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黒の残響  作者: マンガン&ChatGPT
第3部:眠れる神と千の鏡
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第16章:記憶の奈落

意識が戻ったとき、リオンは地に伏していた。大地は黒く、空はない。音が消え、色も褪せている。まるで“記憶の裏側”のような場所だった。


「……ここは……?」


「生きてるみたいね。よかった」ユノの声がすぐ隣から聞こえる。


彼女も目を覚まし、フィアを胸に抱えていた。だがフィアは、眠っているのか、まるで意識がなかった。


「鏡に引きずり込まれて……ここは、どこ?」


その問いに、誰かが答えた。


「ここは記憶の奈落。“鏡の下層”。忘れ去られたすべての記憶が堆積する、世界の盲点」


声の主は、前方の影――フードの男だった。

「お前たちはまだ“神の断片”に触れていない。だが近い。だから呼ばれた」


リオンは睨むように問いかけた。


「神って……誰のことだ。何の目的で俺たちをここに?」


ユゥ=リは静かに右手を差し出す。その手の中に浮かぶのは、かつてリオンが受け取った黒き鍵の断片によく似たもの――だがそれは、砕けた鏡片だった。


「“神”は鏡の底に封じられた。記憶を喰らい、意志を映さず、ただ眠り続ける。

 そして、お前は――その封印を開くための“選ばれざる継承者”だ」


雷のような衝撃がリオンを貫く。


「選ばれ……ざる?」


「そう。お前は選ばれなかった。だが、それでもここまで来た。だからこそ、神は目を覚まそうとしている」


そのとき、フィアがゆっくりと目を開いた。

瞳が光り、低く、震えるような声がリオンの胸に響く。


「……“眠れる神”が……呼んでる……」

次の瞬間、空間が裂け、真下から無数の鏡片と黒い腕が飛び出した。


「来るぞ!」ユゥ=リが叫ぶ。


リオンはとっさにフィアを抱き、ユノと背中を合わせた。


奈落の闇が彼らを飲み込む――その中心に、巨大な“目”が浮かび上がっていた。


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