袖振る君
聞いたか、野郎ども。ガッキーが結婚するってよ。相手は星野源だってさ。
ゴールドマン○ックスのヤリ○ンにとられるのとどっちが悔しい? ん?
寂しかったら、架空のJKと思い出しりとりしてていいからね。
昔、ガッキーが休みの日はゴロゴロしてると言っていたので、勝手にダウナー系の女神として信奉している。
私も学生の頃からゴロゴロするのが好きなので、勝手なシンパシーを抱いていたのである。
休みの日に何してるの? と訊かれてゴロゴロしてますと言うと、お前、若いくせにもっと遊ばんかいみたいなこと言われて困惑したことがある。
人の勝手やろ。チンカスが。
本当は聖剣伝説4をやっていた。それを正直に話すと、君はあの歴史的クソゲーを真剣にプレイしているのかとか絡まれるので、黙っていた。
一応最高難易度まで遊んだ身として言わせてもらうが、あれはクソゲーではないと思う。ストーリーはゴミだが、システム的なものでいえば当時は画期的だった。あれをクソゲー扱いする奴はエアプ。覚えておくように。
思えば人と会話が弾んだ試しがない。許されることとそうでないことの境界を学ぶ機会が少なかったのだろう。
ガッキーは許されても、私には許されないことがある。
三井不動産のCMを観ると、この街に私は必要ないなと思ったりする。
カフェのあるTSUTAYAに行っても自己啓発本しか置いてなくて、何も買わない。
ないない。
膨れ上がるのは自我ばかり。
万葉集に、「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」というのがあって、そんなに手を振ったら私達の秘めた関係がバレちゃうよという意味だ。この歌は一種のジョークらしいが、ガッキー達も内緒でコソコソ付き合っていたのだろう。
許されるなら、そんな恋を一度はしてみたい。