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置かれた場所で咲かない花

今度、劇場公開されるfateの主題歌「春はゆく」を聴いた。


この曲は季節の変遷を歌っているが、明るい未来を歌っているわけではない。これまでのheveans feelを観ていれば、自ずと意味がわかる。最終章の公開はまだだが、聴いただけで泣けた。


環境が生き方を決定づけるなら、自由意志は何のためにあるのか。


ドイツ哲学者マルクスガブリエルは、運命は自由の中にあると言っていた。確かに歯車に運命は必要ないだろうが、誰もが自由を謳歌できないのも事実だ。


fateのゲーム版をやっていると、遠坂凛という女の子が、「魔術師と学校生活両方こなすのはしんどい」と、愚痴っている。私から見れば、逃げちゃえばと思うのだが、凛だけでなく士郎も桜も現実の問題から逃げるという選択肢を持ち合わせていない。ゲームのキャラクターなのだから当たり前かもしれないが、彼らはそうするしかないのである。


パワハラやDVの被害者が逃げられずに深刻な被害を受ける場合がある。彼らが弱いわけではなく、今より悪くなるなら現状の方がマシという心理が働くと思われる。


秦の始皇帝は、徐福に命じて不老不死の薬を探させたという。徐福は女子供大勢引き連れ海を渡ったが、結局彼は不老不死の薬を持ち帰ることはなかった。日本各地に徐福の足跡が残されている。帰りたくても帰れなかったのかもしれないが、彼は逃げたのかもしれない。環境が変われば視野も広がる。


置かれた場所で咲かない花もある。残念ながら。

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