供養
アニメ、平家物語を観た。
祇園精舎の鐘の声から始まる平家衰亡の物語は、日本人には耳馴染みのあるものである。
学校の授業で冒頭だけ習った記憶があるが、さて、原典の内容はというと詳細を知らなかった。
アニメの大まかな流れは、大河ドラマ平清盛とそれほど差異はないと感じた。壇ノ浦で平家が討たれるところで終わる。
独特の柔らかい線のキャラデザではあるが、一般的な人物イメージからそれほど乖離していないと思う。平清盛や、後白河法皇など、食えないおっさんたちは憎たらしくはあるが、憎みきれず、逆に愛おしくなる。大河では清盛の老いを感じさせる演出があったが、このアニメの主題ではないので、割愛されている。
清盛を唯一諫める息子の重盛は櫻井孝宏。朝廷と平家の板挟みとなる徳子は芯の強さを感じさせる女性で、早見沙織が演じている。徳子があまりにしっかりし過ぎて、男が気詰まりになって浮気するのがリアルといえばリアル。
主人公は、びわという少女で名前の通り琵琶を弾く。父親を平家に殺され、それを不憫に思った重盛に拾われる。
びわは平家の未来が見えるが、未来を変えようと積極的な行動に移ることはない。こいつ、なんも役に立たん…、猫拾うとる場合か。
びわ本人も私は何もできんとふらふら彷徨うことになるが、平家一門の行く末を見届け、それを語り継ぐことに使命を見出す。
供養というのは、生きているもののためでもある。死者を丁寧に埋葬するのも、蘇って悪さをしないでくださいねということだし、生前の故人にああしておけば、こうしておけばと思い悩むことも少なくなるだろう。
意地悪な言い方をすれば、己の無力さを見なくて済む。最近は墓じまいといって、ぽこぽこお墓がなくなっていたりするが、供養を軽んじるべきではないのかもしれない。
アニメに話を戻すが、不思議な作品だった。激しく感情を揺さぶられるわけでもないし、前のめりに鑑賞するものでもない。予めオチがわかっているので、これまでスルーしてきた。結果観て良かった。隠れた名作のような気がする。ネットでは評価されそうにないけど。
しんみりしたので、五等分の花嫁を観た。
これ、ヒロイン目線で見ると風太郎に惹かれる要素皆無じゃね。学業でしかマウント取れないってかわいそう。貧乏、片親、妹、学業優秀って、かぐや様とか僕勉と被ってるし。この設定でラブコメやれば売れる作品が、ゴクリ…
一花は大人過ぎるし、二乃と三玖は負けヒロインっぽいし、消去法で四葉か五月になるのは妥当なのかな。全然胸キュンしねえけど。なんでだろ。年齢か…
あとはラブライブスーパースターを観た。たぬき顔の中国人クゥクゥが、自主と独立のために戦う社会派アニメやぞ。主人公が超電磁砲撃ちそうな顔してるので、街が学園都市に見えてくる。
ムキになって抵抗しても即堕ちする生徒会長とか、おめめキョロキョロお耳ピクピクの変態作画、いつものラブライブで安心。でも廃校は勘弁して(泣)。