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閑話 : 漣華の回顧

今日、私、宵闇 漣華 は長年の片思いの末、念願の殿方とやっと結ばれる事が出来ました。


それは、まるで天が味方したような偶然の連続で、けして、私の実力で成し得た事とは思えませんが、これも運命の成せるわざ


そう、運命。


私は、運命に導かれるまま彼に恋をし、一度挫折(まぁこれはイタズラですね、運命の)を挟みましたが結果、本日めでたく結ばれた訳です。


私は生まれついての主人公でした。


裕福な家庭の一人娘として生まれた私は、私が望んでも、望まなくても全てが手に入りましたし、誰からも私は望まれる存在でした。


成長するにつれ益々周囲は私を持て囃し、どこぞの神のように崇められ、どこぞの王族のように敬われる私でしたが、13歳の時、初めて……本当に初めて私を望まない人間に出会いました。


暁 一花さん、私の運命の人です。


出会った当初、この方には本当に苦労しました。


主人公であるはずの私が、わざわざ話しかけているのに全く興味を示さない彼。


6畳に満たない狭い楽屋に二人きり、ただでさえ数多の男性から目を奪うこの私が、彼の気を引くためだけに用意した露出多めの服を着て話しかけているのに……勇気を振り絞って来たというのに…。


私はムキになり、あれやこれやと話題を変えたり、甘えたような声を出してみたり、少しボディタッチをしてみたり、と、当時考えられるあらゆる手段を行使してみましたが、敢え無く撃沈。


なぜ私に興味を持たないの??と私は驚きましたが、そんな事よりも、いつの間にか私の方が彼を強く求めている事に気づき、驚きました。


それまで私は、魅力に溢れる彼の絵や、鬼気迫る迫力で描く彼の姿に憧れや尊敬を抱いていただけだと思っていましたが…


どうやらそれは初恋だったようで…


会ってみたら益々、のめり込んでしまったようで…


気付いた時にはもう、手遅れだったようで…


当時の私を知る者からすれば、わがままに育った私が、手に入らないからヤケになって求めているのだと、そう感じたかもしれません。


そう思うのも分かりますが、真実は全くの逆でした。



私は、彼のものになりたかったのです。


私は、彼に私を捧げる事を求めたのです。


私にとっては彼こそが、主人公だったのです。



なので昨年、私は彼に伝えました。


収録の場で、しかも沢山の視聴者が見ている中で。


「私を貰って下さい」と。


恥も外聞もなく、全てを掛けたプロポーズでした。


返って来た言葉は一言、「いらね」でしたが…


収録後、せめて連絡先を、とせがんだ際に少しお話ができ、そこで恋人がいる事を知りました。



私は恐怖しました。



容姿も才能も特別で、無いものが無いような、常に主人公な私に無い《《何か》》を彼女は持っているのかと。


見た事もない彼の恋人を想像しては、怖くなりました。


それでも、一縷の望みに掛けて私は日本に来てしまいました。


そして、そこで初めて彼の恋人 朝日 二葉 を目にしたんです。


可愛らしい方でした。


しかし、それはあくまでも一般的な魅力であって、特に何かに秀でているとか、私が彼女に劣っているようには思えず、正直少し拍子抜けでしたが、私は見てしまいました。


彼が彼女を見る目を、表情を。



負けた。



そう思いました。


何に?と聞かれても上手く表現が出来ないのですが、しいて言うならば、彼女は彼にとっての場所、居場所なのだと、そう感じたからです。


誰よりも恵まれた容姿、特別な才能、強い想い、それらが一体何になりましょうか。


それらがあったら、彼の居場所になり得るのでしょうか。


答えは、NOです。


何故なら、私は 朝日 二葉 ではないのですから。



だから私は、負けたのです。



しかし、二人の破局という形で、思いがけず私にもチャンスが巡ってきました。


ただ、その破局も、二人の関係性を思えば、ほつれた糸をるように、すぐに修正出来るようなものだと、私には分かっていました。


だから、一瞬の隙を突くように、体を無理やり隙間に潜り込ませるように、私は今日という日に賭けたのです。


結果、前述の通りの奇跡が起きたのです。


想いが通じ、彼の横に並び、いずれ私も彼にとっての居場所になれるかもしれない。


そう浮かれ喜んでいた時、案の定彼女は現れました。


一瞬、あーあ…もう終わりなんだな…と覚悟を決めましたが、どうせなら、と最後に一戦交えてみることにしました。


その戦いの中、彼女の前で私の事を好きだと言い、擁護し、態度でも私を大事にしてくれた彼。


それは涙が止まらない程に、とても嬉しい出来事でした。


ですが、やはり彼にとって彼女は居場所。


口や態度でいくら私を恋人と認めてくれていても、彼女を見る目、彼女を案ずる声色、それはやはり特別なものでした。


実際に一緒にいると、彼女あっての彼なんだな、と痛感してしまうんですよね。


私はただの恋人で、彼女は何年も彼に寄り添った家族なんだと、そう感じました。


なので、悔しいですが、彼の為にはやはり彼女にいてもらわないとダメだったんです。


ただ、嫉妬もありましたし、彼女のした裏切り行為は私としても許せませんでしたので、簡単に恋人に戻ってもらうには私の気が収まらず、嘲りをふんだんに込めた上で、彼女が過ちに気づけるように誘導しました。


彼女は発狂する程に反省し、痛々しい程に後悔をしていました。


ざまぁ


…とは思えませんでしたね。


彼への想いが強いからこそ起きてしまった過ち…だったのでしょう。


時には、近すぎて見えなくなる事もあるのかもしれないな…と、そう学びました。


そして、彼女が復縁を望んだ時の彼の喜びようといったらもう…私も嫉妬を超えて嬉しさを覚えた程です。


ですが、その後彼女を案じた彼は、私を置いて彼女と自宅に戻ると言い出しました。


彼女は少し申し訳なさそうな顔をしていましたが、心なしか頬を染めているご様子。


運命とは時に、残酷なものです。


「一花さん!こんな酷い仕打ちはないですよ!今日は記念日なのですよ!女としてこんな屈辱はないですよ!」


ブチギレましたね。


まぁ朝日さんの心労を考えての行動ですので、仕方のない事ではありますが…


それでも私は抗議を続けました、流れ出る涙を利用して喚くように。


内心、先程の朝日さんにしたように口を塞いで貰いたくて…キス待ちだったワケですが…


「うるさいお前。レベル1のくせに調子のんな」


…これですもん。


分かりますか?運命とは時に、残酷なんです。


けれど…絶望に打ちひしがれる私を引き寄せ、囁くように言ってくれたあの言葉…


もう…もうっ♡もう♡もーう♡


ふふふ♡…ふふふふふふふふふふふふふふふふぅうっ ウェッコホッコホッ


ッキャー♡


運命の…運命の日まであと4日…4日……♡


ッキャー♡




獅子のハーレム 第一部 完






このお話で 第一部 二葉と漣華 編 が終了になります。

一応、カクヨムで第二部を数話投稿していますが、あまり評判がよくありません。

いきあたりばったりで書いている私が悪いのですが、どうせなら、なろう では違うストーリー展開で書いてみようかと思っています。

ただ、色々と構想はあるのですが、全然まとまっていないので、ある程度まとまるまでは更新は控えようと思います。

ブックマークしてくれている方々には大変申し訳無いのですが、しばらくお待ち頂けると嬉しいです。


がめ


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