猫が旅して何が悪い

中学生からの腐れ縁の恋人コウからプロポーズをされた。プロポーズの仕方に色々思うとこはあったものの、それを受け入れた私。
なかなかお互いの都合が合わず、数週間後とりあえず私だけで結婚の報告をしに田舎に帰るべく駅へ向かっていると、どこからか聞こえる声にその主を探すと、そこには仔猫と怪我をした母猫がいた。
電車の時間も気になったが、そのまま猫の親子を放って置くこともできず近くの動物病院へ連れて行こうと手を伸ばした。
その時けたたましいクラクションの音が聞こえて振り向くとこちらに突進してくる車が！

何とか猫の親子を助けたと思った途端、意識は途切れ気がつけば夕方が近いことを空が教えていた。
急いで田舎へ行く電車に乗るべく駅へと急ぐ私。
駅に着いて違和感を感じるが、それが何かは分からない。やたらと背の高い駅員が何故か私に迫ってきて、逃げ出す私。
あてもなく走り出し、着いた先は古びた名も知らない神社だった。その境内の御神木の元にできた前日の大雨の水溜まりに映し出された私は何故か猫になっていた！
神社の境内で出会った老猫曰く助けた猫の生まれ変わり、もしくは入れ代わりだと教えられた。
人間の自分が生きているのか死んでいるのかは分からないが、思い残したりやり残した場に行って、その想いを置いて来ると、生きていればそのまま人間に戻るか、はたまた人間に生まれ変われるかするかもしれないと教えられる。
そうして猫となった私生き返るれるのか、生まれ変わるのかはわからないが、婚約者のコウの元を目指して旅にでることとなった。