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第23章:千の鏡の未来
アセルムの言葉が消えた後、静寂が辺りを包んだ。
リオンは肩の荷が少し軽くなった気がしたが、それでも心の奥底には重責があった。
「神の声は届いた……だが、これからが本当の始まりだ」
ユノが鍵を握りしめながら言う。
「再生を選ぶなら、壊れた世界の傷跡を癒さなければならない」
フィアは遠くを見つめてつぶやいた。
「眠りから覚めた神の声が、どんな未来を紡ぐのか……」
リオンは胸に手を当てた。黒き鍵はかすかに温かい。
「俺たちの旅は終わらない。新しい物語が、今、始まるんだ」
山間の風がそっと吹き抜け、彼らの周囲に柔らかな光をもたらした。
世界はまだ壊れたままかもしれない。だが、そこには確かな希望があった。