ツッコミ 48 〜終わらない行ったり来たり〜
おおよそ湖の周りを半分ほどを歩いたところで、反対側から歩いてきたらしいシュラナとカナネに出会った。村人達はこの異変を理解してくれて、ついでに騎士団への連絡も済ませたそうだ。
「で、何かあった?」
そう問い掛けるも、二人は首を振るばかり。
湖の周りに何もないとすれば、後はもう、湖の中を調べなくてはならないのだけど……。
「ボクなりに、一つ気になることがあるんだけどさ」
「なんだ?」花弁から顔を出したルートが問う。
「ボク達は、さ。本当に順番を間違えていたのかな」
カナネの仮説によれば、ここで湖を見つけてから、下流に向かって、そこで魚に誘導されるとなっている。確かにそのとおりだなぁ、と思うのだけど、そのことを考えると、どうしても気になる部分が出てくるのだ。
「私、なにか間違えてました?」
「いや、間違えてはないと思うのだけど、一番最初が、湖なのかなって」
「……もしかして、村ができたのは湖が消えてからなのに、なにを目印に湖を目指すのか、と言うこと?」
そう、シュラナの言う通りだ。ボク達は地図を見て、湖が消えていたことに気が付いた。もしもその地図がなかったとしたら、どんな用事でこの場所まで来るのだろうか、と言うのが疑問なのだ。
「秘宝を隠したことが原因で湖がなくなったとして、その湖がなくなったことに気が付いたのは、新しく地図を作ったときじゃないかな。もしくは、何らかの用事でここに来た人が気が付いたのか。どちらにせよ、湖に用事があったことになる」
「湖に用事があると言ったら、釣りぐらいじゃないか」
流石、一部の魚を主食としてきた部族出身のシュラナだけあって、その回答は早い。
「あ、じゃあ、釣りをすれば何かが釣れて……、というか、直接ヒント的なものが釣れるのではないでしょうか!」
「じゃあ、カナネ。そういった仕掛けを考えたとき、簡単に釣れるようにすると思う?」
「うーん、それは、ものすごく重い感触で、並の釣り竿では釣れないということ?」
「それもあるかもしれないけど……」
「餌、じゃねーの?」
ルートが核心に触れてくれた。そう、ボクが言いたかったのはそこなのだ。
その発言を聞いて、一瞬にして不愉快さを露わにする人間二人。ルートは呆れたように欠伸をしているけれど、シュラナなんかは、小石を蹴飛ばして湖に放っている。
「自分は餌にぴったりだよ! っていうくらい、元気がいい奴がいたよね」
「あの魚かっ! あの魚、案内だけではなくそんな役割も持っていたのか!」
どんどんと、小石が湖に蹴り込まれていく。それでは何も反応をしない。自分が餌代わり、つまり囮になれるのではないか、と考えたらしいルートが湖に入るが、特に何の反応も起こらない。
ならば私が! と気合を入れたカナネが飛び込むが、もちろん何の反応もしない。怪しいのは、やっぱりあの魚くらいなのだろう。元々、この湖には巨大魚の噂があって、生きの良い魚をもって湖に行く人が多かった――という話があってもおかしくはないし。
はぁ、当時なら、もっと謎解きは簡単だったんじゃないかなぁ。結局、今を生きるボク達は、来た道を戻るしかないのである。もしくは、騎士に持ってきてもらう?




