第玖話 -終救転害-
Q白髪の少女?
A中学生位の歳(和葉目線)で、白髪、赤と白のオッドアイの目を持つ少女。何故か如何神教と魔術協会に付け狙われているようです。
時刻は大体2時頃になった頃。ガラガラの馬車の中で3人で休息を取っていた。
和葉:「んで…君の話を聞きたいんだけどいいか?」
白髪の少女:「…!……?…!」
白髪の少女は身振り手振りで伝えようとしてくる。なんかここまで来ると怯えてるとかじゃ無さそうな…?
和葉:「もしかして…喋れないのか?」
白髪の少女:「……」フルフル
首を横に振っているので恐らく違うのだろう
和葉:「なんか喋れない事情があったりする…?」
白髪の少女:「……」フルフル
違う…
和葉:「喋りたくない…?」
白髪の少女「……」コクコク
頷いてはくれたけど…表情から察するに正確には違うっぽいか。まぁ今追求する必要も無いだろう
白髪の少女:「…!」グッ
和葉:「…?」
白髪の少女が手を引っ張って僕の手に何かを指でなぞっている。うーんと…ノ…?ワー…ル?
ノワール?
和葉:「ノワール?なんだろう?」
ロリス:「ふぅむ…名前じゃないのか?」
ノワール:「…!!」コクコク
和葉:「ノワールって言うのか。そういやまだ自己紹介もしてなかったな。僕の名前は和葉だ。よろしくな」
ロリス:「儂の名前はロリスじゃ。よろしくの」
ノワール:「…」ペコ
とりあえず自己紹介も済んだことだし…どうしたもんかなこの子。出来るなら家に返してあげたいけど…また如何神教や魔術協会に狙われたら本末転倒だしな…
和葉:「ノワール。自分の名前以外に知ってる事とかあったりしないか?自分の家の場所とか…」
見た所まだ中学生くらいだし親御さんが心配してると思うんだが…
ノワール:「…」フルフル
和葉:「わかんないのか…行くアテはあったりは…しないよな」
和葉:「一人ぼっちで行く場所もない。か…」
和葉:「なぁノワール。僕らと一緒に来るか?」
ノワール:「…!」コクコク
和葉:「そっか。じゃあ改めてよろしくな」
まぁヴァルスタさんなら分かってくれるだろ…とりあえずは匿ってあげなくちゃな。1人はあんまりだ
ロリス:「てゆーか主、あの魔術協会とやらはなんなんじゃ?魔術とかいうよく分からんもんも使ってきおったしのぅ」
和葉:「あぁ、これはヴァルスタさんから聞いた情報なんだけどな。なんでも魔物とかから魔力を奪ってそれを魔術という神秘にして打ち出す…とかいう技術らしい。第二次人魔大戦の時に開発されたらしいけど…あんまりいい技術では無いらしいな。」
ロリス:「まぁそうじゃろうなぁ…ファルダルクスの時と比べたら幼体の儂一人で対応出来るレベルじゃし」
和葉:「うん。運用するのは難しいし遺勿よりも実用性は低いしで魔術協会の奴ら以外に使ってるやつは滅多に見ないな。」
しかし魔術協会と如何神教が組んでるのか…なんかきな臭いな。あとで皆に報告するべきだろう。
ノワール:「……」グウゥ~
静かな馬車の中にノワールの腹の音が響く。ノワール恥ずかしそうに顔を伏せてしまった。
和葉:「…そういや僕らも昼飯食べてなかったな。そろそろ町に着きそうだし飯でも食うか」
ロリス:「そうじゃのぅ!儂も腹が減ったわい」
ノワール:「…!」
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運転手:「じゃ、気ぃつけてな!」
ガタンガタンと音を鳴らしながら馬車は走り去っていく。
和葉:「さて、どこの店に入ろうかな?」
ロリス:「和食がいいのぅ」
和葉:「和食か…あるのかなぁここら辺。あそこは大きめの街だったから色々あったけど、そもそもこの国は基本洋食なんだよな。」
ロリス:「ふぅむ?そうなのか?」
和葉:「和食の発祥はクスノワだからな。こっちじゃ馴染みがない人も多いと思うぜ」
ノワール:「…」グッ
ノワールが袖を引っ張り、何かを訴えかけてくる。
和葉:「あぁ、ごめんごめん。とりあえずどっか探そうか」
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和葉:「いただきまーす!」
ロリス:「いただくのじゃ」
ノワール:「……」ペコ
てなわけでとりあえず飲食店に入ったわけだけど、この後どこに行こうかな?旅館の場所は…確か次の町の外れ辺りだから、そのまま旅館に直行してもいいけど…
ロリス:「うむ。美味い美味い」モグモグ
ノワール:「……!」モグモグモッモッ
和葉:「めっちゃ食べるな、お前たち…」
あの小さい体のどこにあんな量仕舞えるんだ…?
ロリス:「お代わりー!」
店員:「はーい!喜んでー!」
和葉:「まだ食うのか…」
会計が恐ろしいや…まぁ沢山食べるのはいいことか…にしても食べ過ぎだけど。もう既に30人前くらい食ってるぞ
ノワール:「…」モグモグ‥
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和葉:「ふぅ……よし。腹ごしらえも済んだ事だし、そこら辺見て回るとするか」
何かあるか?と言われても何も無いんだけどさ。あそこ程この町はデカくは無いし。
ロリス:「お!そこの店とかいいのではないか!?」
和葉:「ん?じゃあそこにいってみるか」
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一方その頃
アマリスマクア郊外。とある屋敷にて
??:「ただいま戻りました。」
??:「ぬ?おやおや。存外早かったなぁ?なんばぁないん?」
ねっとりとした優しい声が響く
??「はい。単刀直入に言いますと、やはり例の件は真実のようです」
??:「ほんまかいなぁ?ついにこの時が来てしもうたか…うちも腹を括らななぁ…」
??:「わかった。ほんなら、ほかのみんなにも伝えとくわぁ~」
??:「よろしくお願い致します。では私はこれで。」
??「はぁい。無事に帰ってくるんよ?あんた1人の命やないんやからなぁ?」
??:「それはよく理解しているつもりです。」
??:「では」
そう言い残し屋敷を後にする。名残惜しいがこれも仕事だ。
現状私がやるべきことは情報収集だろう。情報が足りない。いざとなれば何でも屋を頼るのも視野に入れておかなくてはいけない。
??:「しかし…奴らの素性が分からない限りねぇ…」
安易に頼るのは危険だと言える。奴ら何でも屋の戦力、居所、共に不明である以上安易に頼るのは危険だろうし。情報の対価に情報を求めるというのも胡散臭い。どうしたものかなぁ…
??:「まぁ…なんとかなるか!……なるのかなぁ…」
心配が尽きない私であった。
さてさて…そろそろ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎について語るべきかな?ちょうど物語の起承転結の「起」が終わったのだから。と言っても彼女には記憶も何も無いのだけどね。僕が語れるのはほんのひと握りだけさ。それも憶測にすぎないんだけど。
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HO2 ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
貴方はほとんどの記憶を失っている。覚えているのは自分が力を失っているということだけだろう。あなたの目的は失われた記憶を全てかき集めることだろう。
やっ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎す⬛︎⬛︎⬛︎できた。貴方は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎打⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎界⬛︎⬛︎っ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎が、⬛︎⬛︎⬛︎力⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎纏⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎片⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。貴⬛︎⬛︎⬛︎憶⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎図⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。これは貴方の絶対的な使命である。