雌ライオンと怒りの元カノ
私立飛翔学園は全校生徒数630名、一学年につき210名、1クラス35名前後の6クラスで、各学年同様に芸能クラス1(E組)、スポーツクラス1(F組)、特進クラス1(A組)、一般クラス3(B~D組)で構成されている。
漣華は芸能クラスへ、一花と二葉は一般クラスに入学していた。
一花が一般クラスに進学したのは二葉がいないと心細かったからで、漣華が
芸能クラスなのは当然一花はこのクラスを選ぶと思っていたから。
一花のまさかの一般クラス入学に、入学式当日の夜、漣華はショックのあまり熱を出した。
それはさておき、現在一花と漣華の二人は5時間目と6時間目の間の休み時間の廊下を並んで歩いている。
漣華は一花の左腕に絡みつきながら「一花さんあのね、そのね」とすっかり雌の顔をしながらひっきりなしに話しかけている。
一花はそれに適当に相槌を打ちつつ、昼食に何を食べようか考えながら歩いていた。
廊下に出ていた他の生徒達は、そんな二人の様子を『二人の獅子がとうとうくっついた!!』と驚愕、羨望、興味、嫉妬、興奮等の様々な感情で見つつ、いざ二人が近づくと両脇にサッとどいて道を譲った。
そんな、まるで二人の花道の様相を呈している廊下に、鬼の形相で立ちはだかる一人の少女。
一花の幼馴染にして元カノ、朝日 二葉 その人である。
彼女は、5時間目の間、お昼休みが終わっても戻って来なかった一花が心配だった。
あれ以来、一花に合わす顔がなくて話す事は出来なかったけれど、なんとなく嫌な予感がして授業中いてもたってもいられなかった。
きっと美術室にいる。そう思った彼女は、6時間目の授業を捨てる事になっても、一花に誠心誠意一度謝り、せめて友達としては接して貰えるように頼もうと思っていた。
(急に変わったクラスの雰囲気に戸惑って、いっちゃんチラチラとこっち見てたな…助けて欲しかったんだよね…でも、変に無言を通しちゃったせいでどう接していいか分からなくて…もう私も限界!ごめんねいっちゃん…もう一人にはしないからね!)
※二葉がそう思っているこの時、当の一花は幸せそうにおっぱいを吸っていました。
二葉はクラスメイトに「6時間目サボるかも」と伝達し、美術室のある別棟へ向う。
そして別棟に繋がる渡り廊下に到達した時、信じられない光景を目にしてしまう。
途端、憤怒の感情に塗れる二葉。
その激情の篭った瞳で睨みつけるのは、一花にまとわりつく害獣こと雌獅子 宵闇 漣華。
咄嗟に叫ぶ。
「ちょっとなにしてんのよアンタ!!」
渡り廊下の乱、後にそう呼ばれる戦いの狼煙が今、上がった。




