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ツッコミ 46 〜新たな仲間?〜

 運ぶ水の量が多くなってしまったことにより、ボク達には新たな問題が提示された。


「やっぱり、厳しいですか?」

「そうですねぇ。この馬ではそこまでの量を運ぶのは、やはり厳しいかもしれません。強力なモンスターに換えるか、もう一頭増やすか」


 荷台に置くには多くなりすぎた容器をどうするかを、馬車の販売店で相談していたところ、過積載によりストップがかけられたのだ。


 馬の負担は見逃すことができないからと、今いるまぁまぁ力のあるモンスター馬から、別のもっと強力な力を持つモンスター馬に乗り換えるのか、はたまたもう一頭増やすのか。


 もう一つの案としては、ランクを落として頭数を増やすことも挙げられている。餌代としても、その方が抑えられるらしい。けれど、その分世話の手間が増える、と。


「強力なモンスター馬となると、やっぱり身体も大きいですよね?」


 カナネは頭の中で様々なことを考えながら、交渉にあたっているのだろう。今後かかる維持費というものが、ボクにはまだ、ピンときていない。


「そうですね。なので、燃費は悪いです。けれど、どんな悪路でも進むことができますし、羽の生えた馬を選んでいただければ、ある程度の飛行は出来ます」

「その子の場合、どのくらいの重量まで飛べますか?」

「特殊な能力によるものなので、重量はあまり関係ありません。燃費もそこまで悪くはないのですが……」

「お高いのですね?」

「やはり、個体数が少ないものですから」


 大変そうだねぇ、とシュラナに目を向けると、彼はもう、聞き耳を立てることなく提供されたコーヒーに集中をしている。無料のコーヒーはありがたいし、キッズスペースもあるため、許可を得てルートを遊ばせておくこともできた。


 さぁ、カナネ。存分に闘っておくれ。ボク達は、完全に戦力外だから。


「自分で勝手に餌を取ったり出来る子がいたり、とか」

「まぁ、モンスターであっても馬は草食ですから、草の多い場所に置いておけば、餌代を浮かせることは可能だと思います。ただ、力のある馬はそれ相応に自尊心も高いので、あまりそういった扱いを受けますと……」

「むぅ、難しいですね。性格も絡んできますか。樹神様の命令なら、なんてことは?」

「それは……、こちらでは少し、返答しかけるところがございます。ただ、もしかしたら、他の人の言うことを聞かなくなる恐れも、あるかと」

「あぁ、それだと別行動なんかしたときには困ります」

「でしたら、やはり二頭持ちがよろしいかと思いますよ。車体を少しアップグレードして、二つに切り離せるようにすれば、二つの馬車として利用することも可能となります。今のランクの馬であるなら、一頭増やしても世話にかかる費用は強力なものよりもお得になりますし」

「維持費を下げるために、先行投資、ですか。これは……」


 そうして、彼女はもう一頭の馬を迎え入れ、車体をアップグレードすることを決断した。今連れている馬とも仲良くなりかけていたところなので、この決断はボク的にも、とても歓迎できるものだろう。


「もし、これで最終決断なら、この子達にも名前をつけてあげたいね」


 そして、馬同士の顔合わせ。第一印象は悪いものではないようで、体を寄せ合っている姿は仲睦まじく見える。


「あぁ、それなら自由につけていいと、カナネが言っていたよ。自分は立ち合いに忙しいから、と」

「車体の改造かぁ。ボクも興味はあるけど……。あれ、ルートは?」

「あいつも見に行った」


 邪魔していなければ良いんだけど。


「じゃあ、名前をつけさせてもらおうか。そうだなぁ……」


 見た目的には、黒い子と茶色い子。茶色い子が古株だ。


「よし、決めた。茶色い子がヤージン。黒い子がキータン」

「あっさり決まったね。何か由来があるの?」

「旅人の定番、かな? 一頭だけなら、付けるのが難しかったかも。よしよし、これからお前たちは、ヤージンとキータン、だよ」


 二頭の頭を撫でながら、ボク達は二人の帰りを待つ。大人しくて、良い子たちだった。

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