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永遠の貴方へ  作者: 弾幕颯哉
第一章〜始まり〜
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第伍話-スラッシュ!-

Qこのチームに名前とかないの?

A他称では「イロナシ」と言われてます。本人達は名乗りこそしませんが。

朝。爽やかな朝日を受け、今日も目覚める。

ただ、他のメンバーは、紅蓮さんを除いて、みんな出払ってしまっているけれど。時計を見ると、時刻は9時を指していた。


和葉:「おーい、ロリス〜?朝だぞ〜目ぇ覚ませ」

ロリス:「うぅ〜嫌じゃ!嫌じゃ!儂はまだ寝るんじゃ!」

和葉:「残念ながらお前に拒否権は無いぞ。強制連行だ。」


そう言って僕はロリスを持ち上げる。


ロリス:「ぎゃー!止めんか!人の心が無いのかお主は!」

和葉:「ない。集合は12時だからな。早く支度して行くぞ」

ロリス:「うぅ…悪魔!鬼!魔族!鬼畜!」

和葉:「そんな事を言う子には朝ご飯はないぞ。」

ロリス:「何じゃ、それを早く言わんか。早う連れてゆけ」


飯って単語出した瞬間態度が激変しやがったぞこいつ。


和葉:「はいはい。パンと米どっちがいい?」

ロリス:「米がいいのぅ」


とか何とか言いながら、朝食を作る。白米と、目玉焼き、それと魚の切り身のシンプルなやつ。


ロリス:「おお〜意外じゃのぅ、お主料理出来たのか」

和葉:「簡単なのだけな。昨日のスープとかも僕のお手製だぜ?」

ロリス:「ふぉむ、ほうなのふぁ」モグモグ

和葉:「食いながら喋るなよ…」


やっぱ、吸い込んでるよな?アレ…てかこの光景傍から見たら異様過ぎるよなぁ…刀に話しかけてる変質者そのものだもん。


和葉:「まいっか…いただきます」モグモグ


軽く朝食を済ませ、時刻は9時30分を指していた。


着替えて外に出る。紅蓮さんは現地の調査とかで、僕らよりも早く出ていたらしい。


和葉:「てかお前、ほんとに目立つよな」


刀身だけで2mはありそうだ。僕よりも大きい。


ロリス:「仕方がないのぅ…縮んでやろうか?」

和葉:「えっ、そんな事できんの?」

ロリス:「うむ。やったことは無いけどいけるじゃろ、多分。」ガチャン!


たちまち、ロリスが縮んでいく。刀身と鞘は1m程に縮んでしまい、持ち柄も先程までの2分の1程になった。ただ鍔の大きさだけは変わらなかったけど。


和葉:「おぉ〜こんなこと出来るんだ…」

ロリス:「まぁの。因みに50%縮んだからパワーも50%下がっておるぞ。リーチも短くなった。」

和葉:「あ、そうなのか。縮んだから濃縮されたもんかと思ったけど」

ロリス:「そんな都合のいい事もあるまいて…これはあくまで無理やり縮めてるだけじゃからな」

和葉:「まぁそれもそうか……っと、ロリス。そろそろ着きそうだぞ」


到着したのはスルカトニアの中心地スルカトブル。

クレニアの様に、ビルや電車などの、発展の象徴のようなものこそ無いが、のどかでいい街だと思う。

でも何だかいつもに増して騒がしいような…?


和葉:「えーっと…多分…ここかな…?」


裏路地や地下道を通った先に、まるで人の気配がしない酒場が現れた。

ロリス:「随分奥まった場所にあるんじゃの」

和葉:「ね。何か聞かれたらまずい話でもするのかな…?」

なんて事を話しながら店の中へ入っていく。


紅蓮:「ん。来たかい。それじゃ話をしようか」

和葉:「構いませんけど、こんなとこで話すってことはやっぱり遺勿関連ですか?」

紅蓮:「せいかーい!聞かれちゃまずいからねぇ」

紅蓮:「簡潔に伝えると、恐らくロリスちゃんの力の1部だと思われるのが見つかった。」

ロリス:「む!本当か?そいつは何処にあるんじゃ?」

紅蓮:「場所についてはまだ分かっていないんだ…恐らくだが…またもや如何神教の奴ららしい。しかも魔物と手を組んでるようだ。」

和葉:「ー!?魔物と人間が?そんな事があるんですか?」

紅蓮:「本来は無いはずだ。人間と魔物は元来啀(いが)み合い、殺し合うはずだからね。どうやら何かしらの手段を使って魔物を従えているらしい。現場ではロリスちゃんと同じ色合いの扇を扱う人間もいたらしい。」

ロリス:「十中八九儂の力の影響じゃろな。となると目標はその扇か」

紅蓮:「うん。ただ行くあてもないもんだから共に情報収集と行こうじゃないか」

和葉:「分かりました。それじゃ早速行きますか!」

紅蓮:「うん。……ところでロリスちゃん縮まなかった?」

和葉:「縮みましたね。1mほど。その代わり出力が下がっちゃった見たいですけど。」

紅蓮:「ますます興味深いね」


とりあえず情報収集になったのだが、どうしようか…民間人に聞いてみるか、あとは情報屋に行ってみようかな


町人A「あぁ、如何神教のやつらか?アイツらにゃ困ったもんだよほんと。店を荒らしたり、どうやってんのかは知らんが魔物を従えてやがるしな。」

和葉:「それ以外に何か事件とかってありました?」

町人A「いやぁ…俺はあんま知らんね。本当迷惑だから早く誰か対応してくれるといいがねぇ」

和葉:「なるほど。ありがとうございます」

町人A「構わんよ。ただ如何神教の奴らに関わる気なら気いつけるんだぞ!」


うぅ〜んやっぱり情報屋を頼るべきか。でもなぁ〜あの人嫌いなんだよなぁ…しのごの言ってられないか…。仕方ない。まぁ情報はある。番号は確か…


プルルルル‥プルルルル‥プルルルル‥ガチャ


情報屋:「ハァイ!こちら何でも屋、情報担当カズマでぇす!合言葉は!?」

和葉:「インフォチェンジング」

カズマ:「オーケーオーケー。で、何が欲しいんだい?和葉クン?」


げっ…バレてる


和葉:「如何神教が持っている魔物を操る扇の場所と概要について聞きたい。」

カズマ:「あぁ〜!あれね!いやぁ良いとこに来たね和葉クン!さっき情報が入ったばかりさ!で、対価は持ってきたんだろうね?」

和葉:「やっぱり金じゃ駄目だよな?」

カズマ:「駄目だね。金じゃ知的好奇心は満たせないだろ」

和葉:「わかった…喋る遺勿について知ってるか?」

カズマ:「……知らないねぇ…その情報かい?」

和葉:「あぁ。どうだ?」

カズマ:「良いね。話してくれ」

和葉:「今僕が持ってるロリスという名の遺勿なんだが、喋る、食べる、戦える。んで、力と記憶を失っているらしい。世界中に散らばってしまったとか。時期は…ロリス、時期はいつ頃だ?」

ロリス:「50年ほど前じゃ」

和葉:「50年ほど前らしい」

カズマ:「50年前……ンン!待ってくれ。へぇ…だからか…そういうねぇ、いやぁ!面白い!実に面白い!成程ね!そうなるとこいつの裏付けにもなる!!」


電話の向こう側からものすごい勢いでページをめくる音が聞こえる…


カズマ:「…おっと、テンションが上がりすぎてしまったようだ。えっと扇の話だったねそいつは現在如何神教の神官であるファルダルクスという男が所持しているらしい。神力と魔力を同時に発している有り得ない遺勿との事だ。場所はここら辺。教えられるのはここまでかな。」


携帯に画像が送られてくる。逆探知か…いつの間に…


和葉:「助かる。じゃあ」

カズマ:「はぁい!またのご利用お待ちしておりまぁす!」


ガチャ


和葉:「はぁ…やっぱ苦手だな…あの人」

ロリス:「お疲れ様さまじゃ。早速紅蓮に連絡したらどうじゃ?」

和葉:「それもそうだね。」プルルルル

紅蓮:「はいはいどう?和葉くん情報はあつまった?」

和葉:「はい。確かな場所と情報が手に入りました」

紅蓮:「その様子だと情報屋を使ったんだね?」

和葉:「えぇ。疲れました。」

紅蓮:「ははっまぁ君は嫌いなタイプだよね。じゃあ現場で落ち合おう」


ガチャ


和葉:「よしっロリス、行こうぜ」

ロリス:「りょーかいじゃ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


和葉:「マップに記された通りなら…うん間違いない。ここが神官がいる如何神教の支部みたいだ。」

紅蓮:「だね。見張りやら兵器やらが多いな…物騒だね私が一掃しようか?」

ロリス:「いやその必要は無い。主よ、儂を使え」

和葉:「えぇ!?僕刀なんて振るったことなんてないんだけど…」

ロリス:「む。言い方が悪かったか。主、儂に使われろ」


そうロリスが言った瞬間刀の鞘が勝手に抜かれ僕は構えを取らされていた。


和葉:「まてまてまて!ちょっ!どうなってるんだ!?」

紅蓮:「へぇ…自我があるとそういうことも出来るんだ」

和葉:「勝手に納得しないで助けてくださいよ!」

紅蓮:「頑張れ〜」

和葉:「んな殺生な!」

ロリス:「主よ!3、2、1で行くぞ!」

和葉:「えっ、ちょっまっ

ロリス:「3…2…GO!!!!」ダッ

和葉:「1どこ行ったんだよ!」

見張りA「…?なんかこっちに走ってきてないか?」

見張りB「本当だ。やい!そこの人間!とまー」


ロリス:「喰らえ!えーっと…あれ。なんだったかな」

和葉:「ちょっと!?」

ロリス:「ま、いいや。喰らえ!スラーッシュ!」

和葉:「安直!」


ザシュザシュ…スパーン!!


ロリス:「ふぅん…楽勝楽勝」


ん?あれ?あんな派手に斬った筈なのに意外と傷跡が浅いな?


ロリス:「ん?あぁ傷跡が気になるのか?これは魔力と生命力を奪っただけじゃ。儂は無駄な殺生はしないぞ、今のところはな」

和葉:「そうなのか…強いんだな…お前。ほんとに力失ってるのか?」

ロリス:「うん。全盛期はもっと凄かったはずじゃ。多分」

紅蓮:「はぁ…はぁ…速いよあなた達…警報も鳴っちゃってるし…」


先程まで興奮で聞こえていなかったが、今気づくと煩いほど警報が鳴り響いていた。とりあえず中に入り込もう。


和葉:「だったらあの時止めてくれれば良かったじゃないですか!」

紅蓮:「えぇ〜巻き込まれたくなかったしぃ?」

和葉:「薄情者!」

ロリス:「主!応援じゃ!斬るぞ〜!」

和葉:「まじか!紅蓮さんもお願いしますね!」

紅蓮:「りょーかい。2分程お待ち」


そういうとかなり大きい、青と白、二対の刀を取りだした。

教員「居たぞ!捕らえろ!殺してもかまわん!」


ダンダンダン

カンカンカンカン


ザシュ!ザシュ!スパパーン!


和葉:「銃弾を弾くとは…とんでもない反射神経だな…」


ロリス:「スラッシュ!スラッシュ!スラーーッシュ!」

和葉:「なぁロリス、なんか…こう他に技とか無いのか?」

ロリス:「しらん!忘れた!」


そういや記憶喪失だったな、こいつ。なんか自然過ぎて忘れてた。


紅蓮:「準備完了!二対蒼天!霧音断(きりねだち)!」


カーーーーーン……スパァーーン!


和葉:「いつ見てもすごいな、紅蓮さんの遺勿は!」

ロリス:「かっこいいのぅ!儂も技名考えようかな…」

紅蓮:「さぁさ、先に進もう!例の神官が何処かにいるはずだ!」


ザシュザシュ カーーーン! スパパパーーーーン!


紅蓮:「にしても妙だね?雑魚しかいない。油断というより…なにか別のー」


ドガァァァン


大型の魔物「ウガ…ァ…ガァァァ!!」



和葉:「ー!!魔物です!それも大型の!」

紅蓮:「成程!だから雑魚の人間しか居ないのか。魔物に警備させていたから!」ジャキン

ロリス:「主!構えい!ちと骨が折れそうじゃ、やるぞ!」

和葉:「なんか僕がやることあるか!?」

ロリス:「お主が力を上手く使わねば100%の力は出せぬ。ていうかお主と儂合わせて200%は出ないと可笑しいからな!」

紅蓮:「話してる場合か!私が殺る!時間を稼いでくれ!」

和葉:「わ、分かった!行こう!」

魔物:「ヴ、ウガァァ…」

ロリス:「…?なんじゃ?お主苦しんでおるのか?」

和葉:「ロリス!油断するー


ドガァァァン!


和葉:「ー!痛っっ…たぁ!」


モロに食らっちまった…!骨は折れちゃいないか…


ロリス:「ー!すまぬ、主…」

和葉:「いいから!やるぞ!紅蓮さんの遺勿発動まで後1分位のはずだ!」

ロリス:「分かった。すまぬ魔物よ。せめて安らかに…」


スパーン!カンカンカン!


ロリス:「来るぞ!受け流せ!」

和葉:「やるだけやってみる!」


スパッ…ドガァァァン


真横の瓦礫が粉々に…おっそろしいな…


紅蓮:「準備完了!下がって!」

紅蓮:「二対蒼天!霧ね


ガンッ!ドガァン!


和葉:「紅蓮さん!?」

紅蓮:「ぐはっ!?だ…誰だ!?」

??:「ククッいやはや隙が大き過ぎるのでは?ここは敵陣ですよ」


声のする方向を向くと白い衣装に身を包んだ慎ましい初老の男が現れた。


紅蓮:「ケホッ…成程…親玉登場って訳だ」

ファルダルクス:「ご名答!私の名前はファルダルクス。この如何神教の神官、兼支部長をしております。」

和葉:「こいつがターゲットか…」

ファルダルクス:「大体貴方達の狙いは分かってますよ。この遺勿でしょう?」


ファルダルクスの手にはロリスと酷似した黒い扇が握られていた。


和葉:「あぁそうだよ。返してくれるか?そいつは僕の友達のものなんだが」

ファルダルクス:「馬鹿ですねぇ…返すと思います?」

和葉:「返させるまでだ。」

ロリス:「主よ、油断するな。遺勿もそうだが、本体も只者じゃあ無さそうじゃ」

和葉:「分かってる。…行くぞ!」


次回!vsファルダルクス!

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