第22章:神との対話
巨大な目がじっとリオンたちを見据える。
そこから響く声は、まるで風のように穏やかでありながら、魂の奥底まで届く重みを持っていた。
「我が名はアセルム、眠れる神。お前たちが我が封印を解いたのだな」
リオンは緊張しつつも毅然と答えた。
「アセルム、あなたはなぜ眠りについたのか?そして今、何を望むのか?」
神の目がゆっくりと光を変える。
「私は世界の均衡を守るため、永き眠りについた。しかし、その均衡は今、崩れようとしている。お前たちの時代は変わるだろう」
フィアがそっと言葉を添えた。
「変わるということは、未来が不安定になるということですか?」
「そうとも言えよう。しかし、変化なくして成長はない。選択こそが世界の本質だ」
ユノが鋭く問いかける。
「我々に何を望む? この鍵の役割は?」
「鍵は、試練の象徴だ。お前たちはそれを手にし、未来を選ぶ力を持つ。だが、選択は重い。破壊か再生か、世界の行く末はお前たち次第だ」
リオンは決意を込めて言った。
「ならば我らは、再生を選ぶ。破壊ではなく、未来を築くために」
アセルムの目が一瞬輝き、空間に柔らかな光が満ちる。
「その覚悟、忘れるな。神の声は常に響き続ける」
神との対話は終わり、リオンたちは新たな未来への道を歩み出すのだった。