砕けた様な感じで
ギリギリに砕けすぎてない。
そんなレベルで纏まっている。
イプラールとの対比が凄いが司るモノに影響されるので
方向性が決まってしまう事から神同士は気にしないそうだ。
シュバーラにも確認したが2人は仲の良い友達との事。
「それでこれからどうなるの?
加護とかは?」
「あぁ、うんそれも確認したんだけどね~
そう言った事情があるなら中止にしようかって話が出たんだけど
"特別扱いしない"って言うのはソコにも当てはまってね
普通に加護を与えるって事に落ち着いたよ」
「そうか~、それはありがたないな
一回申請しちゃうと取り消したり何だりで
意外に後処理が面倒なんだよな」
「そうなんだよね~
それにここで加護を渡しておけばグラバス様からの
印象もちょっとは良くなるかな~なんてね」
「おお!それだ!シューは流石だなぁ」
「あははは、でしょでしょ
イッちゃんと申請しといて良かったよ」
うん、あれだ・・・・・落ち着いて見えるけど
イプラールも駄目だ。
そういや威厳を出したいとか言っちゃってるしさ。
こいつら何か新人社員っぽいぞ。
もっと深読みしろよ。
可能性を考えろよ。
だって・・・・絶対にここの会話をあいつは聞いてるぞ!
これ位で怒ったり罰したりはしないだろうけどさ。
確実に面白がってるだろうし。
「では、加護は受けれるんだね」
「そうだね、じゃぁサクっとやっちゃおう」
シュバーラ・・・・軽すぎんぞ・・・。
ピローン
> 守護≪起業神シュバーラの加護≫を手に入れました。
> 守護≪物作り神イプラールの加護≫を手に入れました。
「え?何かこう"祝福を与える~"的な祝詞っぽい何かは?」
「ないよ~そんなの
普段はこう雰囲気を出すのに言ったりするけどね」
「いや、その上司とかから言われた"特別扱いするな"ってのは
断言できるけど素で対応しろって事じゃないからね
他者と同じく扱えって事だからね」
「あはは~、君面白いね~
え~っと・・・・名前は・・・・」
「実留、森山実留だ」
「コボルド種の若者なのに名前があるんだね
うん、ミノル君ね
私は気に入ったよ!」
「シューは直ぐにお気に入りを作るからなぁ」
「いやいや、イッちゃんだってそうじゃん」
「まあ・・・それは否定できないけどな」
「もう何かわからんけど付き合っちゃえよ!!」
「嫌よ」「嫌だな」
ちょいと馬鹿っぽいけど悪くない神達だな。
イラっとする事も多いけど妙に憎めない感じはある。
不意に意識が引っ張られるように眠くなってくる。
「あれ・・・・なんか・・・眠い・・・・」
「あ~、部屋の利用時間が来ちゃったね
またねミノル君」
「もっと話したかったけどな
またなミノル」
俺の意識は白い世界に落ちて行った。
目が覚めると何時もの住処だ。
少しづつ拡張したので俺が横になって寝れる部分と
作業スペース程度は確保出来る程度の場所だ。
むぅ夢か?
『実留さん大丈夫ですか?
急に意識だけ何処かに飛ばされてましたよ』
『う~んなんか変な部屋に飛ばされて
神に会ってきた』
『大丈夫でしたか?』
『うん、変な神だったよ・・・・馬鹿っぽいと言うかね』
『そ・・・そうですか・・・・何と言うか大変ですね』
『あぁ、それでも加護を貰えたから良いけどな』
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≪起業神シュバーラの加護≫
説明:YOU 起業しちゃいなYO
効果:起業する際に物事が上手く運ぶようになる
但し、それを有効活用できるかは本人の努力次第
起業後については影響を及ぼさない
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≪物作り神イプラールの加護≫
説明:物作りは文明の証だね
効果:物作りにおいて全般にプラス補正(微)
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あぁ、予想通りに微妙な効果だ・・・・。
シュバーラは投げっぱなしだしイプラールは微だし。
説明にも2人の性格が滲み出てる気がする。
そしてやっぱり戦闘系能力は上がらない・・・・。
俺は強くなれるんだろうか。
加護をダブルGETしたものの全く強くなりませんね。
戦闘系神の加護を得られる日は来るのか?!




