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ツッコミ 40 〜馬車選び〜

 地図から消えた湖を目指すにあたって、ボク達は先ず、馬車を借りることにした。その先に購入することを見越しているため、ここでの選択は非常に重要な意味を持ってくる。


「試乗を繰り返すと、購入の意思がないと判断されて、レンタル料を上げられたりするんですよねぇ。いくらお金には余裕があるといっても、そういうつまらないところで嵩むの、なんか嫌じゃないです?」

「分かる。逆に、まとめて買うことで安くなるなら、一つ必要なところを二つ買っちゃう」

「そうそう。そういう時にはお裾分けなんかしちゃって、あれ、これは結局、お得なの? なんて思ってしまったり」


 話に花を咲かせるボクとカナネをよそに、シュラナはルートを抱いて馬車を見て回っている。


 五合目では、怪我人を運んだり、疲れた人を送ったりと、様々な理由から多くの馬車を取り揃えている。麓に格納するための施設を持っているそうで、店頭に置かれていないものでも、一日あれば取り寄せられるそうだ。


 もちろん、引かせるための馬の販売も行われている。馬力のある馬。スピードのある馬。更にはモンスターの馬までと幅広い。


「ざっと見た感じだと、向かい合った座席があるものばかりだね。これだと、キアが乗れないと思う」


 一通り目を通したシュラナからの報告。座ることができないボクが乗ることができる、というのが第一条件のため、たとえ見た目がよくとも、なかなか選択肢に入れられることが出来ないのだ。


「となると、麓の施設まで足を運んだほうがいいかもしれませんね。あそこは牧場と隣接していますから、ついでに馬も選べますし」

「あ、もしかして、この山に来る途中で見かけた馬も、牧場の馬?」

「いえ、あれは野生です。多分、牧場にいる馬に会いに来ていたんだと思いますよ。そうして、捕まえられるのです」


 友釣りかよ。いや、縄張り争いではないから、適切な例えではないか。いや、でも、それを見越した場所に牧場を作っている可能性も?


 そんな疑惑の牧場に隣接する格納施設へとやって来た。満腹になったルートは眠っているため、店員が絡まれる前に、なんとか馬車を選んでしまいたい。


「なるほど、椅子のないスペースをお求めなのですね」

「はい。出来れば椅子もあって、というのが理想です」

「それでは、生活空間をイメージしてデザインされたものがいいかもしれません。ご見学なされますか?」

「是非」


 シュラナが対応し、ボク達はいくつかの馬車を見学した。それらを観た感想は、どこか既視感のある、と言えばいいだろう。


 つまり、キャンピングカーである。


「簡易的なキッチンが付くと、やっぱり、値段は上がってしまいます?」

「はい。上がりますねー。でも、付いていないものでも、別売りのバーベキューコンロを買っていただければ、格納するスペースはあります」

「セットにするとお安くなったり?」

「勉強させていただきます」

「後は水回りですよねー。水のタンクって、容量はどのくらいです?」

「大型のものもありますけど、そうなると今度は、性能のいい馬をお買い求めいただかなければならなくなります。頭数を増やすのも視野にいただければと」

「モンスターを一頭と、普通馬を二頭では、値段は?」

「性格などでも変わりますね。しかし、餌代などもありますので」


 どれにするのか、見積もりはどうなるのか、などは、財布を握るカナネの役目。手強い戦いになりそうだ。

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