第拾伍話-転調-
Qヴァルスタ?
A身長2m10cm、黒目、カメリア色(赤に近いピンク)の髪。イロナシのリーダーであり謎多き大男
う…ん?あら?私何で寝て…?
??:「あら?気が付いたみたいですねぇ。ちょ〜っと待ってくださいねぇ~…葛木さんを呼んできますので〜」
ガチャ
看護師の格好をした方は(実際の所看護師なのでしょうが)よろよろと不確かな足取りでこの場を後にしました。
エマ:「えぇっと…ああそうでしたわね。魔力の使い過ぎで倒れたのでしたっけ」
私の深度は2ですからね…ヴァルスタさんは成長したと仰っていましたが…私としては不便極まれり。ですわ…
ガチャリ
看護師:「葛木さんがぁいらっしゃいましたよ~」
と看護師の方が話すと葛木さんが部屋に入ってこられました。
葛木:「おぉ…お嬢ちゃん、うむ…無事目覚めてくれて何よりじゃ」
?心無しかハキハキとした語気が薄れているような?いえ、機械なので語気などないのでしょうが…
エマ:「あの〜葛木さん、何処か元気が無いように見えるのですが…もしかして怪我でもされましたか?」
いやなぁ…と葛木さんは続けます
葛木:「ヴァルスタのバカがな…嬢ちゃんの結界を貫通してワシの書斎を破壊しおったんじゃ…」
えぇ〜…
エマ:「それは…なんといいますか…ごめんなさい」
葛木:「いやいや!嬢ちゃんの結界のお陰で直撃は防げたんじゃ。このバカはまだしも嬢ちゃんが謝る必要はないわい」
…?そういえばそのヴァルスタさんご本人がいらっしゃいませんが…?
看護師「はぁ〜い〜…ご用事が終わったんなら早く帰っちゃってくださーい…患者さんは絶対安静に。ですので〜」
葛木:「まぁ待て、あの魔術について話をだな…それに遺勿経由の魔力についても興味が
看護師:「だめでーす。あなたこの間もそんなこと言いながらバラしちゃったでしょー?」
ふぇっ?
葛木:「あれは客ではなかったからだ!さすがのワシでも客人にそんなことは…しないぞ。多分」
看護師:「はーい…あなたは補修工事があるんですから…補修が終わる前にまた賊に襲われたら笑えませんよ~?」
葛木:「ぐぬぬぬ……はぁ…。分かった分かった。さっさと取り掛かるとしよう」
バタリ!と扉を閉めて葛木さんが退室されます。…この看護師さんと2人きりというのはなんというか…うーん…
看護師:「安静にー…と言いたい所ですが元気そうですねー?魔力を消費しただけだからでしょーかー?」
エマ:「えぇ、恐らくですが…。あなたはここの看護師の方ですの?」
看護師:「見ての通りです〜。葛木さんに雇われまして~…看護師兼医師もしてまーす…いわゆる保健室のお姉さんというわけなのでーす…」
…あら?葛木さんに雇われた、ということはここは普通の病院では無いのでしょうか?保健室。と言われてますし…
エマ:「そういえば、なのですが…ヴァルスタさんがどこにいらっしゃるかご存知ではありませんか?姿が見えないのですが…」
看護師:「あぁ〜…あのピンクの髪の人ですか~?あの人なら…えと…あ、そうそう襲撃して来た賊の拠点に殴り込みに行ったとか〜なんとかかんとか〜…」
エマ:「随分曖昧ですのね?」
看護師:「あくまで看護師ですからね〜…そこら辺はあまり気にしていないのですよ〜…」
看護師:「あ、良かったらテレビでも見ます〜?何か面白い番組でもあってるかもしれませんよ~?」
水曜日のお昼ですからね…良くてドラマくらいしか放映されていないのでは…?
ピッ
ニュースキャスター(以下NK):「…であり本日は晴れとなるでしょう。それでは次のニュースです」
そこで私の耳に入ったのは信じられないニュースでした。いえ。いつかはこうなるとは思っていましたし、分かっていたことです。本人も後悔などしていないでしょうしね。
NK:「かの悪名高き、要注意団体イロナシに新たなるメンバーが確認されたとの事です!」
エマ:「は?」
看護師:「あらぁ…」
新しい…?もしかして…!?
NK:「統制機関シキサイ様の情報提供によりますと、イロナシの狂犬と共に行動する2mを超えた刀を持った黒髪の少年の目撃情報があったそうです!いやぁ恐ろしいですねぇ…コメンテーターのワイドさんどう思われますか?」
コメンテーター:「えぇ、そうですね。あのヴァルスタ・ドラコ引きいるイロナシのメンバー…となるとその刀は遺勿で間違いないでしょうな。情報によればその刀で魔術協会の方々を斬り捨てたと聞きましたね」
NK:「なんと!?それでは今後イロナシは魔術協会に敵対するという、所謂宣戦布告ということなのでしょうか!?」
コメンテーター:「ええ、間違いないでしょうな。ここまで見境が無くてはいつ私たち民間人に刃を向けるかわかりませんねぇ…」
NK:「そうですね…皆様も外出なさる時はお気をつけてくださいね!黒髪の2Mの刀を持った少年にはご注意を!それでは次のニュースです!」
…間違いない。和葉が…
看護師:「あらあら…これは大変な事になってますねぇ〜…イロナシ、と言うにはお仲間さんですよね〜?」
エマ:「えぇ。ヴァルスタさんが帰ってきたら報告しなければなりませんね…」
看護師:「電話でも使えばいいんじゃないですか〜?」
エマ:「…あの人スマホ持ってないんですのよ…今の機械はややこしくて敵わん!と…」
そのせいで定例会以外では基本的にはヴァルスタさんの所在が分からないんですよね…今回ばかりは例外ですが…
エマ:「心配ですわ…シキサイに加え魔術協会?とやらも絡んでいる様ですし…」
看護師:「魔術協会ですか〜…あれですよねぇ。あんまりいい噂は聞きませんよね~…葛木さんがいつも毒づいてますし~」
ますます心配です…よく分からない遺勿?と紅蓮さんがいらっしゃるとはいえ、相手は色付きですし。
エマ:「心配です…一応連絡しておきましょうかね」
ピッ。タタタタタタタタタタタタ…
これで大丈夫でしょう。にしても物騒が過ぎますわ…ヴァルスタさん曰く何か大きな事が起こる。らしいですがあながち間違いでは無さそうですわね…
エマ:「無事を祈りますわ…」
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時は遡り、水曜日の朝スルカトニアにて
和葉&ロリス&ノワールside
和葉:「てことで久々の出番の和葉くんだ!」
ロリス:「魔法少女ロリスちゃんじゃ!」
ノワール:「…?」
いやぁ久しぶりな気分だな。何が久しいのかは分からないけれど。昨日の夜から少し時間が経ったような?具体的に言えばひと月くらい
ロリス:「まぁメタいのはここらにしておくかの。それより飯じゃ飯!儂昨日の夕飯食ってないんじゃが!?」
和葉:「だって起こしても微動だにしなかったし」
心無しかずっと寝息が聞こえてたし
和葉:「ラウとティレマさんが帰ってきたら飯にするからさ。少し待ってな」
ロリス:「むむむ…早う帰ってこないかのぅ…夜明けには帰るという話じゃなかったかの?」
確かに…?もう10時になるんだけどな…
和葉:「ま、何か途中であったんだろ。すぐに帰るって」
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ピン!ピン!ピン…
和葉:「ほらな?噂をすればって奴だちょいと迎えにいってくる」
リビングの扉を開き、勢い良く玄関の扉を開く。
和葉:「お帰りぃ!ピンポン連打すんじゃねぇぞ、て…め、え?」
そこには見慣れた2人が…
居なかった
ここで第拾伍話は終了です。さて、さて、さて、次回はどうなる事でしょうね?乞うご期待と言うやつです。ではでは永遠の貴方へ第拾伍話でした。
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HO4 エマ
あなたは何も覚えていない。あなたが⬛︎⬛︎⬛︎ている限り⬛︎⬛︎めての⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の⬛︎⬛︎⬛︎者かに⬛︎⬛︎れてい⬛︎⬛︎⬛︎ろから⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎いる⬛︎⬛︎⬛︎たの目⬛︎⬛︎⬛︎憶を⬛︎⬛︎⬛︎し、またな⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎無く⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎かを理⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎だろう




