表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の貴方へ  作者: 弾幕颯哉
第2章~神の名を冠する者~
17/24

第拾漆話-神、その弐-

Qマルーン?

A金色の目に、赤っぽい髪。身長約175cm


和葉?:「ああン?」


何処だァ?…あぁ成程なァ…あの生意気な子供の身体って訳か。


和葉?:「通りで身体が重ぇ訳だわ」


人間の身体ってこんなんなのかァ…ま、あんま変わんな…


和葉:「ああン?腕がもげてんじゃあねぇの。しかもついさっきみてぇだなァ…生やすか」


メキメキ、メリメリと音を立て和葉の腕が再生される。まるで録音済みのCDを再生したかのように、前と変わらぬ姿に


マルーン:「…!?おいおい…どうなってやがるんだ…?」


マルーン:「(いきなり金髪になったかと思いきや腕が再生しやがった…!?)」


ロリス:「おい!主か?お主は主で合っておるのか!?」

和葉?:「ああン?違ぇよ。(オレ)はただコイツの身体を使ってやってるだけだっての。あン?お前…」


この刀…


和葉?:「ああン!?そういう事かよ?こりゃ四の五の言ってられねぇかもなァ…」


だとすりゃあ…敵はアイツかァ…?


和葉?:「そこの赤髪だなァ?コイツの腕を盗ったのは」


マルーン:「(何だ…!?この圧倒感は?まるで色付きを相手してるみてぇだ…!だが!)」


マルーン:「舐めんじゃねぇ…お、俺の遺勿効果は力の吸収だ!この結界内の生物全ての魔力や妖力、神力までをも吸収する!テメェの力!全て貰い受けるぞ!」


パリーーーン……


マルーン:「え…?あ?」

和葉?:「あン?なんか言ったか?」


マルーン:「(なんで、結界が…?もしかして…力の許容量を超えちまったとでも…?)」


和葉?:「そんじゃ、死んでもらうぜぃ。(オレ)の出番はここじゃあねぇん、ゴファ!?」


なんだこりゃあ?血液…?


和葉?:「成程…まァ人の子の肉体だしなァ…流石にか。まァ良いか、意外な収穫をあったし…な。それじゃあまたな(オレ)

和葉:「ゴフッ!?」


何だ?なんで僕は血を吐いてる?それに腕も…治ってる?本当にどうなっちゃってるんだ?


和葉:「目の前が歪んでる…うわぁ…気持ちわりぃ…」


クラクラする…いや、そんな場合じゃあ無いんだった。あいつは、マルーンの野郎はまだ生きている。立たなければ…


ロリス:「主よ、今は安静にしておけ。恐らくあやつの神力が体内に残留しておるのじゃろう。動いたら死ぬぞ」

和葉:「でも…」

ロリス:「安心せい。魔力も戻ってきたから戦える。恐らくあの結界が悪さしておったんじゃろうよ」

和葉:「…そっか」


じゃあ…まぁ、少しだけ…眠ろうかな…


ドサッ


ロリス:「ゆっくりと眠っておるがいい。我が主よ」


ーーーーー


さて、どうしたものかのぅ…どうしたかと言っても選択肢は目の前のマルーンとやらを殺すしかないじゃろうなぁ…主を抱えて逃げるというのも現実的ではないし


マルーン:「はぁ…はぁ…」


マルーン:「(どうやらあの金髪状態は長くは続かないようだな。さて、どうするべきか…あれがまたいつ来るかも分からねぇ…逃げるが吉だが…)」


マルーン:「逃げる訳にゃあいかんよなぁ…!」


マルーン:「(ここで逃がしちゃあな…何人死ぬかも分からん。竜帝に閻魔がぜってぇ駆けつけてこない貴重な機会だぜ?ヒヨんじゃねぇよ!俺!)」



ロリス:「……顕現(ボディーフォース)


神力で仮初の肉体を創り出す。…この体躯じゃ刀が持ちにくいのぅ


マルーン:「(…さっきオレに蹴り入れたガキか…?どっから出てきやがった…?まぁいい)」


マルーン:「(はん)

ロリス:「ー!!」


カァン!!


背後より来る斬撃を弾き飛ばす。恐らく何かしらの遺勿を隠し持っておったのじゃろう


マルーン:「…チッ」

ロリス:「幼子を背後から狙うとはのぅ…プライドとかないのか?」

マルーン:「何が幼子だバケモンめ」


さて、詰めるべきか、もう少し様子を見てみるか…


マルーン:「俺の2つ目、お前に斬撃を飛ばした遺勿の名は斬鏡(ざんきょう)だ。効果は鏡に写った対象に自由に斬撃を飛ばす事が出来る。こいつにゃ水面も適用される。さっきは血に写ったお前を斬ろうとしたのさ」


…?ハッタリか?何故それを開け晒す?


マルーン:「これを踏まえてもう一度…」

マルーン:「(はん)


ザシュッ!


ロリス:「!?」


先程と同じように斬撃を弾き返す…が、刀の方が弾かれる。


ロリス:「なんじゃ…?明らかに重みが違う…?」

マルーン:「知らねぇのか?意外だな」


原因はなんじゃ…?あの遺勿の効力を話してからおかしくなったことを考えると…能力の詳細を話すことで火力が上がった…?…駄目じゃな。分からんことが多すぎる


ロリス:「とりあえずは…詰める!」


カァン!


刀を構え、思い切り良く振りかぶる。が、マルーンの遺勿はそれを流す


マルーン:「くっ、一応は上等な遺勿なんだがな…開示までして防ぎきれねぇか」


あやつの言っておる事が真であるならば、例の斬撃の発生源は見渡す限り…うむ。主が吐血した時に出来た血溜まりだけのようじゃな


ロリス:「無問題(もうまんたい)!このまま斬り伏せる!」

マルーン:「ちぃっ!もう防ぐ術はねぇ!くっ!やめろぉ!こっちに来んじゃねぇ!殺さないでくれぇ!」


背後に警戒しながらマルーンの方へ一直線に詰め寄る。が、それが良くなかった。背後を警戒する余り前方を細部まで見る事が出来ていなかった。


マルーン:「なんちゃって」

ロリス:「ー!?」


あれは…ペットボトル…?中身は水のようじゃが…ん?水?…ハッ!?不味い!奴の遺勿は鏡からの斬撃!


マルーン:「気付いたか!そう!当然水滴にもお前の姿は写るんだよ!」


ペットボトルの水をぶちまけ、宙に水滴を舞わせる


マルーン:「その水滴一つ一つから刃が降り注ぐ!」

マルーン:「乱反射(らんはんしゃ)ァ!」

ロリス:「…!不味い」


大量の光の斬撃がガラスのように透き通った音を立てロリスに降り注ぐ。


ブオン!


マルーン:「ー!!っとあっぶねえな。アイツ最期に刀ぶん投げやがったな…?ったく道連れにする気かよ」


ザクリ、と音を立て地面に刀が突き刺さる


マルーン:「さて、もういいかな。細切れになった死体なんて見たくはねぇが、一応…」


マルーンが斬撃をしこたま浴びせた場所へと目を見やる。そこには斬撃により崩れた地面があった。そう、地面だけが。


マルーン:「ー!?アイツは何処へ!?」

ロリス:「ククッ…あえてこう言うとするかのぅ」

ロリス:「なんちゃって」


ザクッ!


ロリスの刀がマルーンの胸元に深く、突き刺さり、そしてマルーンの体を貫通する。


マルーン:「なぜ…後ろ…に…?ゴハッ…」


ロリスが刀を抜くと同時にマルーンの口から大量の血が溢れ出す。


ロリス:「なぁに簡単なトリックじゃよ。お主の背後に突き刺さった刀に潜んで、油断するまで待っておっただけじゃ」

マルーン:「そうかよ…クソッタレ…死因くらい…知ってから死にたかったもんでな」


ドサッ…


ロリス:「死んだか…。とりあえずこの場を離れなくてはならんな。ううむ…主と…青髪も連れていかなくてはな。ノワールと2人で抱えきれるじゃろうか…」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


アイツらはもう行ったみたいだな…。死んだフリも案外通じるもんだな…クソッ、それにしても短ぇ人生だったぜ…あぁ…ちったぁ恩を返せたら良かったな…

あぁいや、まだダメだ。最期くらい役に立たなくちゃな…正義の名が廃れるってもんだろうがよ…!


プルルルルル…プルルルルル…ガチャ


??:「こちら統制機関シキサイ、要注意団体対策課。バーミリオンです。御用件をどうぞ」

マルーン:「た、いちょ、こちらマルーン… 」

バーミリオン:「マルーンか?どうした?イロナシの討伐に向かったのでは?」

マルーン:「ヘマ…しちまった…もう俺は死ぬ」

バーミリオン:「…そうか。分かった…念の為聞くが…どうやってもダメか」

マルーン:「あぁ…ゴフッ!最期に…伝えなきゃ…な

んね…イロナシに…黒髪の…ゴハッ!それ…と2mくれぇの刀持ったガキだ…カハッ…」


も…駄目だ、声が出ねぇや…


バーミリオン:「よく頑張ったな。お前の骨は必ず拾うと約束する。…せめて安らかに眠ってくれ」


…………………


ーーーーーーーーーーーーーー

という事で第拾漆話でした!またまた投稿に間が空いてしまいましたね…いったい完結が何時になるやら…さてさてそれは置いておきましてね、今回は心情描写多めになったのですが、私的にこっちの方がやり易いのでこのスタイルが多くなるかもしれませんし、ならないかもしれません。ではではー!また第拾捌話でお会いしましょーう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ