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Story of one every two people ~二人で一つの物語~  作者: 柚雨&シノ
新しいお荷物、回収の章
16/84

美女と美少女とその他女性の味方(笑)

はい、ハル・サイドです。


ですが、シノライン様(笑)の出番でもあるようですよ?



それでは、本文をどうぞ!

Side Hal. ~ハル・サイド~


「えええええ! ちょ、お別れって、レイくぅーん!?」


 追いかけようとするも、セ……ラフィーナ? が居るので戸惑った。というか、どのみちレイに追い付ける脚力なんて持ってないけど。

 一旦戻れとか言ってたけど、どうするかなあ……。


「……シノライン?」

『ふぉわー?』

「えっ寝てたの!? ってゆーかシノライン寝れたの?」

「え?」


 さっそく、セラフィーナにおかしな目で見られた。あぁあ、もう変人に思われたよな。


「あぁー、気にしないで」

『うお、女の子じゃん! ちょっと顔がキツそうだけどなぁ。ま、年下だし。じゃ、どけよハル』


 じゃ、どけよじゃないよ! 今大問題なんだからさ! どうしようよ、シノライン!


『知らねえよ! 彼女の名前なんてぇんだよ!』

「せ……セラフィーナ?」


「……は?」


 目付きがより険しくなるセラフィーナ。そりゃ前触れなく名前を呼ばれたらおかしく思うよね。でもつい声に出してしまう。普通に会話してる気分なんだから。仕方ない……よね。


「何よ。今呼んだでしょ」

「あぁー……っと、セラフィーナさん? 僕はハル・カーストウッド。さっきのコワかっこいい人はレイくん。僕の相棒だよ!」


 うん? 僕の相棒がレイじゃなくて、レイの相棒が僕なのかな。


「その割りにはさっき、お別れだとか言ってたじゃない」

「えっ、えー……それは、レイくんの気の迷いじゃないかなあ!」


 お、笑った。少なくとも、泣き顔よりはいいな。

 でも、どうしようか……レイは何を追いかけていったのだろう。それに、影って何のこと?


『リディス周囲で活動している集団のことだな。良く言えば人材派遣、悪く言えば人身売買』


 シノラインが解説する。じ、人身売買なんて……何? 


『そのまんまの意味だ。この嬢ちゃんを欲しいやつに売り飛ばすんだよ。大抵は奴隷としてこき使ったりするな』


 そそそそんなあ! 酷いよ……セラフィーナさんは奴隷にされちゃうの?


『おそらくな。だが気になる……。普通は、奴隷候補が逃げ出したってあまり気に止めない。どうせ売ってしまうんだしな。それなのにわざわざギルドに依頼を出してまで探させるなんざ、どういう事だ?』


 わ、分かんないよ……。でも、レイくんはこれに気付いたのかな。


『なあなあ、俺に喋らせろよー。うまーく訊きだしてやっから!』


 ホントにぃ? なんか不安なんだけど。ていうかテンション上がってんね、シノライン。


『うっせ! 女の子をヘタレに任せておけっかよ! ここは美女と美少女とその他の女性の味方であるシノライン様の出番だっての』


 う、シノラインまでヘタレって言ったあ。でも、話を訊きだすんなら仕方ないか。

 僕は一応セラフィーナに断りをいれる。怪しい人って思われたらたまらないからね。もう思われてるだろうけど。


「あの、セラフィーナさん、これから何か起こっても気にしないでね」

「は? えっ何、剣抜いてんの?! 止めてよ、あたし武器持ってないんだからっいやあー!!」


 ああ……ごめんねセラフィーナさん……。そして降臨(?)したシノラインが口を開く。



「女の子を斬ったりなんてしねーよ!」

「え?」


 セラフィーナぽかーん。そりゃそうだよね。シノラインは調子に乗って喋りだす。


「俺は美女と美少女とその他の女性の味方、シノライン・ハッカーだぜ!」

「え? は? あんたさっきハルなんとかって言ってたじゃない……?」

「それは仮の姿さっ!」


 仮の姿って……僕が真の姿だよね? 僕の体だよね? ねえ!?


「さっきまでのヘタレはどうしたの。まさか二重人格? うわー……」


 うわーとか言われた。さらに数分前に出会ったはずなのにヘタレと言われた。コレ、かなりショックだよ。僕、そんなにヘタレてるぅ!?

 って、そうじゃなくて!


「ところでセラフィーナちゃん。さっきの真っ黒なガキ、あいつはリディスに向かったと思うんだけどな。多分キミの家?」

「な、なんでよ」

「キミのためだと思うよ。もしかしたらお父様? とか他の人が制裁を受けるかもしれないな」


 制裁? どゆことなのさシノライン。疑問を持ったのはセラフィーナも同じだった。


「どういうコトなの!? はっきり言って!」

「俺はレイじゃねーし、あいつが何考えてっかはわからねえ。だが、あいつがキミに害なす者を片付けようとしてんじゃねえか、と思ったりする。でもそれが、キミをハッピーにするかはわからない。それはキミが決めることだしな」

「…………」


 セラフィーナは何か考えているようだった。勝ち気だった瞳は伏せられ、少し揺らいだようだった。

 さらに、シノラインは続ける。


「端的に言えば、素直になったほうが良いってこと」


 シノラインの言葉に、ぱっと顔を上げたその瞳にはもう、強い光が宿っていた。


「あたし、帰る。それで、逃げ出すんじゃなくて、正面から体当たりしてやる」

「じゃ、決まりだな」


 突然シノラインはセラフィーナを横抱き――俗にいうお姫様抱っこ体勢――にした。身長が変わらないのであまり、格好いいとは……言えない。


「ちょ! 放してヘンタイ!」

「こんなほっそい足じゃ走れないだろ? 暴れんなよ、お嬢様!」


 セラフィーナを抱き抱えたまま、シノラインは足に力を込め、地を蹴り駆け出した。




 向かうはリディス、彼女のケリをつけるため。




結局、シノライン様(笑)は、レイのトコまで助けにいくようです。


それまでの間、レイがどのような行動をしていたのか……それが次話の内容となります。


………少しダークな回になりそうですが、よろしくお願いします!



それではっ(^^)ノシ

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