02
2話目です。
文章変になってないかな?見やすいかな?
そんなことを思いながら書いております。
どうぞお楽しみ下さい。
その光景はあまりにも異様だった。
20名近い被害を出した凶暴なバケビトが地面に埋まり、その側で男性が膝をついて袋の中を見ながらブツブツと呟いている。
小さい隕石でも落ちてきたかのようにコンクリートの地面に刻まれたヒビは数十m離れているアキナたちの足元まできていた。
「...!あなた大丈夫!?」
ハッと我を取り戻したアキナは地面に突き刺さったバケビトの近くにいる男性に声をかける。
「え?あ、はい大丈夫...ではないわ卵さよならしちゃったわ」
「いや、そうじゃなくてケガとかはないの?」
「あ、ケガはないです大丈夫です。あなたたちは...天聖機動隊の方ですか?」
「はい、今ここにいるバケビトを追ってきたのですが、急に謎の爆発がしたかと思えばいつの間にかこうやって倒れてたんです」
美奈が周りを見回しながら答える。
「それならちょうど良かった。じゃあこの人の”手当”をお願いします」
「「「..........................え?」」」」
アキナたちは少し長い沈黙の後、揃って疑問の声を出した。
「あ、ごめんなさい、聞こえませんでしたか?この人の手当を...」
「いや、違うの聞こえてないわけじゃないの、なんで手当をしなきゃならないの?これはバケビトよ?」
「何言ってるんですか?この人は”人間”ですよ?」
「...!」
そう、バケビトは元からこのような化け物の姿をしているわけではない。
異能の力で支配された世界『アビリティーワールド』。
10年程前に突如人間が火を出したり風を起こしたりといった能力が扱えるようになった。
しかし、それと同時に能力の暴走を抑えきれずに体そのものが変形し、人々を無差別に殺戮する『バケビト事件』が数多く起こるようにもなった。
バケビトの生態は未だに解明されておらず、殺されるまで暴れ続けたりする個体もいれば、急に元の姿に戻る個体もいる。
しかし、世界の特定生物(危険生物)とされており、世界中の人々がバケビトを恐れているため、バケビトと確定された人間は全て9年前に結成されたアキナたちも所属する『天聖機動隊』が抹殺という名の処理を行なっている。
だから今この男性の発言にアキナは驚いたのだ。
「...?どうしたんですか?」
「なんでもないわ...でも無理なのよ。バケビトは殺さなければならないわ」
「え?」
もちろんアキナたちもバケビトの手当をすることには賛成だ。
だが、バケビトを元の人間の姿に戻す方法が分からず、殺害する他に解決策がない以上それに従うしかなかった。
「ごめんなさい、あなたの期待には応えられない。このバケビトにはここで死んでもらうわ」
そう言ってアキナは大剣を振りかぶり、バケビトを斬っ
「何してんだテメェ?」
その声と共に、先ほどまでオドオドと敬語で話していた男性が、力を込めて振り下ろされたはずの大剣を片手で掴み、アキナを殺意の篭もった目で睨みつけた。
第2話ご覧いただきありがとうございました!
深く掘り下げ過ぎるとよく分かんなくなると思ったのでこの世界についての説明は軽くしました。
またどこかの話で掘り下げていくと思います。
それではまた次のお話でお会いしましょう。