表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界道中ピザコロッケ!?  作者: 如月 和
秘宝を求めて
35/36

ツッコミ 34 〜下山〜

「なんか、こう、飽きてくるよね?」


 涼しい顔を見せる僕とは正反対に、カナネは疲れを顔に表した。眉間にシワを寄せ、息も少し荒い。山頂で多少の休憩は取ったとは言え、標高的に言えばそこまで休めるものではないだろう。


「飽きません。ひたすら疲れて飽きるどころじゃないですよ。キア様、体力無尽蔵ですか?」

「蔓って疲れないから」

「変な乗り物ですね!」


 その分、上半身はずっと立っているようなものだから、背中とか結構キツイ時があるんだよねぇ。たまには横になりたい。横になれるだけのスペースがあるところに行きたい。このままだと、恥を忍んで路上に寝そべることも考えなければならないだろう。


「ボク、この山から降りたら路上に寝そべるんだ」

「干からびた草だね」


 シュラナが意地悪を言った。


「酷いことを言うなぁ。こんなプリティを捕まえて、干からびた草だなんて」

「いや、だってその花、ちょっと萎れかけてない?」


 え……、あ、寒さにやられているのかも。


「あー、やっぱり寒さには弱いのかも。ボク自身は暖かいのになぁ」

「暖かい服を買いましたからね。はぁ、元気そうなら花に乗せてもらおうと思ったのに」


 キア、タクシー化計画を無事に逃れる。まぁ、それはともかくとしても、この花は不思議だよなぁ。寒さにやられて元気がない感覚が、ボク自身には一切感じられないのだから。


 擽ったいとか、痛いとかは解るのだけど……、もしかして、見た目ほど弱ってはいないのかも?


「行きは頑張れたけど、帰りはしんどい。これがあるから、あまり山には登らなかったのに」

「カナネは、そういう冒険はしないんだ」

「シュラナさんは山籠りとか、好きそうですよねー。私は結構、シティガールですので」


 泥臭そうに見えるけどなぁ、というのは、流石に失礼だと思うので口には出さない。むしろ、シティガールを目指している途中に思えるかな。ボクとファッションの話で盛り上がれるということは、それほど知識がないと同義だろうし。


「こういう時は、楽しい会話をすべきですよね。下山したらスイーツを食べましょう」

「カステラとか?」シュラナとアイコンタクト。

「喉乾くやつ! 水分欲しているのに更に喉乾くやつ!」

「煎餅とか」

「喉乾くやつ! 塩っぱさが相まって喉が渇くやつ! 違うんですよ。あぁ、そうです、飲み物がいいんですよ。心に染みわたる甘くて爽快な飲み物が!」

「ウインナーコーヒーとか」

「え……、なんですか、その組み合わせ」


 あら、この世界では通じないのか。カナネにツッコませる会は、この辺でお開き。五合目まで戻ったら、炭酸飲料で乾杯しようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ