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1話 変わらない日々
「起立ー、礼ー。ありがとうございましたー」
はぁ……。と溜息をこぼし、呟く。
「さっさと帰ってアニメ見るか」
少年は、そうして毎日同じことを繰り返す。まるで機械仕掛けの人形のように。
それに比べ、同級生達は毎日友達と楽しそうに遊び笑っている。それを見て少し羨ましそうな顔をした。
そんな風に昨日と全く同じことをしながら歩いている少年は、異世界ファンタジーアニメのポスターを見つける。
「ああ、誰か俺を異世界に召喚してくれねえかなーーー!!!!!!
そんなこと、ラノベや漫画の世界でしかありえないよな。転生したい……
……ん? 」
真っ黒なカラスの羽を拾ってみる。
「ん? まただ……。本当やめてくれよ、カラス嫌いなんだよー」
「これ、まただ……。って、カラスめっちゃおるなぁ!?」
そのとき前方から声がした。
「こんにちは」