第1話始まり
第2話〜でありまあ本文的には第1話です。
「──────まず君は誰?」
俺がそう聞き返した瞬間、世界が光に包まれる。
あまりの眩しさに俺は瞬時に地面に伏せる。片目を開けて片目を閉じる。
同時に刀の柄に手を伸ばす。
「ぁ、あの……?……えっと……そんなに警戒しなくても……」
声は女性か。妙にエコーが聞いていて聞き取りにくいが、粗方の位置は把握した。
ここからなら時を止めれば間に合う……
そんなことを考えていると
「あの!……私は異世界の女神と申します。単刀直入に言います!……私を助けてください!」
……え?いや異世界?……
「そんなフィクションじゃあるまいし……」
俺は少し面食らったままその土下座をしている自称異世界の女神を見る。
綺麗な土下座だ。あれは土下座し慣れている奴の土下座だ。
俺はその姿勢からこれが嘘では無いという事を確認すると
「顔をあげてください、では先ずは契約をしましょう」
そう女神に伝えた。
「はい!……はい?け、契約?……あの……あの……え?」
何を驚いているのだろうか?そもそも契約無しに始まる雇用関係など有り得ない。
まぁ異世界だしそういった事柄も無いのかもしれない、そう俺は思ったので
「形だけでいいですよ」
と伝えた。
そうして俺は女神と契約した訳だが……
「実は……私も数日前に引き継いだんですけど……」
そう言って始まった女神の説明によると
『かつてこの世界を統べていたのは真面目な2人の神だった。しかし時が経つにつれ適当になってしまい、挙句の果てに自分たちの好みの子を異世界からさらってきてはチート能力を与え……好き勝手した結果世界がめちゃくちゃになってしまったのだとか──────そして挙句、自分たちの仕事を放棄してどこかへと消えてしまった』と。
そしてその仕事を引き継いだのがこの目の前にいる女神だとのことで
「なるほど、事情は分かりましたが……それはさぞ大変だったのでしょう……心中お察し致します」
「で、でしょ!……何かのんびり寝てたら突然仕事だって言われて!しかもいきなり全部の仕事が私に押し付けられてさ……ホント頭きちゃうわよ!」
「──────なるほど、つまり1人じゃ手が足りないから俺を呼んだのか。了解した……で、俺は何をすればいい?」
「話が早くて助かるわね……貴方……えっとまず私の名前はレフィアよ!……貴方は……」
俺は九条 影一と伝えた。
「ふむふむクジョー・エーイチね覚えたわ!……長いからエーイチって呼ぶわね……こ、こほん……貴方にはこの世界の管理を手伝って欲しいの……具体的には」
「──────具体的には?」
「地上のこと全ての管理を」
…………は?
あと1話かな?投稿します。そのあと少したって夜にもあと2話ほど投稿します