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ツッコミ 45 〜ダイジェストにだって出来る〜

 どんなに長い工程を経たとしても、人の口から語られるものは、どうしたってあっさりとした物になってしまうものだろう。ボク達の行動についても、その例に漏れず、ピッタリと当てはまってしまうようにおもう。


 先ず、ボク達は海へと向かった。その道中は焼き増ししたかのようなもので、キャンプにだって特に特徴があるわけでもない。荷物がかさばるからと、ろくな調理道具を積んでいないのだ。肉や野菜を焼いたり、煮たりして食べるだけ。


 野生動物やモンスターとのエンカウントも、未だ訪れていなかった。


 保存用の容器に海水を入れて、村へと戻る。そして怪しげな木の虚に、それを注いでみたところ……。


「あ、葉っぱが下の方から色付いているぞ!」


 ルートの声にハッとして、みんなでそれを確認する。まるで紅葉のように色づいたそれは、全体の三分の一にも達していなかった。分かりやすいけれど、その分がっかりとするものも大きい。


 海水を容れた保存容器は、およそ一リットルほどだっただろうか。あと四本、いや、余裕を見て五本ほどは欲しいのだろうが、生憎、余分として持っているのは、今使ったものと合わせて二本。どうしたって、追加で容器を用意しなくてはならない。


 飲水用のものを使うわけにはいかないから、追加の確保は必須なのだ。


 生憎この村は基本的に、宿泊を目的として商売をすることが主となっている。販売されているものも、その殆どが食料品だ。しかし、醤油が名物の村であるなら、当然のごとくそれを容れる容器があるのではないか。それを譲ってもらえるように相談をしたのだが……。


 この容器は都市部から仕入れているため、在庫的にも余裕がないそうだ。届けば直ぐに使って、持ってきた馬車に積み込んで送ってしまう。人に分けることなんて、出来ようもなかった。


 結局は、元いた山の五合目まで戻って容器を入手し、試しに、という思いで怪しい洞窟の水を採取して戻るほかなかったのである。


 因みに、滝は一日ほどは開いた状態を保てるそうだ。


 用途に応じて、木の虚で発する言葉を変えることで、見張りの負担を減らしながらも独自に調査を続けているという彼らに、労いの言葉をかけて、ボク達はまた、街道を進む。


 そして、また村へと辿り着いて、得てきた水を、木の虚に流し込んだのだった。


「ねぇ、見てよ」


 茫然と、シュラナの腕を肘で小突く。


「見ているよ。カナネも、ちゃんと見てる?」

「はい。見ています。よーく、見ていますとも。でも一応、人から聞いておきたいですね。私の目が、なんかもう、曇っているかもしれないので。ルートさん、ちゃんと、見えてます?」


 その声は、僅かに震えていた。


「現実を見ようぜー。なんか、木がニョキニョキと成長して大っきくなった。あえて言うなら、メーターが増えた、ってやつ?」


 入れる水を間違えると、必要な水の量が増える仕掛けって最悪だな!

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