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愛の弟もやっぱり変だ


激動の中間テストも終わり、平凡な日々が戻ってきた。


いや~良かった良かった~平均70点取れたから退学はどうにか免れた。これもすべて古泉先生のおかげだな。うん、感謝感謝。


『終わらなくて良かったな』


今回ばかりは天の声に賛同してやるよ。


まぁ~今回自分は良かったけど・・・


僕は教室内を見渡し誰も座っていない席を見つけた。


本当に退学させられたやつがいるからな~、去らば名も無きクラスメイト。


「ハイハイ、皆さん座って下さ~い」


名も無きクラスメイトに頭の中で別れを言っていると、古泉先生がやって来た。


古泉先生、あなたには本当に感謝していますよ、今度からなるべく子供扱いはしません。


「田中君、早く席に着いて下さい」


「あっすみません」


僕は慌てて席に座った。

・・・ちくしょ恥ずかしいな。


「えーと、早速ですが今日新しい友達が出来ま~す」


ん?転校生か?


「ハイ先生!それは女の子ですか!」


健太が興奮しながら手を上げ、先生に聞いていた。


少しは落ち着けよ健太。


「残念、男の子で~す」


「Nooooooooooooooooooooooooooooooo!」


古泉先生の言葉に、健太は泣きながら机を叩き絶叫していた。


あーやましい、静かにしとけよ。


「まぁ、実際に会ってみようかね。では、獄寺君入って来て~」


えっ獄寺?


「・・・」


入って来た転校生は、髪を金色に染めており左の頬に十字の傷痕があった。体型は僕と同じくらいで、えらい睨みを聞かせていた。


てかなんか僕の事見てるんだけど!


「えーと、獄寺勝(ごくでらしょう)君は、前の学校、第三高校で一年生ながら番長だったみたいです」


いやいや、何説明してるの先生!てか何で転校なんて認めたの!


「えー、転校を認めた理由は校長先生のタイプだったみたいです」


くだらねー理由で転校認めんなやー!


「・・・」


あれなんで僕に近寄って来るの?なんでなんで?


「お前、田中佑樹だな」


「・・・ハイそうです」


なんで僕の名前知ってるの!?まさか。


「ハッ姉貴が惚れた男に興味があったのだか、ただのモヤシじゃないか」


「勝、これ以上口開くと殺すよ?」


「姉貴、どこがいいんだこいつの」


やっぱり、この二人は姉弟だったか!


「あと、いい忘れていましたが、獄寺愛君とは双子の姉弟だそうです」


しかも双子かよ!


「勝、何勝手に転校してきてるの」


「姉貴の認めた男なら、さぞどれだけ屈強な男だと思ったんだかな、姉貴見る目ないな」


「ゆうバカにした罪で殺す!」


「俺を昔のままだと思うなよ!」


ここからは言葉で表すのが難しいぐらいの高度かつ激しい姉弟喧嘩が始まった。


どうやったら、周りの机や椅子が浮くんだよ!


「どうした姉貴こんなもんか!」


「ゆうをバカにした事後悔させてやる!」


さらに言葉で表すのが難しくなっていく。


「ギヤァァァーーーー」


遂には人が巻き込まれて飛ばされていった、まぁ飛んだのが健太だから別にいいけど。


「けっ喧嘩はやめてください!」


古泉先生が二人の間に割って入って行った。


てかすげーな古泉先生本当尊敬するわ。


「引っ込んでろ!チビ公!」


「誰だー!潤先生をバカにしたのは!」


げっさらに柊先生までやって来てしまったじゃないか!


「あん!おばさんは黙っとけ!」


ブチッ


あっヤバい、僕にでも何が切れたか分かってしまうぐらいヤバいぞこれは。


「・・・コロス」


「ハッ何言ってグハァァァァ!?」


柊先生の拳が的確に勝の頬にぶち当たり、そのまま教室の後ろに飛ばされていった。


うん、柊先生を怒らすのは絶対にやめよう。


「コロスコロスコロスコロスコロスコロス」


ヤバい柊先生の暴走が止まらない!このままでは学校がヤバいぞ!


『えっ遂に終わるの』


天の声は黙っとけや!


「柊先生落ち着いて下さい!」


「はい、落ち着いてますよ潤先生」


おっ古泉先生の一声で暴走が止まった。


「では、潤先生そろそろ授業が始まりますので失礼しますね。何かあったら私に言って下さいね」


「あっはい、分かりました」


柊先生はそう言うと教室から出ていった。


いや~まるで嵐のようだったな。


「・・・」


うお!いつのまにか勝が起きているじゃないか!しかも、柊先生が出ていったドアを見てるよ!


「・・・おい田中」


「なっなんだよ」


「あの人の名前はなんだ」


「・・・え?」


「俺の殴ったあの人の名前はなんだって聞いてんだよ!」


どっどうしたんだいったい!?


「ひっ柊先生だよ、それがどうしたんだよ」


「柊・・・さんか・・・惚れたぜ!」


「ハイ?」


何言ってんだこいつは。


「あんな凛々しくて強い人見たことない!早速告白してくるぜ!」


勝は頭が痛くなるような内容を叫びながら、ドアをぶち壊し教室を出ていった。


「・・・なぁ愛よ」


「なにかしら、ゆう」


「やっぱり、お前の弟だなホントに」


「あいつと一緒にしないでよ」


愛は心底嫌な顔をしながら席に戻って行った。


「あ~あ、男かよがっかりだよ」


いつの間にか復活している健太も、席に戻って行った。

もう、僕はお前には何も言わないよ。


「まぁ、元気な子なんで仲良くして下さいね」


いや~仲良くはなりたくないな。


ドカーン!!


近くの教室で何かがぶつかった音がした。

たぶん、柊先生が勝を殴ったんだな・・・


また変なヤツがやって来たよ・・・しかも愛の弟。


頼む、天の声よ次はまともなヤツを!


『だが!断る!』


もういいよ・・・


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