表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
測量士×異世界転生_異世界で丁張りを立てたら、世界を救う設計図になりました  〜測量士は今日も座標を刻む〜  作者: もしものべりすと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/22

第十七章 極寒の測量

名誉会長就任から半年後。


測は、世界各地の座標院分校を視察していた。


最初の視察先は、機械帝国ギアワークスの分校だった。


「ようこそ、ハカル名誉会長」


グスタフが出迎えてくれた。


「相変わらず、堅苦しい呼び方だな」


「失礼。では——ハカル殿」


「それでいい」


二人は並んで歩きながら、分校の施設を見て回った。


機械帝国の分校は、最新の技術を取り入れた設備が整っている。蒸気機関で動く測量機器、精密な歯車仕掛けの計算装置——魔法とは違うアプローチで、同じ精度を実現している。


「帝国の技術者たちは、優秀だ」


グスタフは誇らしげに言った。


「座標の概念を理解してからは、飛躍的に進歩した。今では——西方の座標院に負けないレベルになっている」


「それは良かった」


測は微笑んだ。


「測量の技術が広まれば、世界はもっと良くなる」


「あなたのおかげだ、ハカル殿」


「俺のおかげじゃない。皆の努力の結果だ」


────


次の視察先は、北東の永久凍土の大陸だった。


ここには、ガルドとミーシャが残り、分校の設立を進めていた。


「ハカル、久しぶりだな」


ガルドが笑顔で迎えてくれた。


「元気そうだな、ガルド」


「ああ。この寒さにも、だいぶ慣れた」


永久凍土の大陸の分校は、過酷な環境に適応した設計になっていた。暖房設備が完備され、測量機器には凍結防止の処理が施されている。


「この地の先住民たちは、独自の測量技術を持っているの」


ミーシャが説明した。


「星の位置を読んで、方角と距離を測る。天測——と呼ばれる方法よ」


「天文測量か」


測は興味を持った。


「俺の世界でも、かつては使われていた技術だ。GPSがない時代には、星を使って位置を決めていた」


「彼らの技術と、座標院の技術を融合させることで——さらに精度の高い測量ができるようになったわ」


「すごいな」


測は感心した。


「俺が知らない方法で、測量は進化している」


「あなたが基盤を作ったから、私たちが発展させられるの」


ミーシャは微笑んだ。


「感謝しているわ、ハカル」


────


最後の視察先は、南西の砂漠地帯だった。


ここには、卒業生チームが分校を設立していた。


「先生、お待ちしていました」


チームリーダーの青年——座標院の第一期卒業生——が出迎えた。


「立派になったな」


測は彼の成長を喜んだ。


「先生のおかげです」


「俺は何もしていない。お前自身の努力だ」


砂漠の分校は、厳しい気候に対応した設計になっていた。日差しを遮る屋根、砂塵を防ぐ密閉構造、そして——


「これは何だ」


測は、見慣れない機器を見つけた。


「新型の測量機器です。砂漠の蜃気楼による誤差を補正する機能を持っています」


「蜃気楼の補正?」


「はい。熱による空気の屈折で、遠くの物体の位置がずれて見えることがあります。この機器は、気温と湿度を測定し、自動的に補正を行います」


「……すごいな」


測は感嘆した。


自分が教えた技術が、さらに発展している。自分が想像もしなかった方向に、進化している。


「これが——技術の継承か」


測は呟いた。


「一人の知識は、限られている。だが、多くの人に伝われば——無限に広がる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ