プロローグ
長編2本抱え中のアマツキツネの長編新作、3本目です。
まず一言、ごめんなさい
妖怪ブームに乗ります
ヤバイ、遅刻だ
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
私は今、全速力で車を飛ばしてる
夏休みに車を飛ばすことになるなんて...
ある面倒臭い後輩を待たせているんだ
私の部活、というか大学のサークルはオカルトサークル
と言ってもが大学のオカルトサークルはつい最近まで部員が1人も入らなかったらしく、廃部になりそうという所でギリギリ私が入った
と言ってもそれっぽい魔術関係の本をちょっと読みあさる程度だ(私自身知識はそこまでない)
私が入ってから1週間ほどで後輩ができた
嬉しかったが、その後輩がポーカーフェイスな美少年なんだがまた強敵で...
「今日から入部する、犬養 神楽です。えっと先輩の名前は...」
「あっ私は勘解由小路 小町です」
「えっ、呼びにく。勘解由小路先輩?下の名前は普通なんですね」
「良く言われる、小町先輩で良いよ」
私は笑顔で答える。
「小町先輩、質問なんですがどんな活動してるんですか」
「えっと...魔術関係の本読んだり...そんぐらい」
「オカルトサークルには見えないですね」
彼は無表情で私に言う。とにかく、傷ついた
「ま、まあ、できたばっかの部活だから」
「じゃあどっか行きましょうよ。日本の中で。日本のオカルトを見に行きましょ!」
日本のオカルト...?
「まずは殺生石なんてどうです?」
「殺生石って何?」
「昔、九尾の狐が退治されたとき、石になったんです。先輩、知らないんですか」
この子の言うこと一つ一つが心に刺さる
「へぇ、楽しそう。行ってみたい!」
「じゃあ、来週の土曜日から。」
「あ、来週の土曜日から!?」
「3泊4日で、確か、そこから夏休みですよね」
「う、うん、そうそう、来週の土曜日から。まあ私も暇だし良いよ。顧問にも一声かけなきゃ」
「免許証を持ってないんで車お願いします」
ここから、私の奇想天外なキャンパスライフが始まった
「セーーーフ!」
「セーフじゃないです。結構遅れてます」
「そんな‘20分’だけじゃん」
「だけって...。まあ、なんでも良いですが。取り敢えず行きますよ。運転中に寝ないでくださいね」
「分かってます、寝ません!」