表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Story of one every two people ~二人で一つの物語~  作者: 柚雨&シノ
マリシア滞在の章
42/84

“秘密の計画A”始動!

今回は、ハルくんがなにやら企んでいるようですよ?



それでは、本文をどうぞ!

Side Hal. ~ハル・サイド~


 ギルドを出て、しばらくあてなくぶらぶら彷徨っていた僕達。よし、計画A、始動! 僕はレイに問う。


「このあとは何かある?」

「いや、今日済まさなきゃならない用事はもう無い」

「じゃあじゃあ、ショッピングしようよ!」


 は? と言いたげにセラフィーナとレイが僕を見る。ルナールは僕に同意して、こくこく頷く。


「なんか買うもんでもあんのかよ?」

「そういう訳じゃないけどー……みんなでのんびり買い物も良いんじゃないかなー! って思ったんだよ!」


 本当のショッピング計画の真意は違うんだけど……。

 僕が突拍子もないことを言った理由は少し前に遡る。






 ギルドを出てなお、若干お冠なセラフィーナと、機嫌取りをするレイ。なんか、ほんとに二人は仲がいいのか何なのか……。

 そこで僕はキュピーンとひらめいた。

 僕が二人の橋渡しをすればいいんじゃないか!? と。ほら、面倒見てもらうばっかりじゃなくて、面倒見てあげることも脱・ヘタレへの一歩だと思うし!


「ルナールちゃん、ちょっとちょっと」


 僕はルナールを手招いて呼んだ。とてとて、と彼女は不思議そうな顔をして僕の方に来る。


「なに?」

「セラちゃん、怒ってるよね」

「うん、少し」

「だから、仲直りのお手伝いしてあげない?」


 ルナールはセラフィーナ、レイ、僕の順に視線を移した。


「じゃ、ふたりの手つないでくる」

「ちょ、待ってえー!」


 あっさり前方を歩くレイ達に向かっていったのでルナールをあわてて止める。


「なに?」

「もっと、もっとナチュラルに! 自然な感じで仲直りアーンドより一層仲良しに的な感じで!」


 さすがに突然手を繋ぐとか、ちょっと……ねぇ。


「なちゅらる」

「そう、自然体っぽく」


 意味を理解したようで、何度か頷く。


「じゃあ、そっと手つないでくる」

「ちょーっと!!」


 僕の制止に、若干つまらなそうに僕を見るルナール。そんな目向けないで。


「はるは、むずかしい」


 すみませんね。


「最初から話すよ。ふたりがケンカしたままなのはルナールちゃんも嫌でしょ?」

「うん。なかよしは大切」

「だから、もうケンカしないようにするためには、すごく仲良くなる必要がある」

「わかる」

「だから、すごく仲良くなるきっかけを僕達が作ってあげたらいいんじゃないかなー、って」

「わかった。つまりはるは、二人の仲を取り持って、じぶんの株をあげようというかんがえ」


 ええー。

 傷つくよブロークン・ハートだよ。すごいシビアな発言じゃないですかルナールさん。親切心のはずの自分の考えが浅ましく思えたよ、一瞬。いや、脱・ヘタレの一歩とか考えたけどー! それに株とか取り持つって言葉よく知ってたなぁ。


「僕の株はどうでもいいよ……今は。じゃ、二人の仲良し大作戦、やる?」

「やってみる」

「レイにプレゼント買わせてみる?」

「うん」


 おや? どうやら僕はシノラインの恋愛ちょっかい出し症が感染(うつ)ってしまったのかな?





 まあ、そういうわけで、いまに至るのである。


「ふうん? ま、のんびりするのもいいんじゃない?」


 お、セラフィーナが乗った。レイも、めんどくせえけどまあいいか、の様子。


「そういえば、ルナールちゃん何か買いたいとか言ってたっけ?」

「うん。はるがハンカチ買ってくれるって言った」


 そうそうルナール、アクセサリーのお店に向かうきっかけを作って……って?

 僕がハンカチをプレゼントするの? ちょっと? 大作戦の趣旨、履き違えてません?


「へぇーえ。女の子をモノで釣ろうっていうの? ヘタレのくせに」

「いや、ヘタレだから物に頼るんだろ」


 セラフィーナとレイが変な所で意気投合している。これはおかしな方向に来てしまったぞ?


「とっ、とにかく、時間もあるんだし、れっつショッピング!」






 町の中心部をうろついた末に、服飾品やらを売る店に入った。多分、女の子ってきれいな物とか可愛い物が好きだと思うんだよね。やっぱり、セラフィーナの瞳がキラリと光る。

 ルナールはハンカチが並ぶ棚へ向かい、それを買う羽目になった僕もついていく。セラフィーナは、興味を引くものがあったのか、店内を歩き回っている。まあ、僕達とレイ達に別れたから、楽しくお喋り……してるといいけど。


「ルナールちゃん、男の人にもらって嬉しいものってなに?」

「たいせつな人からもらうものは、何でもうれしい」


 なるほど。


 未定の予定によると、セラフィーナの機嫌が良くなったところで、

『これ欲しいなあ』

『じゃあ買ってやるよ』

『本当? ありがとう!』

という彼らの流れを予定していたんだけど、二人は何を喋っているんだろう?

 まあ、あくまでも予定は未定で、あのセラフィーナとレイがそんなことするとは露ほども思っていないんだけど。


「はる、どっちがいい?」


 この店にきた目的を忘れ、真剣にハンカチ選びをしていたルナールが水色とピンクの二枚のハンカチを突き出した。選べってこと?


「うーん、水色かな。目の色とお揃いだしね」


 くりくりとした空色の瞳が僕の顔を覗きこんだ。え、なに? ちょっとどぎまぎ。


「やっぱり、黄色いのにする。はるの色だから。黄色すきになった」


 あ、そうですか……。黄色がすき? 僕の目がすき? 僕がすき? ……あれ?



 さて、本来の予定のあのふたりは仲良くしているかな? と、僕が振り返ると――――?




次回、レイとセラフィーナのデートもどき(笑)についてです。



それではっ(^^)ノシ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
http://enq-maker.com/htYrz82
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ