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第15話 暴れ馬の謎!

「へ~え、暴れるのって厩舎にいる馬だけなんだ……」

「それも名馬ばかりなんです。どれもそんな気性の荒い馬ではないのに」

「ふ~ん。あっそれ、アッシュ取って」

「ブリーダーが宥めても暴れ狂うばかりで、レド様が来てくれなかったら危うく、名馬たちが失われるところでした」

「レドが居て良かったねぇ。あっ、それウォルっ僕のっ!」

「あ~!どんだけ肉だけ集めてんだ、お前っ」


口一杯にローストされた肉や野菜、パンを頬張りながら厩舎の少年フロスの話を適当に聞く勇者たち。


「あの~」

「何?」

フロス少年に遠慮がちに声をかけられ、私はご飯代を請求されるのかと身構えた。

「皆さんはこれからどちらへ?」

「北のシーモス山の方へ行く予定なの。それで馬が欲しくてここへ」

「お客様だったんですね」

目を丸くするフロスくん。

いや、めっちゃ高いテラローザの名馬なんか買わないよ。


というか、買えないから。


でも野良野生の馬を捕まえようとやって来たんだとは、もはや言いづらい。


「でも、せっかくお越しいただいのに、厩舎の馬はどれもお売りできるような状態じゃなくて……」

フロスの言葉に心の中でガッツポーズをする私。

「そうなのね。それは残念」



「あっ、レド兄さん」

「お先にいただいてま~す」

食堂に着替えたレドグレイが現れた。

アッシュに手招きされ、弟の隣に座る。

「あ、もう僕はいただいたから大丈夫。ありがとう」

レドは優しい、ふわっとした笑顔で皿をすすめる弟をナデナデする。


「ところでミナミ姫、頼みがあるんですけど」

弟が運んできたお茶を飲みながら、レドが私に話しかけてきた。


「はい?」

ウォルたちはまだ夢中で食べている。

どれだけ欠食児童なの?


「ここの馬が暴れる原因を一緒に探ってもらえませんか?貴女なら分かることも多いかと」

「いいわ。そのかわり、私に野生の馬でも捕まえて提供してくれる?」

「野生…?」

「だってタダじゃん。テラローザの高級馬を買う余裕なんて私にはないわ」


フロス少年が食い意地のはった勇者たちのおかわりを運んでいるのを見ながら私は溜め息をついた。

「そういうことですね…」

私の視線の先を確認して苦笑するレド。

「こいつら、どんだけ食べると思う?」

「お世話をかけてます」


「じゃあ、レドが知ってる事の顛末を教えてくれる?」

テラローザのイベント攻略情報を思い出そうと私は腕を組んで目を瞑った。

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