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Story of one every two people ~二人で一つの物語~  作者: 柚雨&シノ
エレドニアでのあれこれの章
78/84

崇高な……計画?

オールキャラクター人気投票を企画いたしました!


何キャラに投票してくださっても構いませんので、よろしくお願いしますっ!


目次、または各話のあとがきのアドレスからどうぞ。

Side Hal. ~ハル・サイド~


 な、何この人……。攻撃力ありすぎじゃないかなぁ。暴力的じゃなくて、精神的な威力が。軽く頭痛くなりそうだよぉ。こんな人がレイの知り合いだなんてびっくり。


「ほら、シー、静かにぃ! ミーがお忍びでここまで来たことバレちゃうでしょお!」

「だから、おまえはしばらく黙れ」


 ウキウキ、を全身で表現するジェラーロの頭に、がっ、とレイの鉄槌が下る。が、ジェラーロは意にも介さなかったようで、マシンガントーク続行。


「やだなぁレイちゃん口利けなくなったら俺っちのすーこーな計画が説明できないじゃないかぁー☆ レイちゃんのおばかさーん」


 ズッバァアン!


 再び、今度はハリセンが振り下ろされる。たぶん、威力三割り増しで。勢いで軽くすっとぶものの、ジェラーロはけろっとしている。若干、頭から煙が上がってるよ。さっきの一撃でハリセン耐性でもできたのかな……アレ、結構痛いのに。うん経験済みだよ。痛いよ。それなのに平気とか……。まぁ、あの人に対してはあらゆる攻撃が効かない気もするけどね。

 レイが話を戻す。そうだった、助けてあげるとか言ってたよなぁ。


「で、何だよ崇高な計画って」


 若干苛立ちが籠められているレイの口調。やっぱり、こんな人がレイの知り合いだなんて。え、僕が言えたタチじゃないって? まぁ、そう思えるところが自分でも悲しいよ。

 ジェラーロはピエロみたいに大袈裟な動作で頷く。なんか似合う、その賑やかさがぴったりな気が。


「それは聞かない方がいいよぉ~! 後悔するだろうしっ☆」

「「「「なんでっ!?」」」」


 聞くと後悔作戦するって、な、なにか危険なことでもするのかな……やだなぁ。っていうかジュリアスを助けるって事がすでに危ない雰囲気なんだけどね。


「そ、それって危険な計画なの?」


 僕の問いに、ジェラーロは焦らすようなニヤニヤ笑みを浮かべている。


「聞きたいぃい?」

「聞く聞かない以前に作戦知らねぇとどうにもなんねぇだろうが!」


 レイ叫ぶ。やっぱりこの人と付き合うのは大変そうだ。レイやっぱりすごい。すごいよ。

ジェラーロは大手を広げて僕たちに仰々しく宣言した。


「じっつはぁ、なぁんも考えてますぇーん!」


 はぁ?

 んん?

 えっ?

 ふぁあ~?


 一様に並べられたハテナマーク。最後の疑問符はもちろんルナールだ。あくび混じりはやめようよ、ルナールさん。今真剣に話してたんだよ……ジェラーロの発言はよくわかんなかったけど。


「さっすが不思議っ子ちゃん、空気の読めなさは賞賛に値するね!」


 ジェラーロはルナールに向けて立てた親指をぐっと突き出す。ウインク付きで。


「ありがとー、へんたいさん」


 いやそこありがとーじゃないし。ちょっとバカにされてたりしますからルナールさん! いや、グーッド! じゃないからぁ!


 レイはそのくだりをまるっと無視して、改めてジェラーロに促した。


「もっぺん言ってみ?」

「だからぁ、作戦なんてなぁんも考えてないって言ったのさ! 或いは、教えてられないのっさ!」


 ……訊くと後悔するってこういうことかーッ!


 僕とセラフィーナが硬直、ルナールは再びあくび、なんてしているうちに、突然レイが壊れた。


「ごまかすなぁああ! お前が? 何の策もなく? 危険に飛び込む? 善意で協力を申し出る? んなワケあるかぁ! さっさと吐け! 報酬は……ある!」

「ちょ、レイ……? ジェラーロさんはレイの友達なんだよね? 善意はあるんじゃないかな……?」

「そうよー。さ、作戦はなくても手伝ってくれるなんて、友達思いのいい人じゃない。ちょっと怪しいけど」

「ジェラートっておかしあるよねー」


 僕とセラフィーナとルナール? が口々にフォローするが……。いや、ルナールのはやっぱり違うか。

 突然ジェラーロは前触れなく笑いはじめた。


「ふぁーっはっはっは、よくぞ見抜いたな、みすたーレイ! 貴様はやはり執事の中の執事だ! さあ対価を支払いたまえ! 素敵な取引の時間さぁ!」

「「「えー!?」」」


 高笑いするジェラーロと深いため息を吐くレイの姿が嫌に対照的に映る。僕もうわけわかんない。へるぷみー。


「ミーのすーこーな計画とわ、それなりの料金を支払ってもらわニャ教えられないのさっ!」

「こいつは……そういう奴だ。散々迷惑かけてふざけ倒しておいて、仕事にはきっちり対価を要求する。仕事内容は文句なしなんだが」


 レイが横目でジェラーロを眼光鋭く睨み付ける。が、何を勘違いしたのかジェ

ラーロは肩をすくめた。


「きゃあ、レイちゃんが褒めてくれるなんてめずらしー! 雨降るぅ?」

「褒めてねぇ! お前はさっさと仕事モードに入れ! 揺れない橋しか渡んねぇお前のことだから、なにかしら案はあるんだろ」


 レイの催促に、ジェラーロは思案するような芝居がかった仕草をする。


「ふむぅ……作戦とは言えないけどぉ、あるてーどの方針はありまっせ?」

「それでいい。言え」

「まー怖いよレイちゃんー! でも取り敢えずっ、服着替えたほうがいーんじゃない?? 隠密行動なんてドブに捨ててきたみたいな格好で動くのは、さすがにミーでも焦るかんね!」


 ……それもそうだ。



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