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無題3

作者: 相良洋之
掲載日:2026/01/29

 遠巻きに眺めていると、何重もの荒々しさが、竜巻のように激しくわだかまっている。しかし心は、そこにあるようで、ない。空虚さを、遠巻きに眺めている。落ち着かない不吉な塊が、広大な景色にどっかりと不安定なかたちで居座っている。目をつむると、その渦にのまれそうで、隠れることはできなかった。

 黄色い大地、黄色い大地、黄色い大地、黄色い大地。この土が輝いた日を遠く曇り空のさきに思い出す。遠さは、距離ではなかった。すれ違いの間で、回転しうねり、呑み込んで、不透明な靄をひたすらに吐き出している。この物騒な巨大さを、僕はつぶさに観察できるのに、何も得られはしないのだ。

 誰も覗くことのない凹凸の世界があるとすれば、そこにいるのは一人で、その人間の頭のなかにのみ、存在するのだ。遠さは距離ではない。時間だけが、不変のものに異なる顔を与える。栄転と暗転は表裏一体で、暗い雲の隙間に、明るい光が差すのと同じように、隣り合って境目を失ったものたちの不安定さのもとに立てる物事だ。

 風が遠くへと吹いて、こちらの視線を滑るように駆けていった。あとに残されたものが、いつまでも立ち尽くして、またしても眼差しが現れたとき、それは竜巻に吸い込まれていった。

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