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クロの秘密

夜の闇が部屋を満たし、ソラの静かな寝息だけが響いていた。

布団の隅で丸くなった黒い身体は、もはや“悪魔”の威容など欠片もない。

しかし、その金色の瞳の奥には、????年を超えて積み重ねた憎悪の影が潜んでいた。


クロはそっと瞳を閉じた。


低く、静かに脈打つ記憶の奥。

そこは、わたし――“本来のわたし”が存在していた世界。



――いつからだろう。

わたしが“異端”と呼ばれ始めたのは。


天使にも悪魔にも分類できぬ力。

祝福という形でしか表現できない、世界の法則そのものに触れる力。


わたしはただ世界を知りたかっただけ。

ただ、世界の可能性を見たかっただけ。


それなのに。


『おまえは危険すぎたのだ、???。』


あの9人は、同時に攻撃を放った。

9つの神性が空間を裂き、わたしの存在を削り取り、名前を奪い、魂を縛りつけた。


光と闇が混じり合い、世界の根が唸りを上げ、

わたしは砕け散る意識の中で、ただ一つだけ理解した。


“これは処刑ではない。恐怖による封印だ。”


――あの9人。

世界を守ると称し、わたしの力を恐れた臆病者たち。


わたしを封じれば、すべては終わると思ったのだろう。


だが違う。

わたしは消えない。

たとえ名前を奪い、力を削られ、姿を変えさせられてこのような猫の殻に押し込められようと――


復讐は、必ず果たす。



クロは目を開けた。

細い尻尾が、ゆっくりと左右に揺れた。


「……ソラ」


寝息を立てる少年の顔を見つめる。


わたしには、契約者が必要だった。

誰でもよかった。

ソラである必然性など、本来はどこにもない。


だが――


なぜ、この人間を選んだのだろう。


あの雨の日、泥まみれのわたしを抱え上げた時。

この弱くて、折れそうで、誰にも認められない人間の中に、

ひどく懐かしい、壊れない光が見えた。


……皮肉なものだ。


復讐のためだけに選んだはずの契約者に、

わたしの心がわずかに揺れている。


「わたしは話せない。

 封印がそうさせているからだ。

 だが……おまえが強くなれば、封印は少しずつ解ける」


囁いても届かない。

ソラは何も知らず、静かに眠っている。


その無防備な呼吸を確認し、クロはそっと目を閉じた。


(必ず取り戻す……わたしの力も、誇りも……そして復讐も)


それは決意というより、祈りに近かった。


だが黒猫の祈りは、天にも悪魔にも届くことはない。


わたしの復讐は、わたし自身の手で成し遂げる。

――???の名にかけて。


静かな夜に、クロの金色の瞳だけが、獰猛に光った

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