07
7話目です。
執筆中に一回寝落ちしました。
それではお楽しみください。
「ん...んん〜、ん?あれ、ここはどこ...?」
白髪の少女が起きて最初に見たものは今まで見たことがない天井だった。
「お、目ぇ覚めたか」
後、見知らぬ男の人。
「...ひ!いやあaむぐ!?」
叫び声を上げそうになった少女の口をクレアは左手で咄嗟に押さえる。
「あっぶな!ちょっと落ち着けって!」
「んぐぅ!ふむぅ!!」
体は怪我のせいかあまり動かせていないため口を押さえているだけで十分だが、一向に落ち着く気配が無い。
(う〜む、しょうがないか)
クレアは激しく動く頭を右手で掴み、顔を自分の方へ向けさせる。
「落ち着け」
ゾワっ!!
得体の知れない恐怖が白髪の少女を襲った。
抵抗をやめ、怯えた様子でクレアを見つめる。
クレアは抑えていた手を少女の頭から離し、ゆっくりと話し始めた。
「すまんな、正直この状況は訴えられたら終わりなんだが、その前に思い出してほしいことがあるんだ」
「ぇ...?」
「ここに来るまで何をしてたかわかるか?」
「...」
一度体を起こし、少女は記憶を辿った。
休日のため今朝からショッピングをしようと第3地区に行き、何冊か本を買ってそのまま家に帰ろうとして...何処を歩いていた?
帰り道の記憶がすっぽりと抜けている。
「第3地区で何冊か本を買って、店を出たところから記憶が曖昧です」
「なるほどね、はい水」
コップに水を注いで少女に渡す。
「あ、ありがとうございます。それで、私は何かしてしまったんでしょうか?」
「うん」
「え?」
少女はあまりにも早く回答されたので逆に困惑してしまった。
「まぁ、言ってしまえばバケビトになってたんだよあんたが」
「え?」
さらに斜め上の回答が返ってきてさらに少女は困惑した。
「手、見てみ」
「手...ですか?」
少女は布団の中に隠れていた自分の手を目の前に持ってくる。
その手は固まった血液がそこらじゅうにこびりついていた。
「ひっ!どうして...?私、一体何を?」
また混乱してしまいそうな少女を見てクレアは少女の頭に手を乗せた。
「んえ?」
急に頭に手を乗せられたため、少女はびっくりして可愛らしい声を漏らす。
クレアはニカっと笑い、
「とりあえず風呂入りな」
男が初対面の少女に対して言うにはかなり勇気がいるセリフを吐いた。
ご覧頂きありがとうございました。
場面がまた戻ってバケビトの少女が記憶を思い出すことに成功しました。
メンタルケアが難しそうですが、クレアはどうするんでしょうかね?
また次回お会いしましょう。