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ツッコミ 67 〜とりあえず調べてみた〜

 案内された客室は、なかなか広いものだった。


 寝室は二つあり、それぞれにシングルベッドが二つ。リビングにはバルコニーが付いていて、水平線がよく見えた。保冷用の箱が置かれていたため、売店などで買った飲料を保管して終えるのだろう。


 その他に目立つものといえば、棚に置かれた酒の数々か。


「うーん、コンパスは船の進行方向を向いていますね」

「行き先は同じということかな。だとすると、大陸の中央部付近にあるかもしれない」


 地図を広げて作戦会議をするカナネとシュラナ。二人を他所に、ボクはじっと棚に目を向けていた。


「棚の後ろに、不自然に隙間がある気がする」


 近寄って覗いてみると、ちょうど握り拳ぐらいのスペースがあるだろうか。そこに何がある、等といったことは分からないが、この不自然な隙間が、怪しくて仕方がない。


「お、おぉー、入れるかも、俺なら入れるかも!」


 ルートがその隙間に頭をねじ込んで、ぐいぐいと押し入っていく。入ったところで、暗くて見えないかもしれない。一度戻らせ、葉っぱを発光させてルートの頭に張り付けた。


 とりあえず、ここのことはルートに任せておこう。


「中央部の怪しいところといえば、地図から消えた島だね」

「そうですね。大陸からはそう離れていない場所にあるようですし、この船の航路からしても、もしかしたら島のあった場所が見えるかもしれません」

「場所の確認ができれば、それでいいかもね。一つ目の秘宝も、秘宝がある場所と地図から消えた場所は離れていた。だから、その島に秘宝があるとは限らない」


 バルコニーに出て、上を見上げる。上にも似たような部屋があるようで、同じデザインの柵が見えた。


 下の階は客室ではないようで、窓のようなものは見当たらない。荷物の搬出は最後部で行われるため、側面はなかなか簡素のものだ。


「洞窟のこともあるし、大陸側の景色も見たいんだが」

「反対側の部屋になってしまいましたね。後でデッキに出てみましょうか」


 次に調べたのは寝室だ。ベッドの下を隈無く探す。合計四つのベッドを調べ終わり、次に部屋の出入り口の近くにあるクローゼットを開く。ハンガーがいくつか掛けられているのが確認できるが、怪しいところは特にない。


「ルート、どうだった?」

「何も無い」


 そっかぁ。と、二人で肩を落とし、ボクはまるでやけ酒のように、サービスとして保冷箱に入っていた炭酸水を取り出して、ウイスキーを割って飲んだ。


「二人は、何を探していたんだ?」


 シュラナの問い掛けに、ボク達は揃って答えた。


「隠し通路」

「隠し部屋」


 これらはロマンであるから、調べずにはいられないのだ。


「でも、なかったんだよねぇ」

「いえ、緊急用のものなら、あるはずですよ」

 

 え?


「保冷箱を回転させるとスイッチが切れるのですけど、同時に別のスイッチが入る。すると、壁が浮き上がって隣にあるデッドスペースに移動ができて、そこから廊下に出られるはずです」

「カナネ、詳しいね」

「ギルド主催の避難訓練に、参加したことがあるのです。でも、そうすると保冷箱が使えなくなってしまうので、本当に緊急な時にしか使わないほうが良いのです」


 そこにロマンはなかった。

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