第19話 三枚目のクエスト!
二枚目のクエストは、なんか可愛い熊みたいなイラストだった。
何?
次は東の森で魔獣討伐?
熊……魔獣のつもりの絵だったのね。
『東の森から魔物が出て来て、村の畑を荒らして困ってます。どうか討伐をお願いします』
今度は東……北門から行くとそこそこ距離があるかな。
移動もイチイチ面倒ねぇ~。
私は近くの北城門の屋上に登って東の方角を見渡した。
あぁ、いい眺め。城門の上が見張り塔のような構造になっているから、コーラルリーフの町や郊外がしっかり一望できる。
あ、森、発見!
きっとあの森ね。
「火炎砲!」
私は城門の上から大量の火球を飛ばし、森全体を焼き払った。
ドッ、ゴーン……!
轟音とともに、プスプス煙が森から幾筋もあがったかと思うと、森全体から盛大な炎がボッと吹き出した。
いやぁ、燃えてる、燃えてるわ……。
ん?
……燃え過ぎじゃない?完全に山火事よっ!?
しかも火に炙り出された魔物が、人里の方に逃げていってるじゃん。
ヤバい……っ!
「水斬撃!!」
慌てて、山火事と魔物を吹っ飛ばす。
よし、火は消えた。けどさ……。
遠距離攻撃なせいか、多少狙いが外れちゃったような……?
東の森の近くの高台に村があるんだけど、下の地盤が抉れてる?
まぁ端っこだから、大丈夫でしょ……。
岩盤が丈夫なことを願おう。
私は未だシュウシュウと水蒸気が立ち込めている東の森に向かって手を合わせた。
さて次の三枚目のクエストは、……西かい。
「……」
私は城門の上から降りた。
今度はちゃんと近くにいこう。
私は一人反省して西門へ歩き出した。
歩きながらクエストの依頼票を見る。
『コーラルリーフ城下町の西地区にあるカジノによく出没するという噂の男に天誅をくだして下さい。
彼は私の愛する人を奪っただけでは飽きたらず、他の令嬢や既婚のご婦人方にまで魔手を伸ばして弄んでいます。しかも、最低なことに金品を貢がせたり、巻き上げたりしているようです。
何卒、世の中の女性の敵に制裁をお願いします』
げっ、いくら金が良いとはいえ、こんなの受けるんじゃなかった。
人の痴話喧嘩に巻き込まれるのは嫌だわ。
しかも嫌な予感がする。
この女たらしのトラブり方。
私、心当たりがあるんですけど……。




