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7.呼び出しをくらう



次の日の昼休みのこと。

食堂で日替わりランチの列に並んでいたところに、第五学年の魔法科の面々が現れた。


「ネモ、あれ第五学年の。」


キアラが彼らのほうを見て目で合図する。

キアラの視線の先を見ると、その面々の中に昨日会ったラース先輩がいたので軽く会釈をする。

あ、手で挨拶返してくれた。


「ねえ、エンデ先輩って、どれ?」

キアラがこっそりと聞いてくる。

キアラは外部進学組のため、エンデ先輩については私からの情報以外何もしらない。


「えーと、あの短い黒髪で、制服を着崩してる人。」

「へえ、イケメンじゃない。」


あ、彼と目が合ってしまった。


「なんか彼めっちゃこっち見てない?」


目が合ったエンデ先輩と私だが、互いに視線を逸らすことができず、距離があるのに謎に見つめ合う。


しかし、彼はラース先輩に引っ張られて奥のテーブルに行ってしまった。

なんだったんだ今の。





そしてその日の放課後、彼は第一学年の教室に突如現れた。



「おい、ネモ!先輩がおまえのこと呼んでるぞ!」



帰り支度をしているところで、クラスメートが呼びかけてきた。

まだ教室にはほぼ全員が残っているため、いきなりの呼び出しに皆の視線が私に注目する。


おいおい誰が何の用なんだと思いつつ、荷物を持って慌てて廊下に出ると、そこには昼休みに見たばかりのエンデ先輩がいた。


「…今日この後時間あるか?」


彼は開口一番にツラを貸せと言ってきた。

謝ってくれてたのに、昨日のお礼参りでもするつもりだろうか。


「ええと、課題をしなくてはならないので…」


望んでボコられる気はないので、予定は無かったが課題を盾にやんわりお断りをする。


「手伝ってやるから、一緒に来てくれ。」


そう言って私の手首を掴んでずんずんと歩き出した。


教室からは私たちが会話を終えた途端、お祭り騒ぎのように囃子立てる声がする。


いや、全然そういうワクワクするようなものじゃないんだけどな…


どちらかというと、今から何をされるんだとゾクゾクしながら、黙って彼に付いていった。





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