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Story of one every two people ~二人で一つの物語~  作者: 柚雨&シノ
飛竜討伐の章
6/84

お金がないっ!

今回、短めです。


なので、後半にて、簡単なおまけもつけておきます。

お楽しみに………してもらえるといいな~ww



それでは、本文をどうぞ!

Side Hal. ~ハル・サイド~


ばんっ


「いだっ!」


 突然の激痛。唐突すぎて意識が飛びそうになる。閉められた扉に鼻を打ったとは理解できなかった。痛い。鼻は急所だと僕でも知っている。


「っつうぉー……」


 折れた。これは鼻の骨が折れてる痛さだ……今まで鼻を折ったことはないけれど。

 ドア越しにレイがとかく怒鳴る声。トドメにガチャンと鍵をかける音。

 そしてその扉の前に顔を押さえてうずくまる僕。


「……宿借りるときは挨拶しないの?」

『普通するかよ阿呆』


 シノラインにも怒られた。でも挨拶とか、大事じゃない? 傭兵って、あんまり人と関わったりしないのかな。


『もういいだろ。部屋に戻るぞ、おい』

「うん……。あー、痛い」


 痛みが治まったところで部屋に帰る。がらんとしているけれど、一人で寝泊まりするにはちょうどよい広さ。ギルドの仕事を得るまでここを生活の拠点にするつもりだ。


『嫌われてるんじゃなくて面倒がられてんだぜ、きっとな』

「一緒だよそれ……。そもそも、シノラインが急に、俺と戦えー!なんて言うから」


 あの後レイをあわてて追うも、尋常じゃない足の速さに追い付くはずがなかった。結局へろへろになりながら酒場まで戻ることになったのだった。


『俺のせいじゃねえだろ。何でそんなにレイってヤツに執着すんだよ。ずば抜けて強い訳じゃなさそうだしよ』

「だって助けてもらったじゃん。お礼がしたいだけだよ」

『お礼ってなんだよ。金か?』

「まあ……なけなしの金額で満足してくれるなら」


 彼はそんな見返りは求めてないと思うけども。


『お前な……。親切心は身を滅ぼす世界なんだここは。早死にするぞ』


 シノラインが盛大に息を吐いたのがわかった。この世界が自分に似合わないことはわかっている。


「はあー」


 背中の剣を乱雑にソファーへ放り込み、溜め息を吐いてベッドにダイブする。


『あっこら! 投げんな!』


 一休みしたら家に向けて手紙を書こう。確か紙とペンくらいは持っていたはず。なくても市場で買えばいいか。右のポケットに財布が……?


「ないっ!?」

『は? 何が』


 絶望的で典型的なミスだ。走ったときに落としたのか、知らない間に()られたのか。とにかく全財産を入れた革袋が見当たらない。


『金を落としただあ!? 金はひとまとめにするなって言っただろ!』

「でっ、でも……どうしよう!」

『よく捜せ! この間抜け、ヘタレ野郎!』


 シノラインの怒声が頭に痛く響く。無い、無い、無い! お金が無いとギルド料も払えず仕事も紹介してもらえないという。



そしてパニック半泣きになった僕が隣の部屋のドアを叩くのはすぐ後のことである。











おまけ~♪


 ここは四方を真白に塗られ、迫り来るような圧迫感と拡大する解放感が同時に存在する矛盾の部屋―――。

 そこへ、二人の青年が迷い込んでいた。


ハル「え? あれ?? ここどこぉぉ?!!」


レイ「………知らねぇよ。つか、さっさとここから出る道探せ」


 レイの言葉を受けて二人は辺りを見渡すが、この部屋に扉はない。どうやって二人が迷い込んだのかも分からない状況だった。

 さらに、二人が荷物を探しても見つからず、ハルのシノラインですらなくなっていた。


???『Q1.あなたの好きな食べ物はなんですか?』


 それは突如のことだった。二人の頭に直接響く、抑揚のない声。


ハル「えぇ? な、なに?!」


レイ「用があんなら姿を現しな…!」


???『質問にお答えください。答えなければ、この部屋から出ることは不可能ですよ』


 天の声は、二人を促す。同時に彼らは逡巡し、やがて口を開く。


ハル「す、好きな食べ物だよね? なら…ん~、なんだろう?」


レイ「俺に訊くな。つか、なんだよこの企画」


???『さっさと答えやがれ、です。そうしなければ話は先に進めませんし、この部屋から出るのも遅くなりますよ?』


レイ「……しょうがねぇ。答えりゃいいんだろ?」


ハル「ねぇ、レイくん~。僕の好きな食べ物って何ぃ?」


レイ「知るか! 俺に訊くな!!」


???『にぎやかな所失礼ですが、早くしていただけないでしょうか? 話を先に進めたいのです」


ハル「よ、よし! 僕の答えは“嫌いな食べ物なんてない!”にするよ! だから、僕は大抵のモノは好き…かな?」


レイ「その解答を出すのにどれだけ時間かかってんだか…。まあいい。俺の好きな食べ物は、特にない。嫌いなモノも、特にない。以上」


ハル「レイくん……答える気、ある?」


 レイが口を開く前に、天の声が二人の頭に響く。


???『まあ、そう答えるのならそれでも構いません。さっさと先に進みたいので』


ハル「どんだけ急いでんですか…?」


レイ「まあいいじゃねぇか。めんどくせぇし。さっさとやって、さっさと帰ろうぜ」


???『そういうことです。では、次の質問に参りましょう。

    Q2.あなたの趣味はなんですか?』


ハル「趣味? ねぇ、趣味だってよ、レイくん」


レイ「聞こえてる。一々報告すんな。………俺の答えは、“暇つぶし”だ」


ハル「え? それ、答えになってないよね? 答えになってないよね?!」


レイ「二度言わんでも分かる。……暇が潰れりゃ、それが俺の趣味になんだよ」


ハル「なんか、その答えズルいなぁ。まっ、いいけど。えっと、僕の趣味は“お金稼ぎ”です。………そうせざるを得ない、経済環境にあります(泣)」


???『また、憐れな趣味をお持ちですね。ヘタレ(憐)さん』


ハル「え? その呼び方、世間では流通してるわけ?!」


レイ「当たり前だろうが。今じゃ、世間の半分はお前がヘタレ(憐)だと知っているハズだぞ?」


ハル「えぇ??! そ、そんなぁ」


レイ「…………信じんなよ」


???『なかなかに単純な性格の持ち主でもあるようで。……それでは、最後の質問といきましょう。

Q3.あなたの好きな人は、どんなタイプですか?』


ハル「すっ、好きな人?! あ、あの! えっと…!!」


レイ「動揺しすぎだっての。こんなもん、適当に言っとけばいいだろ?」


???『いえ、この質問には真剣に答えていただきます。………嘘は、私に通用しませんので、どうかご容赦を』


レイ「うわ、ウゼェ質問だな。………なら、気立てがよく、料理が出来て、そつなく家事をこなし、気配り上手な、気の合う同年代の女性。スタイル、顔がよければ、なお良し」


ハル「よ、要求多すぎじゃ…」


レイ「正直に言えっつったろうが。どうせ、条件を隠しでもしたら『吐け!』って言われんだろ? なら、先に言っちまう方が楽だろうがよ」


???『いえ、条件は一つでもよろしかったのですが…』


ハル「ふふふっ。レイくん、墓穴掘ったね」


レイ「………うっせぇ。黙ってろ。つか消えろ。面倒事持ち込んでくんじゃねぇよ」


ハル「うぅっ。ひ、酷い…。いくら助けてもらったとはいえ、酷い…」


レイ「どうでもいいからさっさと答えな」


ハル「僕の扱い、だんだん適当になってない?! ねぇ!!?」


レイ「なってねぇよ」


ハル「なってる!」


???『二人共どうでもいい話なので、終わりにいたしましょうか。ハルさん、質問にお答えください』


ハル「もう、いいです……。好きな女性のタイプ、ですよね? えっと、じゃあ優しくて、僕より小さな子がいいなぁ」


レイ「あ、もしかして、チビなこと気にしてんのか? うわ、ダセェ(笑)」


ハル「しょ、しょうがないじゃん! あ、でもまだ育つからね? 成長期はまだ来ると、信じてるからね??! 来るって言ってぇぇ!!!」


レイ「来る」


ハル「うん……なんか、虚しいよ」


レイ「だろうな」


???『テンションが下がったようなので、この長くてグダグダなQ&Aに終止符を打とうと思います。よろしいですか?』


レイ「構わねぇよ。むしろ、さっさと宿に帰しな」


ハル「うん、僕もあの財布を失くした絶望の瞬間に戻らないとね」


???『さて、次回もお読みくださる読者様が減らないよう、宣伝をして終わりにしましょうか?』


レイ「誰に頼まれたんだよ?」


ハル「自発的に?」


???『いえ、これは作者の一人である柚雨の意向のようですね。ちなみに、頼まれなければ私は宣伝などする気はないので、その辺誤解しないでいただきたい』


ハル「そこまで否定しなくても…」


レイ「つか、終わるんだろ? さっさと宣伝、んで終わらせるぞ」


ハル「そうだねっ。次回は、財布のなくなった僕、どうする?!…の巻です。お楽しみに!」


レイ「やはり、俺に面倒事がまわってくる気がしてならねぇが、よろしく頼む」




というわけで、おまけでした。


え? 長い? まあ、気にしないでください。

え? 文章がボロボロ? 気にしないでいただけると、すごく助かります(笑)

え? おまけのが多い? これも、気にしないでください(泣)




それでは、今日はこの辺で終わりにしておきましょう。


また次回っ(^^)ノシ

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