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明日 明後日 明々後日  作者: 兎車ヒロト
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0.*2 ‐f‐




 学校へ行くようになった。正しい変化だ。

 そしていつからか、自分は『普通』を意識するようになった。

 この仕草は普通か、普通に話せているか、異常だと思われていないだろうか。

 しかし、それもあまり意味は無かった。


 自分のこの白い見た目は、既に他と違ったからだ。


 自分は、普通にはなれないのだろうか。




                 ▼△▼




 学校へ通い始めて約一年が経つ。変化があったとするならそれは、誰か宛てに、毎週のように手紙が来るようになったこと。


 親は最初、その手紙を見て、どうしてか顔をしかめた。それから、その差出人を見るたび、そうやって顔を変える。

 しかし、やがて目を通すこともなくなっていた。何処かに処分しているようだ。いくら聞いてみても探してみても、どうしてか手紙の内容を、その差出人さえ教えてくれない。


 変わったことはまだあった。

 自分の身体の異変。これは、正しくない。

 鍛えていて、体つきが変わったようなわけじゃない。以前と比べても大して成長はしていない。細い腕のままだ。

 その異変はある場面で起きる。何か、手で物を扱うとき、ものによってはへこんだり、曲がったりしてしまう。

 無為に力をいれることは出来なくなった。


 いつから「普通」に対し執着し始めたのか。()()をあまり意識しなくなり、いつしか自分自身も慣れてしまっていたのか。なぜ、普通に対しこうも拘っていたのか。


 やはり、忘れ去ることは出来なかった。

 それは自分が異常であることだ。人間の個性じゃない、その範疇を超えたモノであることだ。

 普通であることに縋ったが、意味はなかった。


 何かに、引き戻される。



               ▼△▼△▼△▼



 また、いくつか月日を経る。歳は既に九つで、少ないながらも友達ができた。「それ」については勿論、言わない。

 知られてしまったら、絶対に戻れないと分かっている。

 もう今の環境で十分満足していた。普通じゃなくたっていいと。

 だから、このまま。このまま変わらないで欲しいと願った。





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