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5話目です。


このおっちゃん誰やねん?ってところからですね。


ではお楽しみください。

「おっちゃん、俺だよ」


「おお、クレアか。今日はどうし...た...あーなるほどのう」


クレアの腕の中にいる人物を見て店主はすぐに理解した。


「ごめん、アテがここしかなくて」


「いやまぁ、お前さんには借りがあるからな、断りはしないさ」


「いいのか?」


「ああ、ちょうどマンションの方も空きがあったじゃろ?」


クレアが住んでいる賃貸マンションの大家でもあるこの店主の名前は"小館こだて信雄のぶお"。

地区の名前が第8地区に改名される前からこの土地に住んでおり、人々からは『信さん』などと呼ばれ、愛されている。


そんな彼が大家を務める賃貸マンションはこの骨董屋から200m程先にある。

それほど大きいマンションではなく、階数は3、部屋数は1階につき3つのため、合計9部屋ある。


一部屋約9畳のワンルームで家賃が3万4千円と好条件なのだが今のところ住人はクレアとクレアが前に保護した2人の人物の3人しかいない。

その理由は小館によると第8地区にあるからだというのだが、それ以上深いことは小館のみ知る。


「また隣人が増えるってことか」


「いや、そやつが自分の家に戻るなら無理に手配はしなくていいんじゃが。」


「なら起きるまで待つか、2階の客室借りていい?」


「ああ、大丈夫じゃ」


「んじゃ起きたらまた話し合うか」


「はいよ」


会話を終えてクレアは店の奥にある階段を登り、2階へ向かう。

古びた木の階段は一歩一歩登るたびにギィ〜、ギィ〜と今にも壊れそうな音が響く。

何故壊れないのかクレアは毎回不思議に思っているのだが、気にせず登る。


2階に着くと階段と並行に廊下が続いている。

3部屋あり、手前の部屋は小館の自室、二つ目は物置部屋、一番奥が客室となっている。


その客室にクレアは向かう。

襖を開けると4畳ほどの畳部屋が広がっている。


クレアは一度バケビトを床に降ろした後、押し入れに入っている布団を取り出し、敷いていく。


布団の準備をしながらクレアはチラリと床で気絶しているバケビトを見る。

ここに来るまでよく見ていなかったが、すでにあの鋭い爪はなくなっており、体も元の人間の姿に戻っている。

白髪のショートヘアで色々と未発達のその姿は大人ではなく、中学生くらいの少女のようだ。


敷布団に少女を寝かせ布団をかけたとき、クレアはふと思った。いや、思ってしまった。


(これ、もしかしなくても犯罪じゃね...?)


クレアはそれ以上は考えずに一階へ降りていった。

ご覧いただきありがとうございました。


今回は情景描写を意識しながら書いてみたのですが、大丈夫でしょうか...(汗)。


うまく描写できるようにまた頑張って書いていきます。


それではまた次回お会いしましょう。

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