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Story of one every two people ~二人で一つの物語~  作者: 柚雨&シノ
移動の最中、面倒事の章
50/84

この子はいつの間に移動したのでしょうか?

ちょっとしたインフルエンザ(笑)で、更新が軽く遅くなりましたね。


いや、今も絶賛インフルですがw

Side Hal. ~ハル・サイド~


「怪しいな」

「そうですね」


 僕とジュリアスはテントに入ったが、すぐに寝るという訳はなく、外の様子をこっそりと伺っていた。だって……盗み見は悪いけど、怪しいんだもん二人。


「あのふたりは……仲が良いのか?」


 ジュリアスが僕に訊いてきた。暗いのでその表情を窺い知ることはできないけれど。


「そうですねー。一見、仲が悪そうに見えたりしますけど、深いところでは仲がいいんだと思いますよ。どうしてそんなことを?」

「昼間、アーヴィン家のことを言ったのに……本人よりもあいつの方が怒ってたから、その」


 あら、あの発言をちょっとは、気にしてたのかな?


「そうですか。えーと、旅の仲間ですから、大事にするのは当然じゃないですか?」


 それ以上の感情もありそうな気がするけど……ふふん。それは本人達にしかわかんないよね。


「そうなのか。それと、その言葉遣いはやめてくれないか。媚びた敬語を発するのは、大人達で充分だ」

「あはは、僕もいつ舌噛むかヒヤヒヤしてたんだ」


 王子のお許しを得て、僕は慣れない敬語を外した。昔は使っていたんだけれど、今はあんまり……というか、敬語使うようなパーティメンバーじゃないし。


「さ、見張りはレイに任せて、僕らはもう寝ようか。二人の間を覗き見するのも悪いしね」






 翌朝、徹夜明けのレイが僕とジュリアスを起こしに来た。徹夜だとちょっとテンションのおかしいレイ。前回はあんなことがあったし、ははは。今回も何か起こるかな?


「もう朝? おはよー」

「力付けるとか強くなる以前に、睡眠時間を減らせよ……。ソコのアレも起こしとけ」


 ソコのアレって。ああ、ジュリアスのことか。僕は毛布にくるまったジュリアスに手を伸ばす……が、あれ? 彼の他にもう一つ、毛布の掛けられた塊があるんですけど。え、何これまさか?

 僕は恐る恐る手を伸ばしてバサッと、毛布を、めくった!


「うぉあ!!」

「レイー? なんかテントにルナールいないんだけど」


 僕が奇声を上げるのとセラフィーナがレイに尋ねるのは同時だった。お察しのように、男子組のテントの中にルナールがすやすや眠っていた。平然と男子二人のテントで。

 僕の声でジュリアスが目覚める。


「うるさいな……うわっ、あの変な女! なんでここにいるんだ!」


 僕が訊きたいよ! テント出て迷い込んだの!? まっ、まさかのシノラインの仕業? とにかく心臓バクバク。

 レイがテント内に顔を覗かせた。続いてセラフィーナも。


「ルナールが行方不明……って、いるじゃねーか」

「え、なんでここに居るのよ! 連れ込んだの!? サイッテー! 女の子の敵!!」

「ちっ、ちが……」


 セラフィーナがズバズバビシバシと言ってくる。完全に勘違いしてるよ、これ。僕のせいじゃないし、僕は何もしてないからあ!! ……多分!


「はーん。ヘタレの癖に」

「だから違う……」


 レイまでそんなことを言ってくる。悪そうな笑顔で。いつものお返しだ! みたいな顔で。


「同じ空間に僕もいたのに、よくも手が出せたな」

「ジュリー!!」


 ジュリアスぅう! 誰ですか、この子の保護者は! 教育方法間違ってませんか! 

 焦りすぎだ、僕。落ち着こう。やっぱりここは、ルナール本人にちゃんと訊こう。僕は今だに寝息を立てているルナールをそっと揺り起こす。


「ぅん……?」


 ルナール覚醒。セラフィーナが飛び出してルナールを庇う。


「ヘタレの癖に、女の子に手出すなんて!」


 うわっ、かなりグサッときたよ、その言葉。僕がヘタレであり、犯罪者というレッテルが二つ同時に貼られてしまった。いやっ、犯罪者ではないけど、断じて!

 セラフィーナ睥睨、レイにやにや、ジュリアスジト目、そしてルナール半分夢の世界。


「その、おはよう」

「うん、おはよー」


 ルナールは至って普通、ノーマル。


「あれ、みんないる。なんで?」


 あなたのせいですよ、ルナールさん。僕は改めてルナールに問う。


「ルナールちゃん、ここ、僕達のテントなんだけど」

「うん、知ってるー。だってセラ、いつまでたっても帰ってこなくて、さみしいから、はるのとこに来た」


 そうですか。そうですよね。僕のせいじゃない! 

 僕は勝ち誇った顔全開でレイたちを見回す。


「僕は無実だ!」


 っていうか、レイとセラフィーナが夜通しイチャ……話し込んでいるからルナールはこのテントに潜り込んできたんだよね。これは、元はと言えばレイ達のせいなんじゃないのー?


「襲わなかったって確証があるっていうの?」


 言葉自体はツンツンしているが、若干含み笑いのセラフィーナ。もはや絶対これ、面白がってるでしょ。

 まあ、僕は無実だし? その証明ならいくらでも出来るんだけどね。


「ルナールちゃん、えっと……」


 あれ、どうやって尋ねればいいんだ? 直接的な表現? いやいやいやいや、ムリムリ。


「なに?」

「そのー、えーと、僕はルナールちゃんを……襲ってないよね?」

「襲うって、どーゆーいみ?」


 うっ、これ説明するの? ソフトな感じに説明するの無理じゃない? とりあえず僕は説明とか無理だよ。

 セラフィーナが「証明してみなさいよー」って顔で見てくる。なんて黒い笑み。さっきとは違う怖さだ……。


「だからー……えっとー、お、お、犯す?」

「おかす?」


 そうだよね! 純粋なルナールちゃん十四歳が知るわけないよね! 読者層も考えろ、僕!

 そういう訳で…。


「調子乗ってすみませんでした」


 ヘタレの秘技、土下座。秘技でもなんでもないけど、セラフィーナに土下座。ルナールにイロイロと懇切丁寧に解説するよりは土下座の方が万倍マシってもんです。何を解説するって? シノラインに訊いてください。彼ならなんでも知ってるよ……その手のことは。



「もういいだろ。ヘタレなんだし、そんな度胸ないのは丸分かりだろ?」


 レイのいつもの口の悪さが今回は助け船に。助けてください……。


「もう、ハルいじるの楽しくなってきちゃった」


 爽やかに笑うセラフィーナ。なんですか、鬼畜発言ですか! そしていじられキャラ定着の僕ですか!

 徹夜したのはレイなのに、なんでハプニングは僕に巡ってきたんだい……。朝からパニック状態だし、声張ったし、顔火照ってきたからもう一度寝ます!




インフルって言っても、もうだいぶ元気ですし、また二日に一回か一日一回くらいの更新ペースに戻ると思います……たぶんw

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